goo blog サービス終了のお知らせ 

二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

閑話休題・ネオちゃんの事。

2023-05-06 11:41:05 | 二胡の救急箱に書かなかったこと

コロナが始まってから、一年経った頃、ネオちゃんは工房へ来ました。
ほぉさんはまだ病気と闘っていましたが、それでも、口にするのは光舜堂と私の先行きの心配。
「西野さんは、普通の事が一人でできないから、絶対だれか一緒にやる人捜した方が良いよ」と。
私は、普通に皆さんがやっているようなことができないことが沢山あります。
というより、作る事以外はほぼ無能に近いと、一番世話になって来た50年連れ添った女房からも言われます。
確かに、事務能力という点でも対人関係でも、かなり人様に劣ります。
そこで本業の方のスタッフさんの募集で来たネオちゃんに少しずつ、光舜堂のほうの仕事も頼むようになったのです。
ところが、ネオちゃんが興味を持ったのは、作る事!
少しずつ少しづつ、弓の毛の扱いなど教え始めて、今は丸2年経ちまして、弓毛の張りはもう全く問題ないくらいにできています。
どうやら、ここへきて本格的に二胡造りも始めたいようで、蛇皮張りや人工皮の張なども、一台づつですがやっています。
実は、ほぉさんの予想と全く外れていたのが、事務能力。
しかしとても面白い子です。
ほぉさんの期待していたのは、ほぉさんのように事務や、楽器の発送など様々に私を手助けしてくれる人だったはずなのですが、、
ネオちゃんは、まったくほぉさんとは似ていません。当然ですが。
ほおさんの様に大酒も飲みませんし、たくさん食べもしません、むしろ私の様に小食です。
作業場の周りを始終箒を持って掃いていたほぉさんとは大違い、私とそっくり、ご来客の前に、ネオちゃんと私で大慌てで掃除するくらい。
「私の仕事台の上は触らないでください、私にわかるようになっていますから」と私と同じことを言います。
ほおさんの様に几帳面な字を書くでもなく、「これなんて書いたのと」ネオちゃんと二人で聞きあっています。
その辺は私に似ていますね。気が付くと床にべったりと座って仕事をしているところも、絵や字が下手なのもそっくり!
そして木を彫るのはとても上手です。
気が付くと、余った木でスプーンを作ったり、イルカの彫刻など掘っています。
これでは、私と同じですね。
でも、細かい木の仕事、例えば、松脂の箱作やその仕上げなどは、とても熱心にやってくれます。
松脂作りは、ほんとに最初から一緒にやっていますし、その制作の事でも気が付くと一人でいろいろ工夫して、より良いものに作り上げたりしています。
仕事上の精度の良さというのは、抜群ですね。
二胡も、弓を作ったり、松脂を作るたびに弾いていますから、最近音はとても良く響くようになって来ています。
二胡を弾くのも、左利きなため、最初は右手で弓を弾くのに苦労していましたが、最近では違和感なく弾いています。
ひたすら音階ですが!
ほぉさんは、ほっておくと2時間でも3時間でも知っているクラシックの曲を弾いていましたが、ネオちゃんはひたすら音の追求。
この辺りは、私に似ているのかもしれません。
その探究心は、いずれ良い物作りになる素質十分です。
本当は、良い二胡造りになって❕とは思うのですが、人はそれぞれ。
ただ二胡弾きさん達にお会いするのがとても嬉しいみたいで、今度の神戸の調整会にも気合が入っています。
どうかすると、休日にもかかわらず、自宅で馬毛を整えてたりしてします。弓つくりは大好きみたいです。
昼休みには刃物を研いだり、私に内緒で木軸の削りなどもやっていたりもします。
私はその間昼寝!
しかし、時として、「はいこれ食べてください」とお菓子を持って来たり、
「西野さん、そろそろ休んで」
私が咳き込んでいたりすと、すっと目の前に咳止の飴が出て来たりもするのは、ボスの鞄持ちと自称していた、ほぉさんにそっくりです。
そうそれからなんでもノートしておくのは似てるかもしれません。私は全くメモもノートも取らないです、学校のころから。
こんな年になって、良いスタッフに恵まれました。
最近では、メールなども代わりに書いてくれます。
以前は光舜堂スタッフ・ネオと署名していましたが、ほぉさんと相談して、最近は変えてもらいました。
光舜堂・ネオ。
そろそろ良いと思います。
工房光舜堂西野和宏&ほぉ



Comment    この記事についてブログを書く
« 光舜堂13周年記念 ほぉさん... | TOP | 花紫檀の解説。 »
最新の画像もっと見る

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

Recent Entries | 二胡の救急箱に書かなかったこと