福井県立大学水産経営学研究室のブログ(教員)

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牛肉の放射性セシウム汚染 

2011-07-23 11:50:18 | Weblog
放射性セシウムによる牛肉の汚染が、全国へ広がっていたことが明らかになっています。
食品の流通について研究している立場からも無関心ではいられません。
今回の根本的な問題は原発事故にあることは明らかですが、
餌である藁の汚染や牛肉の汚染を早期に発見することができなかったことも問題です。
放射能を測定し対策を講ずる危機管理体制が、いかに不十分であるかを、
国や福島県に限らず、すべての関係者は認識すべきです。

福島原発の事故から4ヶ月以上も経過した今になって発覚したため、
全国規模のトレーサビリティシステムがある唯一の牛肉なのに、
被害が全国へ広がってしまいました。
現時点で汚染が確認された、1600頭分もの牛肉が全国へ流通し、
まだ販売されていなかったものは回収できたようですが、
消費されてしまったものは確認もできないでしょう。

食品の原産地表示制度によれば、
畜産物の産地表示制度は「国産表示」だけでも可となっており、
消費者には、どこの産地の商品だったかもわからない場合が多い
と思われます。
消費者は肉牛の購入を控えざるをえず、
その結果として牛肉の価格が暴落し、
またも肉牛生産者が大打撃をうけることはまちがいありません。(T・K)

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