カタスミ

『QJKJQ』佐藤究著

父母兄妹、全員が殺人犯という家庭の中で
ある日兄が惨殺される…というお話。
以下ネタバレあり。



















タイトル意味分からんかったけどポーカーなのね。
結構うんちくが多くて意味が分かってないところもいっぱいあるけど
まあまあ面白かったです。
主人公は亜李亜(アリア)という女子高生だが
殺人を楽しむ日々を送っているという秘密がある。
そんなある日同じく殺人者である兄が家で惨殺されているのを目撃し、
そこからどんどんと亜李亜の日常がゆがんでくる。
その後母親も失踪し、父親が犯人ではないかと疑うが
実は、全て亜李亜が生み出した妄想であるという事実に気づいていく。

最初殺人シーンなどが細かく描かれていてグロい描写が多いので
うう~ん…となってましたが、兄が殺されてから面白くなってきました。
特に全てが亜李亜の妄想である、という事に気づいて行く過程は面白かった。
ただ、父親の言ってる事がいまいち難しすぎて理解できなくて
すぐ外国語で言うのやめて、って思いましたよね。
お前はこのご時世の政治家かと。
日本語で話せ日本語で。
ラテン語ってなんやのん。
ダムナティオ・メモリアエたらエストー・ペルペトゥアやら
横文字やめて。頭がついて行かんよね。

全ての殺人がアカデミーという国家機関によって
観察され、研究されているという事実が明るみになるが
殺人事件を減らす為の研究というのは表向きで
結局は殺人を見る事が好きな連中から
資金をかき集めるというのがメインな気がする。
でないと糸山霧明があれだけ犯行を重ねているのに
ずっと泳がせてるのもよく分からんし。
アメリカで実際にあった看護師殺しの話は胸くそでした。

昔目の前で父親に母親を殺された亜李亜が
ショックのあまり記憶変換して
父親でない人を父親と認識し
母親と兄は脳内で作り出し
17歳までその家族で生活していたという事になるのだが
殺人含め全部妄想だったので
そこまで全部妄想を現実と思って生きていけるものなのかね。
父親はずっとその妄想に付き合ってたって事ですかね。
たまたま会ったOLも実はアカデミーの人間だったりで
全部監視下に置かれている割に
アカデミー側の登場人物が2人というのがなんとも。
これって父親側の妄想っていう事もありえなくもない話だよなぁ。
一応物語はアカデミーという機関はあるけど
誰にも信じてもらえない、て感じでを終わりますが
父親含め全部亜李亜の妄想でした、ってオチでもおかしくはないよね。
どこまでが本当でどこまでが妄想か結局分からん感じですなぁ。

兄を殺した犯人を探すうちに、自分の妄想と過去が見てくる流れは
とても面白かったですが、父親のうんちくが難しくて
多分話半分も理解できていないかもしれない。
グロい表現が苦手な人は読まない方が良いと思います。
星は3つ。
名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近の「小説感想」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事