最近のレコーダー製品には、
■ DNLAサーバ機能
■ DTCP-IP機能
が実装されている製品があり、そうした製品では、
■ 録画したテレビ番組を共有可能
■ マルチメディアファイルを共有可能
となっています。今回は、東芝の 【 VARDIA RD-S304K 】 のその機能を
使ってみたので書いておこうかと思います。
この手の機能ですが、基本的に
【 同社のその機能を持ったテレビを買ってもらうと
レコーダーは1台でも映像は別の部屋から見る事が
できますよ 】
と言うコンセプトなんですが、今は、プレイヤー製品でもDNLAクライアント機能
を持っている製品もありますし、WINDOWS 7搭載PCだとDTCP-IPについては搭載
している地デジチューナーボードのスペックに依存する感じになりますが、DNLA
サーバ・クライアント機能は、ネットブックに搭載されている
【 WINDOWS 7 STARTER 】
以外のグレードだとフツーに利用が可能だったりします。(つまり、新興国で販売
されているHOME BASICとか日本では個人が買えるHome Premiumだとフツーに
その機能は実装されています。しかもリアルタイムトランスコード処理を行い非対
応形式だとMPEG-2_TS形式で配信しますから大抵の形式のモノはクライアント側で
再生できるようになっています。)
とりあえず、今回はクライアントとして、価格が落ちて容量も巨大になっている
【 PLAYSTATION 3 】 を使ってネットワーク機能を試してみました。
とりあえず、VARDIA RD-S304KはDNLAサポートなので、PLAYSTATION 3で
サーバを探すとフツーに認識されます。これはDNLA機能を実装するNASでも同様
ですから結構簡単です。
■ DNLAサーバが認識されている
そして、VARDIA RD-S304Kでは、DTCP-IPに対応していますから、録画した
番組をLAN経由にてクライアントで見ることが可能です。
PLAYSTATION 3もその機能を実装していますから再生をする事が可能です。
ただし、この場合、
【 設定 】 → 【 本体の設定 】
から
【 DTCP-IPを有効にする 】
を選択する必要があります。
■ DTCP-IPの設定
すると、【 VARDIA RD-S304K 】 上の録画番組が表示されます。ただ、この
製品には一つだけ問題があって、録画に使っている圧縮形式がPLAYSTATION 3では再
生できなかったりします。
フツーのDRモードに相当する 【 MPEG-2_TS記録 】 については何の問題もな
いのですが、REで記録した高圧縮のモノは、互換性が無いので非対応と認識されます。
■ 形式がサポートされていないので非対応となる
つまり、この状況からすると、MPEG-2_TSのみしかDTCP-IPを使えないと言う状況
になります。(TSモードでの記録は大丈夫です。)ちなみに、この製品はHDDを1台ま
で追加可能なので、2368GBまでだとサーバとして機能させることができる(上位製品
のVARDIA RD-S1004Kだと3072GBまで拡張可能です。)ので容量的にはまずまずだ
ったりします。
実際のトコロ、TSだけで流すと実は2.0TBと言うのは意外と容量が小さく感じるの
でこの辺は難しい製品のようにも思えます。DTCP-IPで考えると少し厳しいかな?と
言う製品ですね。
また、この製品の特徴として
【 電源が入っていないとDNLAサーバが認識されない 】
と言う仕様があります。これはソニーやパナソニックのDNLA対応レコーダーとは異な
る振る舞いです。(ソニーやパナソニックのDNLA対応製品は上位製品ですからそうだ
と言うのもあるのですが、電源がクライアントのアクセスに連動しています。なので
仮にアクセスする前に電源が落ちていたとしてもクライアントからのアクセスがあれ
ばサーバが立ち上がる機構になっています。)
また、USBハブが使えないので大容量サーバと言うのも難しくなっています。
とりあえず、2TBのストレージを追加してそれを連動させるって感じなんですが、
実は単一のHDDへの登録数がTorneよりも少ないのでその辺も少し厳しい部分があり
ます。
多分に、ゲーム機と同価格帯で
■ アナログ1番組とデジタル放送1番組の同時録画
■ デジタル放送(地デジ、CS,BS)の同時録画
■ デジタルもしくはアナログ放送と外部入力映像の同時録画
などが可能で、DNLAで音楽や映像をシェアでき、MPEG-2_TSでのBS/CSデジタルな
どの衛生放送とアナログ放送をDTCP-IPでシェアできると言う点では魅力的かも知れ
ませんが、個人的には、AVCREC製品のほうが親和性は高そうです。
と言うか、レコーダー製品の場合、こうした高圧縮形式(MPEG-4 AVC/H.264)
の場合、トランスコード処理を入れてしまえばDTCP-IPも問題が少なくなりそうな
気がするのですが、この辺はデバイスの性能に依存する感じです。
また、仮にDTCP-IP機能の付加にそれ程コストがかからないのであれば、素直に
【 レグザチューナーに載せてしまう 】
と、かなり魅力的なモノになりそうな気がします。と言うか、PLAYSTATION 3の
Torneで録画した番組がDTCP-IPで別のクライアントで見れるようになると面白
そうですし....。
そう考えると、
【 TorneのようなAVC記録が可能でしかもトランスコードしながら
DTCP-IP対応 】
と言う製品があるとかなり強烈なモノになる気がするのですがどうでしょう??
番組のシェアを考えず、地デジのシングルチューナーと言う条件だと今の段階
だとTorneがかなり凄まじい製品になっているのですが、BDとかにムーブができ
ないものの(と言うか3倍録画がついたのでムーブの意味も微妙になってきました
が...。)面白い製品にはなっています。
【 VARDIA RD-S304K 】自体はレガシーな製品なので、そこら辺は割り切
る必要があるのですが、DTCP-IPとDNLAをサポートする製品として考えると悪く
ないかなと言う気がします。(最安値って3.75万ですし...。)
ちなみに、環境としては、
■ 1000BASE HUB
■ カテゴリー6ケーブル
による組み合わせで6m程度の距離で再生させてみたのですがBS-Hiの映像につい
てもDTCP-IPによる再生を行っても全く遅延がない状況でした。
なので、レートが低い対応形式の再生については何の問題もないのではないか
と思います。