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新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

敬語の問題 教育の場で敬語が育まれない理由

2013-04-27 23:08:42 | 授業
 前回に続き、敬語の話です。
 大学生に、「きちんと敬語が使えますか?」という質問に、
 素直に「はい」と答えられる人はあまり多くありません。
 「はい」と答えた人に、敬語の種類とその特徴などを聞いていくと、
 自分の使ってきた敬語が果して正しいかどうか分からなくなってくるようです。
 こういう現象が起きるのはなぜでしょうか。

 その原因として、「教育現場では敬語を使う場面が限られている」ということが
 考えられます。
 小中学校では、教師または(中学では)先輩に敬語を使うことはあっても、
 その他の場面で丁寧語以外の敬語を使うことはほとんどありません。

 また、敬語教育が体系化されていないということも考えられます。
 皆さんの小中学校を思い出してみてください。
 敬語を意識するのはどの時期でしょうか。

 それは、中学1年生だったのではないでしょうか。
 小学校までは、学年の上の児童はお兄さん、お姉さんでした。
 ところが、中学校に入ると、いきなり学年の上の生徒は「先輩」と
 呼ばれるようになり、年齢の上下の関係を意識するようになります。

 しかし、この時期に敬語の構造を勉強することはありません。
 敬語の構造は中学2年生からで、それも生徒の実態に応じてという条件の下で
 先述した「敬語の指針」を用いた学習をします。
 「生徒の実態に応じて」ということなので、「敬語の指針」は中学3年生で学ぶ
 ということも十分にあり得ます。

 残念なことに、その時期には生徒は学校の中では年長者の立場にあり、
 敬語は使うことよりも使われることの方が多くなるのです。
 さらに、中学からは教科ごとに先生が違いますから、
 こうした敬語の問題を別教科の先生と共有することが難しくなります。
 つまり、先生側も普段から教育の場で意識的に敬語を使用することも
 少なくなるのです。
 

敬語について 「相互尊重」と「自己表現」

2013-04-27 09:22:39 | 授業
 2回にわたって、敬語について学んできました。
 まだまだ「敬語は難しい」と考える人は多いようです。
 そもそも私たちは敬語をどのように考えればよいのでしょうか。
 
 文化庁の「敬語の指針」には、2つのキーワードが掲げられています。
 一つは、「相互尊重」です。
 「敬語は人と人との『相互尊重』の気持ちを基盤とすべきである」とあります。
 この「相互尊重」とは何でしょうか。
 お互いの相手の人格や社会的立場を大切にする気持ちとでもいいましょうか。
 この気持ちがあってこそ敬語がその役割を果たすということです。
 
 もう一つは、「自己表現」です。
 「敬語は、自らの気持ちに即して主体的に言葉づかいを選ぶ『自己表現』として
 使用するものである」とあります。
 この「自己表現」とは、
 敬語は、「いつも敬語を使いなさい」常に強制されて使用するものではありません。
 自分が相手に対してその都度、敬語を使うかどうかを自分で選ぶことができるものです。
 ただし、敬語を使う場合は正しく使いましょうということです。


 
 
 

 

 
 

 
 
 
 

専門ゼミ第1回

2013-04-09 20:16:53 | 授業
 今年度の専門ゼミは、4年生3名、3年生10名でスタートしました。
 私もトレードマークのヒゲを剃り、新たな気持ちで授業を担当することにしました。
 よろしくお願いします。
 
 次回の専門ゼミⅠは、「近代児童文学の史的展望」です。
 トップバッターは私が務めます。
 とても1コマの授業で理解しきれるものではありませんが、
 まずは近代児童文学の歴史を概観してみたいと思います。
 

プロゼミAの授業内容

2013-04-04 14:05:15 | 授業
幼児児童教育学科2年生では、プロゼミA・Bが必修となっています。
(前年度までの基礎ゼミⅢ・Ⅳに該当します)
プロゼミは、3年次からの専門研究に向かうための準備段階として位置づけられています。
今年度のプロゼミでは、ミヒャエル・エンデの『モモ』を全員で読んでみたいと思います。
エンデの絵本やDVDからエンデ研究、『モモ』論までいろんな方面から『モモ』に取り組みます。
学生は、自分の担当箇所に関する文献資料を検索し、その内容を簡潔にまとめて発表します。
その後、発表内容について質疑応答、ディスカッションへと移ります。
担当学生は、自分の番が来るまでしっかりと準備をしておいてください。



次年度もよろしくお願いいたします

2013-03-06 11:00:17 | 授業
 一足お先にテンプレートを春色に模様替えしました。
 とはいえ、金沢三小牛はまだまだ雪景色です。
 
 大学のfacebookが開設されたこともあり、
 タイムリーな話題をお届けすることができるようになりました。
 時折私のことも掲載されていますのでよろしければご覧ください。

 http://www.facebook.com/hokurikugakuin

 これに伴い、発信型大学を目指して、という趣旨で始まった本ブログも
 ひとまず役目を終えることができました。皆様のおかげです。
 これからはより個人的な内容に、といきたいところですが、
 段階を踏んで改装していくことにいたします。

 1 授業に関すること
   次年度は次の科目を担当いたします。
   前期 日本語表現法Ⅰ(大学、短大部必修科目)
      児童文学   (大学、選択科目)
      プロゼミA  (大学、必修科目)
      保育実習指導、保育実習Ⅰ・Ⅲ
   後期 日本語表現法Ⅱ(大学、短大部必修科目)
      国語     (大学、選択科目)
      郷土の文学を楽しむ(大学、選択科目)
      プロゼミB  (大学、必修科目)
      教職実践演習 (大学、選択科目)
   通年 卒業研究、専門ゼミⅠ・Ⅱ
   このほかにも、部分的に担当する科目もあります。
 2 研究に関すること
   国語教育研究、文学研究、児童福祉研究
 3 個人的なこと
 
 4月からもよろしくお願いいたします。