この木はブラジリアンローズウッドです。
まれに中国製のの二胡の中にも、紫檀の木という名前で、作られているものを見かけます。
それらは本物のブラジリアンローズウッドというよりどうも、メキシコ産のココポロというのが多いようです。
ブラジリアンローズウッドは、ヨーロッパでは、ピアノや、ギターなど弦楽器の材料として最優秀なものとして、18世紀以来使われてきている材料です。
またその美しい木目が高級家具として、世界中で愛されてきた木でもあります。
今は、ワシントン条約で規制され殆ど日本には入ってきていません。
今ワタクシが使っている木は、ワシントン条約で規制される前に日本に入ってきた木です。
ですので40年位も乾燥させてあり楽器に作るにはとても良い状態でした。
ちなみにこの木で二胡を私が作ると38万円になります。(会員は15%オフ)
この木の音色の特徴は当然紫檀系ですから、明るい鳴りをします。それでいて含みのある大変複雑な音色を持っています。
ですから演奏する人の感性に合わせてとても音色が変化します。
二胡の音色を様々に楽しむという点では、一番楽しめる材料かもしれません。
この木を製材始めます。
もう40年位も前に、テーブルが作れるようにと、40ミリの厚みに製材されていました。
二胡を作る時、製材は何段階かあります。
まず30年から40年寝かしてあった、丸太や角材を大まかに製材します。
だいたい胴に作る木は,柾目に18ミリくらいにとっておきます。
棹に使う木は、これはもう25ミリの角に製材しておきます。
それから半年寝かせます、そして、自分で作った人工の乾燥機、湿式の温風が出ます。
温度は、40度前後です。
湿った空気ですから表面を傷めません。
この時にはそれでも表面が傷まないように、またゆっくり内部まで乾燥するように、表面にはボンドを塗りつけます。
表面が風で乾燥しすぎてひび割れを起こすのを防ぐためです。
この人工乾燥を3ケ月から4ケ月ゆっくりと掛けます。
次の工程は、
胴の板を、60ミリ×900ミリの柾目の板を厚さ16ミリに切りそろえます。
これを自然に1年ぐらい乾かします。
そして、最終工程の,厚み14ミリに削り込みます。
木工の基本は待つことです。