たまやんの「大きい画像の貼れるブログに引っ越したい」

お久しぶりです。ネタバレあります。

「あなたを抱きしめる日まで」

2014-03-27 21:02:49 | 映画感想
(2014年3月26日 MOVIX三好 2013年・英 ヴィスタ SRD 98分)

イギリスに暮らす敬虔な主婦フィロミナ。ある日、彼女は娘のジェーンにある秘密を打ち明ける。50年前のアイルランド。10代で未婚のまま妊娠したフィロミナは、家を追い出され修道院に入れられる。そして男の子アンソニーを出産したフィロミナだったが、彼が3歳になると無理やり養子に出されてしまう。以来、片時もアンソニーのことを忘れたことはない。年老いた彼女は、どうしてもひと目我が子に会いたいとの思いが高まっていた。



<ネタバレあり>


生き別れとなった息子を探す母親を描く感動ドラマかと思いきや、実はとても大きなテーマを含んだ社会派ドラマ。
邦題がこれではもったいないと思う。

イギリスの格差社会、信仰、その暗部を98分のなかで描いている。
ともすれば重くなりそうなテーマを、敬虔なカトリック教徒の主婦フィロミナと無神論者のジャーナリスト、シックススミスいう対照的なふたりのロードムービーという形で見せ、笑いでもって観客を誘っていく。脚本を手掛けたのがシックススミスも演じるコメディアンのスティーヴ・クーガン、なんとこれが初脚本。コミカルとシリアスのバランスが絶妙。

二人のキャラ付けがいい。フィロミナはアメリカに着いたら有線放送のコメディ映画を見つけて観ようか悩んだり、自分の読んでいるロマンス小説の内容を最後まで喋ったり。そんな彼女を陰でからかいながらも話す事に興味を示すシックススミス。二人の笑いのツボが全然違うというのも面白いし、そこから敬虔な教徒でありながらセックスに興味があるというフィロミナの素顔が見えてくる巧みさ。

息子の消息が意外と早く分かると言う実話ゆえの弱さもあるのですが、そこからの展開が肝なので意外な展開を期待せず飲み込んでおいたほうがいいと思います。

カトリック教会がみだらな行動を罰したのも、その罰した教会を赦したのもカトリック信仰という矛盾に考えさせられる。


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