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お久しぶりです。ネタバレあります。

「ヒトラーの忘れもの」

2017-01-04 21:04:20 | 映画感想
(2017年1月4日 伏見ミリオン座2 2015年・デンマーク・101分)

TIFFでは「地雷と少年兵」だったタイトルが、何故「ヒトラーの忘れもの」になったのか。
原題も英語タイトルも、地雷のごとく意味の隠れたものでいいのになあ…と思ったのですが。

忘れものとは、ナチスによって仕掛けられたままの地雷。
ドイツに占領された国の一つのデンマークで、戦後にドイツ少年兵に地雷の撤去を指示する鬼軍曹の話。
戦後にこういう悲しい話があったのは知らなかった。
他国に勝つといった明確な目的も無く、命をすり減らして、時には命を落とすまで働かされる少年たち。
唯一の目的と言えば、家に帰りたい、それだけ。

ナチスによって悪者扱いされ、戦後もそのまま一方的に憎悪を向けられるままの少年兵。
もう一つの忘れものは、この無垢なる少年たちなのだろう。

映画が面白くなるのは、デンマークの軍曹にある心情が芽生えてから。
たった一人の良心はこの状況下にどんな影響を与えるのか。
この映画の救いはまさに映画的なところにあって、実話を基にしたものにしては現実離れなところもあるが、これで良かったのだと思う。

ただ、この先の事を思うと更に胸が痛む。
あの軍曹はこの先どうなるのか。これがこの映画の忘れものなのだ。


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