(2010年12月16日 MOVIX三好 2010年・日 シネスコ SRD5.1ch 133分)
村上春樹のベストセラー小説を、「シクロ」「夏至」トラン・アン・ユンが映画化。
まず、これがあの小説の映画化と考えなければ、20歳前後の男女が経験する人生の難関を、素晴らしい映像、音楽、演技で描いた、日本映画に無い情感に溢れた作品として評価できると思う。
しかし、67年という時代が単に背景にしかなってないので、「そんな時代だが、自分は時代の価値観に迎合できない。でも自分にも恋愛にも誠実であり続けたい。回りの人はどんどん死ぬけど、その死をもって自分の立場所を確認できる」みたいな彼のテーマが明確になっていない。知らない人は、単に男女が出会ってやりまくるといったようないやらしい映画としか捉えてくれなさそうなのが残念。
と言うのも、たぶんトラン監督が村上文学の主人公と同じように、時代とか国籍とか関係なく、愛や性に切実だからじゃないかと思う。「シクロ」なんかも社会を描いてそうで描いてなかったから。
とは言え、2時間で全部描くのは難しいと思います。
場面場面に溢れる雰囲気は見事と言う他無いです。
村上春樹のベストセラー小説を、「シクロ」「夏至」トラン・アン・ユンが映画化。
まず、これがあの小説の映画化と考えなければ、20歳前後の男女が経験する人生の難関を、素晴らしい映像、音楽、演技で描いた、日本映画に無い情感に溢れた作品として評価できると思う。
しかし、67年という時代が単に背景にしかなってないので、「そんな時代だが、自分は時代の価値観に迎合できない。でも自分にも恋愛にも誠実であり続けたい。回りの人はどんどん死ぬけど、その死をもって自分の立場所を確認できる」みたいな彼のテーマが明確になっていない。知らない人は、単に男女が出会ってやりまくるといったようないやらしい映画としか捉えてくれなさそうなのが残念。
と言うのも、たぶんトラン監督が村上文学の主人公と同じように、時代とか国籍とか関係なく、愛や性に切実だからじゃないかと思う。「シクロ」なんかも社会を描いてそうで描いてなかったから。
とは言え、2時間で全部描くのは難しいと思います。
場面場面に溢れる雰囲気は見事と言う他無いです。