>日本人は本当に集団主義的か
>中野:第2次世界大戦についてのベネディクトの主張は、「集団主義に個人主義が勝った」ということなんでしょうか。
集団主義は、’個人の構成員よりも集団に優先権を与える主義’ ですね。
>実際にはアメリカは物量で勝ったわけで、軍隊のマネジメントを考えても個人主義では成り立たない。
集団が存在するから物量がひとりでに集まるわけではないでしょう。個人の優れた考えがアメリカ軍に必要な物量を算出し集めた結果によるものでしょう。
わが国にも集団は存在したが、必要な物量は集まらなかった。有能な個人が存在しなかったからかな。
>アメリカは集団主義で勝ったに決まっていると思いますが。
集団の方向を決める個人の育成も大切だとおもいますが。
>佐藤:「全体主義に(自由)民主主義が勝った」と言えば、もっと的確でしょうね。
そうですね。それに間違いはありませんね。
>なるほど、外的な要因による影響をゼロと見なしてよいのであれば、協調性を重視する国民のほうが、集団主義や全体主義に走りやすい傾向を持つかもしれません。>しかし人も社会も、真空の中に存在するわけではない。>国民の気質が個人主義的なら社会システムは民主主義になるとか、協調重視なら集団主義や全体主義になるなどと、安易に断定はできません。
そうでしょうね。
>社会の置かれた具体的状況、およびその背後にひそむ歴史的な経緯や条件が、大きくかかわってくるのです。>特に重要なのが、19世紀後半以降の第2次産業革命。>これによって製造業を中心に「生産規模を拡大し、みんなで助け合うほど、効率よく豊かになれる」状況が成立します。>いわゆる「規模の経済」ですが、ならばどの国でも集団主義が魅力的に映るはず。>実際、流れ作業による自動車の大量生産を実現したのは、アメリカのヘンリー・フォードでした。
そうですね。アメリカの個人主義が集団主義の大量生産を実現させた個人を育てたのですね。
>柴山:資本主義の歴史は、個人企業の時代から大組織の時代へと移行してきたわけで、その中で「組織をどう運営していくか」が競い合われることになった。
「組織をどう運営していくか」は、経営者間の個人の争いですね。
>佐藤:往年のアメリカ自動車産業など、日本的経営をやっていたのか? という感じですからね。>ミシガン州にフリントという町がありますが、ここは住民の多くがゼネラル・モーターズ(GM)で働いていた。
企業城下町というのでしょうか。
>そのため1950年代には、GMに感謝するパレードを毎年開催しているんです。>パレードの横断幕いわく、「チームワークこそ栄光の秘訣、さらなる高みを目指して進もう」。>これが集団主義でなくて何なのか。
集団主義を盛り立てたのはGMの経営者ですからね。やはり、個人の発想は万物の源のようですね。
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