二胡工房 光舜堂

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二胡の制作過程、製材その2

2013-12-12 10:27:57 | ■工房便り 総合 


この木はブラジリアンローズウッドです。

まれに中国製のの二胡の中にも、紫檀の木という名前で、作られているものを見かけます。

それらは本物のブラジリアンローズウッドというよりどうも、メキシコ産のココポロというのが多いようです。

ブラジリアンローズウッドは、ヨーロッパでは、ピアノや、ギターなど弦楽器の材料として最優秀なものとして、18世紀以来使われてきている材料です。

またその美しい木目が高級家具として、世界中で愛されてきた木でもあります。

今は、ワシントン条約で規制され殆ど日本には入ってきていません。

今ワタクシが使っている木は、ワシントン条約で規制される前に日本に入ってきた木です。

ですので40年位も乾燥させてあり楽器に作るにはとても良い状態でした。

ちなみにこの木で二胡を私が作ると38万円になります。(会員は15%オフ)

この木の音色の特徴は当然紫檀系ですから、明るい鳴りをします。それでいて含みのある大変複雑な音色を持っています。

ですから演奏する人の感性に合わせてとても音色が変化します。

二胡の音色を様々に楽しむという点では、一番楽しめる材料かもしれません。

この木を製材始めます。

もう40年位も前に、テーブルが作れるようにと、40ミリの厚みに製材されていました。

二胡を作る時、製材は何段階かあります。

まず30年から40年寝かしてあった、丸太や角材を大まかに製材します。

だいたい胴に作る木は,柾目に18ミリくらいにとっておきます。

棹に使う木は、これはもう25ミリの角に製材しておきます。

それから半年寝かせます、そして、自分で作った人工の乾燥機、湿式の温風が出ます。

温度は、40度前後です。

湿った空気ですから表面を傷めません。

この時にはそれでも表面が傷まないように、またゆっくり内部まで乾燥するように、表面にはボンドを塗りつけます。

表面が風で乾燥しすぎてひび割れを起こすのを防ぐためです。

この人工乾燥を3ケ月から4ケ月ゆっくりと掛けます。

次の工程は、

胴の板を、60ミリ×900ミリの柾目の板を厚さ16ミリに切りそろえます。

これを自然に1年ぐらい乾かします。

そして、最終工程の,厚み14ミリに削り込みます。

木工の基本は待つことです。

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