カタスミ

『プラスティック』井上夢人著

あらすじを見て、面白そう!となって買いました。
以下ネタバレあり。

















出張中の夫の帰りを待つ向井洵子。
ワープロの上達の為日々日記を書いて
フロッピーに保存しているのだが、
毎日奇妙な出来事が起こるようになる。
はじめて行った図書館で、すでにカードが作られていたり、
はじめて電話した夫の会社で、奥さんとはよく話をするから
お前は奥さんではない、と言われたり。
そんな日々の出来事をフロッピーに保存していく洵子。
そしてある日、向井洵子の遺体が発見される。

そのフロッピーを受け取った同じフロアに住む奥村恭輔。
自分の家の新聞受けに入っていたフロッピーに興味を持ち
中身を読んでしまう。
殺人事件とこのフロッピーの謎に惹かれ、
特に、フロッピーの中に出てきた本多初美と言う人物に注目し
彼女の事を調べ始める。

こんな感じの導入なのですが、
他にも高幡英世、若尾茉莉子、藤本幹也など
計6人の書き込んだ文書が交互に記載されていく。

読んでいくと大体話の想像は付きました。
向井と若尾、藤本は全て本多初美の別人格、という事は
想像ついていたのですが、まさか奥村と高幡もだとは思いませんでした。
特に奥村は探偵役かと思っていたので、こいつも!?となりました。
向井が捕まった後からちょっと気になって一気読みしてしまったw
結局気の毒なのは本物の向井夫妻で、幸せそうな新婚の洵子に憧れた
初美が勝手に自分の中に想像の洵子を作り出してしまった結果
殺されてしまったという…夫の方も殺されるし…
初美と仲良くなってしまったのが運の尽き…(ノД`)

元ネタはビリー・ミリガンなのかな?
ワープロだ、フロッピーだという話からしても
結構前に書かれたものみたいですね。
井上夢人氏って岡嶋二人の片割れだったのですねw
そう言われれば、まどろっこしい感じが
ちょっと似ているかもしれないw

期待していたものとはちょっと違ったのですが
まあまあ面白く読めました。
星は3.5です。
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