たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「アクト・オブ・キリング」

2014-04-13 16:05:51 | 映画感想
(2014年4月12日 名演小劇場2 2013年・デンマーク=インドネシア=ノルウェー=イギリス ヴィスタ SRD 121分)

1965年から66年にかけて、インドネシアで政権を巡る権力闘争を引き金とした20世紀最大規模の大虐殺が発生する。事件の真相は闇に葬られる一方、殺害を実行した者たちは罪を問われることなく、今なお英雄として平穏な日常を送っている。本作は、そんな殺人部隊のリーダーにカメラを向け、殺戮がどのように行われたかを加害者たち自身による再現で映像化し、その衝撃の真相を明らかにしていくとともに、この恐るべき行為を実行した当事者の心の内に迫っていく衝撃のドキュメンタリー。




もともとはこの大虐殺を、国家の協力を得て被害者からの立場で描こうとしたのですが、それも叶わずこの手法を取ったようです。
しかしこのアイデアが予想以上の結果を生む事になり、「我々のした行為を伝えなければならない」と加害者のリーダーと取り巻きがノリノリで再現。
監督は誘導するようなナレーションもテロップも付けずに、ただただ彼らの行為をカメラで撮る。
ただそれだけで、彼らの過去の行為やそれを振り返る現在の言動が異常だというのが分かるし、我々はそれを呆れて見るしかない。

まあ普通に考えれば、過去の行為を反省し、今後こういう悲劇が起こらないように自戒としてとなるんだけど、振り返って「あれは40年前の行為だ、もう時効だ」とか、「我々の行為は神に罰せられるのか、そうでないといいな」と撮られた映画を見て言うんですよね。

その撮られた映画も、「共産主義者の私たちを天国へ行かせてくれてありがとう」と被害者が感謝してるんだよな、異常すぎる。
取り巻きの選挙運動とか普段やっている行為も、彼らには普通なんだろうが。
異常すぎて、これコントなんだろうか?と思える瞬間が何度も訪れるんですが、本人たちは笑わせるつもりで言ってない。

ラストはリーダーが体にある不調を訴えて終わる。
口ではああいう事を言っていても、体は受け付けていないんだな、同じ人間なんだな。

そもそも我々は何故、このドキュメンタリーを観たのか。
「あなたが行った虐殺を、もう一度演じてみませんか?」のキャッチコピーでどんな行為を見せてくれるのか?と期待したんじゃないのかと。


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