二胡工房 光舜堂

二胡を愛する全ての人へ

良い楽器とは、その2

2019-10-24 11:06:28 | 二胡の救急箱に書かなかったこと
前の項に書きましたように、棹まで良く振動すると、楽器全体が鳴ってきます。

すると自分で弾いていても、他の人が弾いていても、響いているなという感じがしてくるものです。

これは二胡の木の部分がすべてしっかり組みあがり、弦の振動が全体に伝わっているということでしょう。

分かりやすい例えで言うと、私たちが普通に歌うのと、オペラ歌手が歌うのとの違いといってもよいでしょう。

オペラ歌手は体全体を響かせますね。

大きな音がするということよりむしろ、全体が響く感じです。

現状の二胡は、どうも音を大きくするという方向に進んできたようで、

二胡の胴も20年くらい前の二胡が大体直径が、90mm以内だったのが、

最近の物は大きなものでは95mmくらいに大きくなってきています。

その上、皮もより振動するようにと、薄く仕上げるようになったようです。

おかげで、音は大きくなったけれど、音色が薄くなり、二胡の良い音色というのが聞こえてこない楽器も多いです。

皮の薄い分、皮の寿命も短くなったようです。

二胡の胴の構造は、多少各メーカーによって多少の違いがあります。

しかし基本的に、現在では機械生産で、どれも同じ形に作られます。

この一品という場合、この板で一台を作るという以外、ほとんどの物は同じ樹種でどんどん製材します。

それを組みあがる部署で、おなじ樹種というだけで組みあげられているようです。

一枚の板でできていませんから、様々なキー音を持つものが一緒に組みあげられます。

一枚の板は、同じ木目に近くなります。

ですので、同じような木目が6枚そろっていれば、それはかなり高級な楽器ということができると思います。

それは、生産の過程で、この板一枚で一つの胴をくみ上げるという意思が伝わっているからでしょう。

ヴァイオリンなども、表板以外は、すべて、楓材で作られます。

量産ものですと、生産の効率を考えてネックはネック、裏板は裏板、脇板は脇板で別々に取られますが、

一台一台作っている人は、同じ欅の材それも裏板を取った残りの部分でサイドの板を取ったりもします。

そうすると同じ響きの材がそろうわけです。

そのような状態に二胡の胴が作られれば、胴全体が響きやすくなるようです。

そして何より音色が整いますね。

ですから比較的高級な二胡は、同じような木目が並んでいる胴が多いです。

良い二胡の一つの目安になると思います。

続く










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