kirekoの末路

すこし気をぬくと、すぐ更新をおこたるブロガーたちにおくる

5月27日

2008年05月27日 21時18分32秒 | 小説の感想と批評
この一歩の後退が@kirekoです。

>今日の感想と批評

太陽の牙ダグラムを久々にVHSで見てたら
アレだけ嫌いだったカルメルの最終回での成長ぶりに
同調してしまったので更新が遅くなりました。(言い訳)
あのテロ行為まがいの太陽の牙に対して、デロイア自治を
仮初とはいえ任されているという重大なポジションと状況に置かれていながら、
高圧的なラコック(地球)の傀儡にならなかったのは凄い決断力だよなー…。

あ、すいません。
本当は水中奇襲しか出来ないマッケレルが好きなんです。


■企画の意図は、こちら
http://blog.goo.ne.jp/kireko1564213/e/7e03a0212eb392c37028780a1c7f63d9

*感想テンプレ

■(タイトル+小説直リンク) ジャンル(ジャンル) 作:作者名
:あらすじ(小説家になろう投稿時に書いてあるあらすじ)
:感想(kirekoの感想)

*感想テンプレ終わり



============はい開始==============

魂管理事務所 ジャンル ファンタジー 作:Kei

:あらすじ
『魂管理事務所』。死んだ者の魂が集まる、不思議な場所。そこは、生前成し遂げることができなかったことをやり直すチャンスを与えてくれる。

:感想
ファンタジーというジャンルにしておくには勿体無いほど、非常に読みやすい文章。簡素だが説明不足と感じる部分は少なく、現世に戻ってきた主人公の焦燥感や、それに伴う疾走と間髪いれずの演出がまたニクい。小説として、実に良く描けていると思う。展開はベタっちゃベタだが、変に難しく考えさせようとする文章より、読み手に不偏なく受け取られるものを素直に書いていると感じた。終始の節も、少し考えれば十分に理解できる点が良い。この節のおかげで、読み手をもう一度作品を読ませたくなる気持ちにさせてくれる。特化している部分は、本当に評価できる作品。久々の秀作。


夕日とブランコと君と僕 ジャンル 恋愛 作:忽滑谷冷火

:あらすじ
一緒に帰って夕日道、途中で公園よりました。昔遊んだあの公園。君と並んでブランコに、キィキィ鳴らして夕日を蹴った。

:感想
いわゆる『ホの字』が言い出せない系。大事な部分を耳打ちで済ますあたりの演出は好み。あとはシチュエーションというか、雰囲気自体は好きなんだけど、男性視点な部分と、話自体が短いこともあり、キャラクター描写がまだまだ荒削りといったところ。やはり恋愛は、対する二人なら二人なりの心情が見え隠れして、初めて恋愛だと思うのは自分だけだろうか。この文章が退屈だと思う人は、想像力を働かせてみよう。その理想像に適えば、この短編は面白いと思う。


神さんのお告げ ジャンル その他 作:ガルド

:あらすじ
つまるところ、顔の作りがもしかしたら悪いかもしれず肥っていないとは言い難いかもしれない少年であるところのおれは、神さまなんてものはこれっぽちも信じていなかった。

:感想
少年野球だけじゃなく、一度でも野球をチームで体験したことのある人なら想像しやすい内容だと思う。かく言うkirekoも少年野球を体験しており、当たれば伸びる代打バッターとして活躍した口なのだが、この小説の主人公には一個人としてニヤリとさせられる部分が多い。個人的な事ばかりを言うのもなんなので、内容に入っていくが、いわゆる細やかな描写よりも、事件に至るそれまでの情報を淡々と箇条書きにして繋げて読ませるタイプ。ノンフィクションとして考えれば悪くはない。悪くはないが、そこまで。小説なのだから、もう少し脚色というか、面白みのある演出が出来るんじゃないかと思った。ただ、終盤の相手ピッチャーの投げる球速120km越え、ストレートしか投げられない少年野球ルールは、体験者として面白いと思った。


 ジャンル 文学 作:詩穂

:あらすじ
転校生が来た。そんな誰もが経験するごく当たり前のこと。ではもしその子に告白されたら?ではもしその子が

:感想
読み手失格な事を言っちゃ悪いとは思うんだが、これの答えって何?
謎かけ的なオチ部分をどうにか理解しようとしたが、本文にヒントというか情報が少なくて、最初読みきったときに頭がポカンとしてしまった。ちょっと考える謎の展開が好きな人は、好きかも。全国深読み振興会東京支部長のkirekoとして、個人的な文章の解釈を考えるとすれば『人間』『転校生』という概念が『菜食主義者』と思わせておいて、その実は謎かけとして作用して、実はこの『彼女』というのが『動物』か何かだと思うのが正解かと思った。『八重歯』が可愛く『赤いトマトジュース』しかダメという部分を考えると、該当する動物が居ないのだが、ペンチで歯を抜いたのが、実は主人公だったら…?と考えるとハムスターとかそういう感じなのかなーと思った。答えがわかった人だれか教えてくれ。


小指の約束 ジャンル 恋愛 作:灯夜

:あらすじ
指切りの約束、ずっと昔の出来事なのに、小指なんて、普段意識して使わないから、その想い出が強く結び付いて……。

:感想
カーッ!どろ甘だねー!甘い甘すぎるよ!
というわけで、なんとも数奇なめぐり合わせな作品。構成としては起承転結の『転』の部分が非常に弱いが、ところどころの台詞の俯瞰は上手いと感じる。が、物語に追随しすぎて若干キャラクターがブレたことが気がかりだなぁ。もう400文字くらい主人公視点で伏線めいたものがあっても良かったかも。あと散々甘い甘い言ってますが、これはkirekoの視点で甘いと感じただけであり、読み手の受け取り方次第で「え?どこが甘いの?」って感じる方も多いかもしれません。


狂想曲 ジャンル 詩 作:天月黎璽

:あらすじ
初期の作品です。「改行」や「文字の加減」といった修正をして、光の下に出すことにしました。

:感想
良い作品が連続して読めただけに、いきなり総スカン食らったようなパンチ力がなんとも。いや、別に恋愛叙情詩を否定するわけではないが、総じて表現が稚拙で薄っぺらいんだよね。実際読むにも一苦労だよ。作者もあとがきで『暗黒時代』と語っているが、実際読んだ者としては『大した逸脱もせず独りよがりに恋に恋した詩文』ほど読み難い物は無いと思う。恋や愛というものをより幻想的に捉えるのなら、それに追随する比喩表現が必要になってくるし、断片的にしか捉えられないとなると、もっと他人がドン引きするような趣向に殉ずる作品であって欲しいと思う。情感を大事にする詩なら、なおさら。詩は、ただ書き連ねるだけではなく、その瞬間の『要訳』という意味も伴っているので、もっと相対的にレベルの高いものに挑戦していただきたい。

===========短編終わり==============

>とりあえず、短編ばっかりもなんなんで、突発的にkirekoのオススメ長編小説を紹介

戦いの果てに ジャンル 歴史 作:川本流華

:あらすじ
戦争を終わらせた英雄は、ただ疲れ果てていた。なぜ戦わなければならなかったのか、その果てに何を得たのかを物語る。

:感想
4月初頭に発見して、非常に面白かったと思えた作品。個人的に長編小説に大事だと思っているのは、主人公たちの人格を上手く伝える事、ブレの無い構成力、読み手を飽きさせない展開、描写などで小技を演出できる文章力だと思う。この小説は、その中で演出の部分が欠けていると思うが、非常にレベルが高いと思う。ジャンルの好き嫌いがあるが、いわゆる時代を生きる者たちの群像劇に興味のあるkirekoとしては、非常に気に入りの作品だ。最初の設定さえ飲み込めれば、全てにおいて面白いと思う。特に終盤は、劇的というには余りにも…のシーンが続くので、読んでみて損は無いと思う。


==========終了==============-


>さて、と
今日は割と文章的に好きなものが多かったので、いつものカミソリkirekoこと『毒マムシ針男』の切れ味が出てないと感じた人も多いだろうと思うが、褒めるものは褒めるし、貶す物は貶す。ぶっちゃけ「変に馴れ合うのが嫌いだ」というと、また反感を買ってしまいそうだが、酷評する人ほどちゃんと文章を読んでいるし、素直な感想を言ったほうが本人のためだと思うので、このスタイルを変えるつもりはない。

ただ更新するのがめんどくさくなるぐらいの駄作を読み続けると、俺の心も折れてしまうわけで。
是非、作者一同には秀作を目指して頑張って欲しいと思う。

最近、小説書く時間減った\(^o^)/