二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

日本製の二胡の出来上がるまで、その3

2010-06-08 18:26:15 | ■工房便り 総合 
よーし、材料集め。

さっそく80年位の付き合いのある木場の材木屋へ。

二胡作りたいのだけど。

何?それ。

二胡、ほら、女子十二楽房の女の子たちがこうやって弾いてるやつ。

ああ、アレな。あれは、材は何?

多分紫檀、や黒檀。

それはウチでは、扱っていないよ。Y、さんに、行ってみな。

木場は、それぞれ得意な材料が有る。全部を扱っているのは、いくら大きな商社でも無い。

Yさん、黒檀、紫檀有りますか?

どのくらいの量?

楽器作るから、そうね、0,01粒米位。

そのっくらいなら、Hさんところだね、良く楽器作る人来てるみたいだよ。ウチからの紹介と言っておくよ。行ってみな。

Hさん、こんにちは、Yさんから紹介された、西野と言います。

ああ、あの胡桃の西野さんかい?、楽器、黒檀?紫檀?

今、粒米いくらぐらいですか、?

黒檀なら、300万くらいかな、紫檀?インドローズだと1400万くらいだよ。

絶句!

通常、高級材と言われる、チーク材が150万位、ちなみに胡桃は80万位。

ウチのは乾いてるからね、30年前ぐらいから干してあるよ。よくバイオリンや、三線の人が来るよ。

一台分だと、0,01だから、14万ですか?(内心、これはやってられないな)とにかく1台分、お願いします。紫檀と黒檀。あわせて18万。

それでも嬉しさのあまり、キンキン木を叩きながら工房へもどった。

次に必要なのは、皮。

蛇皮、どこに行ったら、入るのか?

まあ楽器屋さんが張ってくれるというし、あと、あと。

紫檀製材し、これから削り込み。

この三台の、削りの違いは何?

不思議なことに、音の違いは覚えていた。

皮張るところは薄くなければいけない。どのくらい?

この形はいやだなー、これでいけないか。でもこうやってみよう。

これは不思議なのだけど、一発で決まった。

こうあるべき、というのが、みえる、とにかく解る。

こういう時は物つくりは、そのみえているものに、従う。

感ではない、降ってくる、見えている。

うちの祖父が、仏像を作る時(うちは代々 仏師、24代だそうだ)、

首のラインだけ引く。

思い切り首のところから彫り始める。

祖父曰く、「見えている通り彫ってやれば、良い仏様彫れる。」

若い時には、見えなかった。

しかし二胡のことになると、見える。というのが良く分かるようになった。

見えていた通り、作ってみた。

続く。

西野和宏







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