
松節の駒の特徴は、万能であるという考えられます、
三味線の水牛の駒、ヴァイオリンのカエデの駒などと同じように、定番となりうる素材だと思えます。
光舜堂の駒以外にも、もし松節の駒が(本物だとして)手に入るようでしたらこれはおススメです。
是非試してみて下さい。
ご存知のように、二胡の楽器としての状態は100万台あれば、100万種類の楽器が有るくらいに違います。
勿論ピアノから、ヴァイオリンあるいは、ハーモニカなど、すべての楽器はそれぞれ個性を持ちます。
特に皮を振動板に持った楽器は、音色や質が違うだけでなく、
雑音などで悩まされることも多いです。
楽器屋さんにいらして、あれこれ二胡の駒を試してみて、
良い音なのだけれど、雑音が出るとか、音色は良いが、音のボリュームが出ないなどと、様々な問題、あるいは相性というのもあります。
駒の形状にしても、まだこれが最高という形はありません。
楽器そのものもそうなのですが駒の形はさらに、変化が激しいです。
様々な状態のお客様の楽器を1500台以上にわたって見せてきていただきました。
その楽器の状態をよりよくするという事では、木軸や台あるいは、皮の状態などそれぞれに合わせて修正調整修理してきていて、
やはり駒というのはとても大きな要素だと考えられます。
今までに黒彪駒や縞虎、彪駒など、形状も色々、そして樹種も色々試してみましたが、
音色はそれぞれに似合いさえすればとても良く鳴ります。
形もたぶん、今私の作っている「ウチダ駒」の形状というのは、一番二胡には適していると考えられます。
但し、皮の状態によっては、その効力がなかなかに発揮できない場合もあります。
それと鳴りすぎるという事では皆さんの二胡の音色に対する思いと違うという方もいらっしゃいます。
万能ではないのです。合う合わないという事もあります。
以前、中国屋楽器店のオーナーのショウホウさんに、この駒が昔から使われてきて一番良い木だよと、
松節の駒をいただいたことがありました。
確かに良く鳴ります。
殆どどんな楽器でも鳴らします。
ただその頃の松節の駒というのは、その当時作られていた二胡の大きさ、(胴の直系88ミリくらい)に合わせたとても小さなものでした、
高さは9ミリ、そして直径が9ミリくらいの物で、今皆さんがお持ちの直系92ミリくらいの楽器には合いませんでした。
駒は小さければ小さいほど同じ樹種なら音は大きくなります、が音色は落ちます。
そして小さければ小さいほど、皮はかなり硬くないと鳴りません。
楽器が新しいうちは良いのですが、鳴りはじめて皮が柔らかくなると、皮全体を振動させることが出来なくなります。
そこで以前、柔らかい、皮あるいは薄い皮の為に考え出した、北京系用の駒の状態も作ってみました。
とにかくこの松節は今のところ私が実験した楽器では、本当に良く鳴らしますし、
また、多少の楽器の不具合も感じさせません。
たぶん硬い所の鳴りと柔らかい所の層が、振動をよりよく発揮してくれるのだと考えられます。
皆さんも経験のあることでしょうが、ある駒を変えたらいきなり雑音がというのがとても少なかったです。
これで、全国の二胡弾きさんの、鳴らないという悩みは少しは、解決できそうです。
(ただし千斤がきちっと巻いてないとだめですよ)
中国の広州の脂松で作られた、松節の駒。
発売はじめます。