ケンタくんを強く怒らないと決めたのに、今日は久々に怒ってしまった。
今日も態度が悪く、宿題を教えていて「あ、そこは違うからもう一回やってみて」と言っても「うるせぇ、違わねぇよ」とくるから、見るのをやめると今度は「教えろよ」と言う。それでまた教えると「うるせぇ」となる。
この繰り返し。
こうやっていつも我慢しながら、暴言を吐かれながら、なんとか宿題の見守りを乗り切る。
そのあと私はヤンチャ王子の相手をしたりノゾミちゃんと楽しく工作を作ったりした。
その間もケンタくんは何かブツブツ言っていたが、気にしないことにした。
でも、みんな帰った後、ケンタくんとノゾミちゃんだけになったので、私は二人に呼び掛けて一緒にすごろくをすることにした。
しかし、このあと大変なことが起きた。
ケンタくんがサイコロを振ってコマを動かす時、間違ってノゾミちゃんのコマを動かした。
ノゾミちゃんは、
「あ、違うよ。私のだよ」
と言った。
すると!
「うるせぇ!違わねぇ!」
と言って突然ノゾミちゃんを叩いた!
「何で叩くの!!」
私はついに我慢がキレて怒鳴った。
すると今度は私にパンチをしてきた。
「いいかげんにしなさい。なんでいつもそうなの?」
私は声のトーンを落として真剣に聞いた。
「イライラするからだよ!」
「なんで最近イライラしてばかりいるの?何かあったの?」
「なんにもねぇよ!うるせーな!」
話も何もあったもんじゃない。
生まれながらの発達障害のせいもあるのだが、いくらなんでもここまで態度が悪くなってしまったのは謎だ。
しかも今日はどんどん私に攻撃的になってきて、
「よーしたかぽんさん、包丁で勝負しよう。たかぽんさんを刺してやる」
と言ってきた。
そこまでケンタくんに言われるなんて、私はショックだった。
初めて会ったのはおととし、ケンタくんが4年生の時だった。
ここで働き始める時、「ケンタくんは一番手がかかる子です」と上司から言われたが確かにそうだった。
でもかかわっているうちに、ケンタくんは私を慕うようになってくれた。
私が休みの日は、他の職員に、「たかぽんさんは?たかぽんさんは?」と聞いてまわってたそうだ。
私に会うとしがみついてきて甘えた。
私もケンタくんを可愛いと思っていたし、一生懸命今までかかわってきたつもりだ。
それなのに、このところ荒れていくケンタくん。
ついには私を包丁で刺すとまで言うようになった。
確かに私が他の子にかかわっていると、今までも嫉妬心はすごかった。
私への甘えと憎しみなのだろう。
今日はその後、事務所で聞いていた上司のMさんが来て、ケンタくんに「たかぽんさんとノゾミちゃんに謝りなさい」と言った。
ケンタくんは男の人の言うことはイヤイヤながら聞く。
私の方を睨みながら、
「ごめんなさいっ!」
と吐き捨てるように言った。
「その謝り方は謝ってるとは言わないなあ」
とMさん。
でも私は、
「いいよケンタくん。謝ったってことは自分が悪かったってわかってるんだね。それにしてもケンタくんが前に比べてずいぶん変わったから心配になるよ。みんな心配してるんだよ」
と言ったが、ケンタくんはテーブルの下にもぐって知らないふりをしていた。
ケンタくんのことは私なりに今まで頑張ってきたけど、なんだか自信がなくなった。
そんな日だった。
今日も態度が悪く、宿題を教えていて「あ、そこは違うからもう一回やってみて」と言っても「うるせぇ、違わねぇよ」とくるから、見るのをやめると今度は「教えろよ」と言う。それでまた教えると「うるせぇ」となる。
この繰り返し。
こうやっていつも我慢しながら、暴言を吐かれながら、なんとか宿題の見守りを乗り切る。
そのあと私はヤンチャ王子の相手をしたりノゾミちゃんと楽しく工作を作ったりした。
その間もケンタくんは何かブツブツ言っていたが、気にしないことにした。
でも、みんな帰った後、ケンタくんとノゾミちゃんだけになったので、私は二人に呼び掛けて一緒にすごろくをすることにした。
しかし、このあと大変なことが起きた。
ケンタくんがサイコロを振ってコマを動かす時、間違ってノゾミちゃんのコマを動かした。
ノゾミちゃんは、
「あ、違うよ。私のだよ」
と言った。
すると!
「うるせぇ!違わねぇ!」
と言って突然ノゾミちゃんを叩いた!
「何で叩くの!!」
私はついに我慢がキレて怒鳴った。
すると今度は私にパンチをしてきた。
「いいかげんにしなさい。なんでいつもそうなの?」
私は声のトーンを落として真剣に聞いた。
「イライラするからだよ!」
「なんで最近イライラしてばかりいるの?何かあったの?」
「なんにもねぇよ!うるせーな!」
話も何もあったもんじゃない。
生まれながらの発達障害のせいもあるのだが、いくらなんでもここまで態度が悪くなってしまったのは謎だ。
しかも今日はどんどん私に攻撃的になってきて、
「よーしたかぽんさん、包丁で勝負しよう。たかぽんさんを刺してやる」
と言ってきた。
そこまでケンタくんに言われるなんて、私はショックだった。
初めて会ったのはおととし、ケンタくんが4年生の時だった。
ここで働き始める時、「ケンタくんは一番手がかかる子です」と上司から言われたが確かにそうだった。
でもかかわっているうちに、ケンタくんは私を慕うようになってくれた。
私が休みの日は、他の職員に、「たかぽんさんは?たかぽんさんは?」と聞いてまわってたそうだ。
私に会うとしがみついてきて甘えた。
私もケンタくんを可愛いと思っていたし、一生懸命今までかかわってきたつもりだ。
それなのに、このところ荒れていくケンタくん。
ついには私を包丁で刺すとまで言うようになった。
確かに私が他の子にかかわっていると、今までも嫉妬心はすごかった。
私への甘えと憎しみなのだろう。
今日はその後、事務所で聞いていた上司のMさんが来て、ケンタくんに「たかぽんさんとノゾミちゃんに謝りなさい」と言った。
ケンタくんは男の人の言うことはイヤイヤながら聞く。
私の方を睨みながら、
「ごめんなさいっ!」
と吐き捨てるように言った。
「その謝り方は謝ってるとは言わないなあ」
とMさん。
でも私は、
「いいよケンタくん。謝ったってことは自分が悪かったってわかってるんだね。それにしてもケンタくんが前に比べてずいぶん変わったから心配になるよ。みんな心配してるんだよ」
と言ったが、ケンタくんはテーブルの下にもぐって知らないふりをしていた。
ケンタくんのことは私なりに今まで頑張ってきたけど、なんだか自信がなくなった。
そんな日だった。