さよならケンタくん

2018年06月28日 | 日記
昨日は久々の出勤だった。

しかし事務所に入ると社長がため息をついていて、副社長がそのワケを教えてきた。

「ついさっきケンタのお母さんから電話がきて、ここを辞めるそうです」

「え!」

びっくり。

最近情緒が不安定だったケンタくん、ケンタくんのお母さんが新しい環境にしてみたくて辞めるんだろうか。

と思ったら違った。

ケンタくんが、この施設に来て過ごしていた今までのことを、断片的にたくさん話したらしい。

しかしその内容が、○○さんに怒られた、○○さんが○月○日に怒った、という話を中心に、嫌だったことだけを話しているらしい。

それでケンタくんのお母さんがキレたようだ。


でも、それはないよケンタくんのお母さん。

あんまりだよ。

私たちは、少なくても私は、今までケンタくんに心を寄せて一緒に過ごしていた。

そりゃあたまには叱ったことはあったけど、必要があるから叱ったし、その何倍も何倍も一緒に笑って楽しく過ごしてきたよ。

あんまりだよ本当に。

今まで施設で私達がケンタくんと過ごしてきた思い出や時間はなんだったの?

なんだか悲しくなって急に涙が出た。

副社長が気がついたらしく、

「たかぽんさん、ケンタが4年生の時から一番一緒にいたもんなあ…」

と言った。


本当にそう。

そんな私が、まるでケンタくんとケンタくんのお母さんから否定された気持ち。


それにケンタくんの今後が心配になる。

もう6年生になって新しい施設に馴染めるのか、あのケンタくんならかなり難しい。

ケンタくんのお母さんはシングルマザー。

一緒に暮らすケンタくんのお父さん代わりの人は、時々ケンタくんに怒って家の外に出すと聞いたことがある。

いろいろ心配になる。

でも、もう私が、私達が口を出すことではない。

とにかく、ケンタくんと、ケンタくんのお母さんのことを、心の片隅で応援するだけ。