いよいよ明日から、技研公開2008が開催されます。 スーパーハイビジョン関連も公開されますが、先日開発された、スー パーハイビジョンプロジェクタも登場しますが、会場では、450インチの スクリーンで、 ・ 解像度 7,680×4,320ドット ・ フレームレート 60Hz ・ 22.2chのサラウンド を加えた高臨場感システムでスーパーハイビジョンの映像が公開される ようです。 毎年、高度になっているこの技術ですが、今回もすごい事になってい るようです。 まず、カメラの性能の向上ですが、初期の撮影機材は、800万画素の 撮影素子を素子ずらしでスーパーハイビジョンにすると言うモノでした が昨年には、単板でスーパーハイビジョンが撮影できるモジュールが登 場し、技術の進歩を感じたわけですが、この時には、まだ、モノクロし か撮影できませんでした。 しかし、今回の技研2008では、カラー撮影が可能なカメラの展示がな されているようです。 また、72Gbpsの高速信号処理が可能な信号処理回路なども試作されて いるようです。 スーパーハイビジョンと言うと、商業用の写真と同じ位の解像度があ るので、単一のフレームでも終わり倒した重さがあるのですが、伝送に おいてハイビジョンよりも高度で大掛かりな仕掛けが必要でした。 今回は、その伝送技術においても公開されているようです。 従来は1色当たり同軸ケーブル16本が必要でしたが、試作機では12 芯光マルチケーブル3本程度で伝送できるようです。 デモでは3,840×2,160ドットのモニターに実解像度から切り抜いて 表示がされているのですが、この解像度の場合ではケーブル1本で伝 送できるとのことです。 現在は8bitで伝送/表示を行なっていますが、カメラからは12bit出 力が可能で、将来的には12bitでの伝送/表示にも対応したいとしており、 この技術はカメラの小型化にも繋がる可能性もあります。 スーパーハイビジョンは映画館の映画を目的とした映像ではなく、 このコンセプトは 「 次世代の超解像度・高音質のデジタル放送 」 です。つまり、この映像は2025年辺りに本放送が始まる予定の代物 で、2015年(7年後)から試験放送が始まります。 今回の技研公開2008では、放送にスポットを当てた技術の公開もさ れています。 スーパーハイビジョンの非圧縮映像は 「 24Gbps 」(1秒で3GB...。終わってる...。) という膨大なデータ量のため、これを16分割(画面を8分割×時間を2 分割した30Hz)にして、16台の符号化ユニット(FPGA)で MPEG-4 AVC /H.264に圧縮し、約118Mbpsまでデータ量を減らすことに成功してい ます。(これが、今までのJPEG2000の何で送るか解らないようなモノ から、実質的に送信可能なビットレートに変わった今のスーパーハイ ビジョンとの違いです。) システム自体は昨年も展示されてまししたが、今年はその画質が向 上するとともに、22.2chのサラウンド音声を 約2MbpsのAAC 音声に圧縮。映像と合わせて126MbpsのMPEG-2 TSとして出力できるよう になったようです。(音声も合わせて現実的な数値になっていますね。) 従来は伝送方法として、21GHz帯を利用した衛星と組み合わせた展示を 行なっていましたが、今年は2011年以降12GHz帯のBSアナログ放送が終了 し、BS-5/7/11の3chが開放、世界無線通信会議(WRC)2000で新たに割り当 てられた4ch(BS-17/19/21/23ch)が利用可能になることから、これを用い た大容量伝送方式を 「 高度BSデジタル放送 」 としてNHKが提案しており、将来の利用方法の1つとして、スーパーハイビ ジョンの伝送を紹介しています。 現在のBS放送(ISDB-S)では、8PSKという変調方式を用いることで、52M bpsという情報レートを実現しているのですが、高度BSデジタル放送では ここに、LDPCと呼ばれる強力な誤り訂正符号を用いた高能率な変調方式を 導入することで、伝送容量の増大を見込んでおり、8PSK方式で 140Mbp が実現できるとしています。 これは現在の放送と同じ45cm径のアンテナで受信可能で、雨などの影響 も現在と同程度のレベルに抑えられる状態でのレートとなります。 アンテナ径を120cm径などに大型化することで、16APSKでは186Mbpsの伝 送も可能になります。 会場ではリアルタイムの圧縮、伝送、デコードを経て、未来の家庭をイ メージしたコーナーで、スーパーハイビジョン映像を表示しています。 このほかにも、立体感が増したインテグラル立体テレビや、高度BSデジ タル放送でダウンロード型番組配信など、今までにないテレビの新しいス タイルなどが公開されています。 音についても、長高音質技術などもあるようですから、未来の映像と 音をいち早く体験できる面白いモノのように思います。
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