新装!中島賢介研究室

勤務大学における授業内容や雑談に関する説明などを中心に綴ります。よかったらお立ち寄りください。

新卒者と話す会

2013-04-29 10:29:02 | 社会活動
 昨日、大学間交流有志企画、「新卒者と話す会」を行いました。
 「新卒者と話す会」とは、今年3月に卒業したいわゆる新卒者と
 大学生が就職活動について語り合うという企画です。
 
 今年で3回目になります。
 今回は北陸学院大学の幼児児童教育学科、金城大学のこども専攻の新卒者17名が
 本学会場に駆けつけてくれました。
 (小学校教諭(講師)2名、幼稚園教諭9名、保育所保育士6名、企業1名)
 学生も両学の3、4年生が23名集まり、新卒者の話を熱心に聞いていました。

 この会のよさは、大学という枠組みに超えた企画であるということ。
 会社説明会のような堅苦しさはなく、気軽に新卒者にアドバイスがもらえること。
 会社説明会のような人事担当者ではないため、学生も気軽に質問できること。
 新卒者も自らの就職活動や今の職場での業務を振り返り、
 素直に自分の言葉で語れるということ。

 最初は全体会で、数名の新卒者が就職活動や現在の仕事について語りました。
 その後、フレンドシップホールに場所を移して個別相談の場を作りました。
 お茶やお菓子も用意して、新卒者と学生が気軽に話すことができるよう
 セッティングしたところ、和やかな雰囲気の中にも話の合間にメモをとる
 学生の姿などが見られました。

 事後の感想も、「他大学の新卒者(学生)と話ができてよかった」というものが
 圧倒的に多く、参加者はみな企画者の意図をきちんと汲んで臨んでくれていました。

 これからも、こうした機会を作り、大学という狭い枠組みではなく、
 地域の養成校が一丸となって地域の保育者、教育者を養成するという雰囲気を作って
 いきたいと思います。
 
 
 

 

配慮を示す言葉

2013-04-28 09:33:17 | 授業
 次回の授業では、「配慮を示す言葉」を扱います。
 
 小さな子どもを見ると、思わず「かわいい!」、
 美味しい料理が出されたら、思わず「やばい、これうまい!」
 こうした意外な出来事に遭遇すると、知らない間に言葉が出てきます。
 
 また、「明日までに提出してください」と言われると、
 思わず、「ええーっ、聞いてないよ!」、「なんで?」、「やりたくない!」
 思ったことをなんでもすぐ口にしてしまう人もいます。

 円滑な人間関係を構築する際に、思わず声に出してしまうことで、
 相手によい印象を与えたり、逆の印象を持たれてしまうことがあります。
 逆の印象を持たれてしまった場合には、とても厄介なことになります。
 思わず声に出す前に、一呼吸おいて、ほんの少しだけ考えてみましょう。
 コミュニケーションを円滑にするコツは、こうしたほんの少し考えるところにあります。

 ほんの少しとはどういう意味でしょう。
 それが「配慮」です。自分は誰と話をしているのだろうか。
 こんなことを言って周囲の雰囲気を悪くしないだろうか。
 こんな状況の時、何て言えばいいんだろうか。
 そう考えるだけで、自分の発する言葉が変わってくるからです。

 では、なぜ「ほんの少し」なのでしょうか。
 あまり深く考えてしまうと、言葉が出てこなくなることがあるからです。
 何か言わなきゃ、でもいい言葉が見つからない……。
 焦っているうちに何も話せなくなってしまう。こんな体験ありませんか。
 私は何度もこの焦りを経験したことがあります。

 このほんの少しの「配慮」ができるよう配慮を示す言葉を学びましょう。
 
 
 

敬語の問題 教育の場で敬語が育まれない理由

2013-04-27 23:08:42 | 授業
 前回に続き、敬語の話です。
 大学生に、「きちんと敬語が使えますか?」という質問に、
 素直に「はい」と答えられる人はあまり多くありません。
 「はい」と答えた人に、敬語の種類とその特徴などを聞いていくと、
 自分の使ってきた敬語が果して正しいかどうか分からなくなってくるようです。
 こういう現象が起きるのはなぜでしょうか。

 その原因として、「教育現場では敬語を使う場面が限られている」ということが
 考えられます。
 小中学校では、教師または(中学では)先輩に敬語を使うことはあっても、
 その他の場面で丁寧語以外の敬語を使うことはほとんどありません。

 また、敬語教育が体系化されていないということも考えられます。
 皆さんの小中学校を思い出してみてください。
 敬語を意識するのはどの時期でしょうか。

 それは、中学1年生だったのではないでしょうか。
 小学校までは、学年の上の児童はお兄さん、お姉さんでした。
 ところが、中学校に入ると、いきなり学年の上の生徒は「先輩」と
 呼ばれるようになり、年齢の上下の関係を意識するようになります。

 しかし、この時期に敬語の構造を勉強することはありません。
 敬語の構造は中学2年生からで、それも生徒の実態に応じてという条件の下で
 先述した「敬語の指針」を用いた学習をします。
 「生徒の実態に応じて」ということなので、「敬語の指針」は中学3年生で学ぶ
 ということも十分にあり得ます。

 残念なことに、その時期には生徒は学校の中では年長者の立場にあり、
 敬語は使うことよりも使われることの方が多くなるのです。
 さらに、中学からは教科ごとに先生が違いますから、
 こうした敬語の問題を別教科の先生と共有することが難しくなります。
 つまり、先生側も普段から教育の場で意識的に敬語を使用することも
 少なくなるのです。
 

敬語について 「相互尊重」と「自己表現」

2013-04-27 09:22:39 | 授業
 2回にわたって、敬語について学んできました。
 まだまだ「敬語は難しい」と考える人は多いようです。
 そもそも私たちは敬語をどのように考えればよいのでしょうか。
 
 文化庁の「敬語の指針」には、2つのキーワードが掲げられています。
 一つは、「相互尊重」です。
 「敬語は人と人との『相互尊重』の気持ちを基盤とすべきである」とあります。
 この「相互尊重」とは何でしょうか。
 お互いの相手の人格や社会的立場を大切にする気持ちとでもいいましょうか。
 この気持ちがあってこそ敬語がその役割を果たすということです。
 
 もう一つは、「自己表現」です。
 「敬語は、自らの気持ちに即して主体的に言葉づかいを選ぶ『自己表現』として
 使用するものである」とあります。
 この「自己表現」とは、
 敬語は、「いつも敬語を使いなさい」常に強制されて使用するものではありません。
 自分が相手に対してその都度、敬語を使うかどうかを自分で選ぶことができるものです。
 ただし、敬語を使う場合は正しく使いましょうということです。


 
 
 

 

 
 

 
 
 
 

金沢の郷土文学とキリスト教 最終回

2013-04-26 08:47:44 | 社会活動
 北國新聞文化センター主催の講座「金沢の郷土文学とキリスト教」の
 最終回を場所を北陸学院ウィン館に移して行いました。
 ここ北陸学院ウィン館は、飛梅町の北陸学院中学高等学校に隣接していて、
 125年以上にわたる北陸学院の歴史を知ることができます。

 今回は、館長やウィン館職員の藤原さんから貴重なお話を聞きました。
 「伝道の夢に生きたトマス・ウィン、イライザ・ウィン物語」、
 「日本を愛し、北陸学院を愛したアイリン・ライザー物語」という
 とてもコンパクトに当時の様子がわかる冊子をいただきました。
 館内にはイライザ・ウィンや金沢女学校の様子が分かる貴重な資料が
 展示されていました。
 
 受講生の方々からは、「昔ここにこういう建物があった」、
 「昔はなかなかここ(北陸学院の建物)に近寄れなかった」といった声が
 聞かれました。
 皆さんに満足いただけた様子でこちらもとてもやりがいを感じながら
 講演することができました。この場を借りて感謝申し上げます。
 
 今回の講座で、宣教師たちはただ単にキリスト教伝道のみならず、
 西洋文化をもたらし、後に全国的に活躍し郷土の発展に貢献した
 作家や研究者、企業家たちを育てたということがお分かりいただけたと思います。
 微力ながら私も地域に貢献できるように研究教育活動に励みます。
 今後ともよろしくお願いいたします。