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特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

閑話休題・ライヘンバッハの ε(イプシロン)

2025-06-09 01:44:17 | 日記

アインシュタイン同期については現在も2つの見方が共存しています。

以下それをチャットGPTに解説してもらいます。

まあしかしながら「このような論争を理解する必要性」というものは「量子力学に於ける観測問題」に似ていて「それは単に解釈の問題だ」で片づける事も出来る様に見えます。

他方で「そこになにやら得体のしれない特殊相対論の深淵がある」とする事もできます。

しかしながら当方の立場としては「この論争については参考程度に知っていればよい」というものになります。

という訳で、以下、ご参考までに。

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Q1:アインシュタインは片道光速を1Cと定めた

A1:要約
アルベルト・アインシュタインは、1905年の特殊相対性理論において「光の一往復(往復)速度=定数 C」を実験的根拠として採用し、その一方向(片道)速度も同じ値 C と見なす同期規約(Einstein同期)を導入しました¹⁾。しかし、この一方向速度 c の等化は測定可能な事実ではなく、時計を同期する方法の「慣習」(コンベンション)に過ぎません²⁾³⁾。実際に観測・検証可能なのは光の往復速度(two-way speed)だけです⁴⁾。

1. Einstein 同期規約の導入
アインシュタインは1905年論文「Zur Elektrodynamik bewegter Körper」で、A→B→A の光信号で時計を同期させる方法を提案し、

tB =t A + 0.5* (t A′ −t A )
と定義した⁵⁾。

この規約により、任意の慣性系において、片道光速 Cone−way  を往復速度 Ctwo−way  と同一視できるようにした⁶⁾。

2. 片道速度 vs. 往復速度
2.1 測定の不可能性
光の往復速度は、出発点に戻ってくるまでの全時間を同一時計で計測すればよいので、同期規約に依存せず実験的に決定可能⁷⁾。

一方、片道速度は、発信点と受信点で異なる時計が必要なため、時計同期の方法(規約)なしには定義・測定できない⁸⁾。

2.2 結果の完全等価性
Einstein 同期を用いると、どの方向の片道光速も C になるが、これは「実験結果」ではなく「規約」による帰結にすぎない⁹⁾。

他の同期規約(Reichenbach の ε-同期など)を選べば、片道光速は方向によって異なる値を取る可能性があるが、往復速度は必ず不変である¹⁰⁾。

3. 実験的・哲学的意義
Michelson–Morley 実験や Kennedy–Thorndike 実験は、往復光速の等方性を10⁻¹⁷以下の精度で確認し、特殊相対性理論の基礎を固めた¹¹⁾。

片道速度の等方性を直接測定する試み(「時計のゆっくり輸送」方式など)も行われているが、Einstein 同期と同等の結果しか得られず、やはり規約的帰結である¹²⁾。

以上より、アインシュタインが「片道光速を 1c と定めた」のは、物理的測定ではなく、理論構築上の選択(同期のコンベンション)であると理解されます¹⁾¹⁰⁾。

 

Q2:「以上より、アインシュタインが「片道光速を 1c と定めた」のは、物理的測定ではなく、理論構築上の選択(同期のコンベンション)であると理解されます¹⁾¹⁰⁾。」<--マラメントは理論構築上の選択(同期のコンベンション)ではなくて「物理的な制約の結果だ」と言っている。

A2:要約
David Malament(1977年)は、「標準的同時性(Einstein同期) ϵ= 0.5  が、時空の因果的連結性(causal connectibility)という物理的構造から一意的に定義される唯一の同時性関係である」と証明しました。これは、同時性の決定が単なる慣習ではなく、ミンコフスキー時空の因果構造という物理的制約の帰結であることを示唆します¹⁾²⁾。この結果は、従来の「同時性は慣習的(conventional)」という見解への重要な反論と位置づけられています³⁾⁴⁾。

Malament の一意性定理の概要
定理の主張
・Malament はまず、ミンコフスキー時空における因果的連結性を表す二項関係 κ を導入し、

・同時性関係 S(p,q) は以下の性質を満たすと仮定した:

1、κ と慣性観測者の世界線 O から「定義可能」(definable)であること。

2、同時性関係が推移的・対称的な同値関係(equivalence relation)であること。

3、O 上の点と O 外の点の間に同時性を結ぶ組が存在すること。

4、普遍同時性(すべての点が同時)ではないこと。

以上の条件のもとで、Malament は「これらをすべて満たす同時性関係は標準同期 SE (Einstein 同期)以外に存在しない」ことを証明した¹⁾。

物理的制約としての意義
同時性を単なる時計同期の慣習ではなく、時空の因果連結構造から導かれる物理的結果とみなす根拠となる。

Einstein 同期を選ぶ余地が「因果構造を越えた真の自由度」ではなく、むしろ“他に選択肢がない”という形で正当化される²⁾⁵⁾。

したがって、「片道光速を c と定めるのは慣習的選択にすぎない」という見解への強力な反証とされる³⁾⁶⁾。

学界の反応と論争
賛同派
Robert Rynasiewicz らは、Malament の結果を支持し、「因果的連結性から同時性が一意に定まる」ことを強調⁷⁾。

近年の文献でも、この一意性定理を非慣習論(non-conventionality)の決定的根拠とする見解が散見される⁸⁾。

批判派
Adolf Grünbaum は、Malament の証明が「同値関係である」などの補助的仮定に依存しており、これらが「真に無害」か疑問であると指摘⁹⁾。

Allen Janis(1983)は、Grünbaum の批判と同趣旨で、「Malament の手法はReichenbachのε同時性の自由度を実質的に再導入している」と論じた¹⁰⁾。

Sahotra Sarkar & John Stachel(1999)は、同定理の「定義可能性」条件が実際には他の前提を含むとして、批判的再検討を行っている¹¹⁾。

結論
Malament の1977年の一意性定理は、「Einstein 同期=片道光速一定」という構成が、単なる慣習的選択ではなく、ミンコフスキー時空の因果構造という物理的制約から必然的に導かれることを示しています。従って、Malament はこの結果をもって「同時性は物理的制約の帰結であり、純粋な慣習ではない」と主張しており、これは Reichenbach–Grünbaum 的な慣習主義に対する有力な反論となっています⁶⁾¹²⁾。

 

Q3:学会の主流派はどっち?

A3:要約
特殊相対性理論における同時性の問題では、「片道光速一定を慣習的に定める(慣習主義)」と「Malament の一意性定理により物理的に一意に定まる(非慣習主義)」の両立場が存在します。学界全体としては、歴史的にライヘンバッハやグリュンバウムらの慣習主義が広く受け入れられてきましたが、1977年の Malament 論文以降、非慣習主義的視点も重要な反論として注目を集めています。現在でも主流は慣習主義ですが、Malament の結果は「同時性の一意性」を支持する理論的根拠として認知されており、学際的には両論併存の状況が続いています¹⁾²⁾³⁾。

慣習主義(Conventionality)の歴史的主流性
・ライヘンバッハ・グリュンバウムの提唱
ハンス・ライヘンバッハ (Reichenbach, 1958) は、光の片道速度を測定不能である以上、その値を定めるのは「協調的定義(coordinative definition)」の問題であり、科学的記述の一部としての「慣習」であると主張した⁴⁾。

・アドルフ・グリュンバウム (Grünbaum, 1973) も、ライヘンバッハの議論を継承し、同時性の定義は概念的選択に過ぎず、物理的事実から一意に導かれるものではないと論じた⁵⁾。

・この慣習主義的見解は、多くの哲学・物理学入門書や専門書で標準的に解説され、同時性の「検証不可能性」を根拠に主流の立場とされてきた⁶⁾⁷⁾。

非慣習主義(Non‑conventionality)への転換点:Malament の一意性定理
・David Malament (1977) は、ミンコフスキー時空の因果連結性 κ のみから同時性関係 S(p,q) を「定義可能」かつ「同値関係」として一意に導けるのは、Einstein 同期(ϵ=½)しかないことを証明した¹⁾⁸⁾。

・これにより、「同時性は物理的構造(因果構造)から必然的に導かれる」という非慣習主義的主張が、厳密な数学的根拠を持って浮上した⁹⁾¹⁰⁾。

・Stanford Encyclopedia of Philosophy では、Malament の定理を「現在議論される唯一の非慣習的提案」と位置づけ、従来の慣習主義議論への重要な補完であると評価している¹¹⁾。

学界の現状:両派の共存と主流派の優勢
継続的支持:SEP や多数の教科書では、慣習主義が「従来の主流的見解」として解説されており、実験的には往復光速しか測定できないという点が強調され続けている¹⁾¹²⁾。

非慣習主義の認知:一方で、哲学論文や一部の理論物理学研究では Malament の定理を支持・拡張し、同時性の非慣習的側面を探求する動きが活発化している¹¹⁾¹³⁾。

学際的対話:多くの研究者が「慣習主義と非慣習主義のどちらか一方のみでは不十分」と考え、両立場の前提や仮定を丁寧に検証するアプローチが増えている¹⁾¹⁴⁾¹⁵⁾。

結論
現時点で「学会の主流派」は依然として慣習主義であり、同時性の定義を「測定不可能性に基づく協約」とみなす立場が多数派です¹⁾¹²⁾。しかし、Malament の一意性定理以降、同時性の非慣習的根拠も学術的に重要視されており、両派の共存的検討が進行中であると言えます¹¹⁾¹³⁾。

 

Q4:ライヘンバッハの ε について詳細に示せ

A4:以下では,ハンス・ライヘンバッハ(Hans Reichenbach)が提唱した「ε(イプシロン)‐定義による同時性(synchronization)」について,その数学的定式化,物理的・哲学的意義,および議論点を詳細に解説する。まず概要をまとめ,続いて各論を扱う構成とする。

概要まとめ
ライヘンバッハのεは,「遠隔に離れた二つの時計を同期させる際の恣意的(conventional)パラメータ」であり,0<ε<1 の実数として定義される(範囲 Section 1)

ε=1/2 を取るとアインシュタインの標準同期(Einstein synchronization)に対応し,一方向・逆方向の光速を等しく仮定する(Section 2)

ε≠1/2 を取ると一方向光速に異方性(anisotropy)が導入されるが,往復光速は常に一定 c に保たれる(Section 3)

この恣意性は「同時性の慣習性(conventionality)」論争の核心をなす(Section 4)

以下,順に詳述する。

1. ε の数学的定義と範囲
ライヘンバッハは,二地点 A→B 間で光信号を送受信し,A での送信時刻を t₁,B での受信時刻を t₂,A での再受信時刻を t₃ としたとき,B のクロックを同期させる条件として次を定義した:

t B =t 1 +ε(t 3 −t 1 ),0<ε<1.
ここで ε は任意に選べる実数パラメータであり,往路の光速度を c/(2ε),復路を c/[2(1−ε)] と見なすことに対応する。

ε = 1/2 のとき,往路・復路とも c とみなす標準的(等方的)同期となる

ε → 0 に近づけると,往路は極めて高速(→∞),復路は遅くなる非等方性が強まる。

ε → 1 に近づけるとその逆となる。

このように ε∈(0,1) のどの値を採っても,「往復光速 = c」は保たれるが,「片道光速 = c」が保証されるのは ε=1/2 の場合のみである

2. アインシュタイン同期との関係
アインシュタイン(1905)は ε=1/2 を暗黙に採用し,「送信→往路=復路→受信」のタイムラグを対等に分割することで,同時性を定義した。
このとき,

片道光速は実験的に検証不能(測定には同期が前提となるため)であり,往復光速のみが物理的に測定可能である(Laue–Weyl の往復条件)。

往復光速一定性だけを仮定すれば,ε の任意性は残り,同時性定義は慣習的である──これがライヘンバッハの主張である。

3. 物理的帰結:一方向光速の非等方性
ε≠1/2 の「非標準同期(non‐Einstein synchronization)」を採ると,一方向光速 c₁₂=c/(2ε),逆方向 c₂₁=c/[2(1−ε)] が異なり,座標系内に見かけ上の光速異方性を生じる。しかし:

・任意 ε でも,光が往復する全経路の平均速度は常に c で一定

・観測可能なのは往復光速のみであり,片道光速の異方性を実験的に区別する方法は存在しない(測定には同期が必要なため循環論的)。

したがって,物理理論の予測には影響せず,「同時性の選択」はあくまで記述上の自由度に止まる。

4. 同時性の慣習性論争
ライヘンバッハは,同時性は経験的に一意決定できず,恣意的選択を含むと主張した(conventionalism)。
一方,マラメント(Malament, 1977)は,「因果構造のみから唯一の同時性が定まる」と反論し,慣習性否定を試みたが,その後も議論は継続中である。

賛成派:同時性定義は理論の簡潔性や対称性の観点で ε=1/2 が自然だとする

反対派:因果的対称性を厳密化すれば ε の自由度は消失すると主張

5. 哲学的意義と応用
認識論的含意:客観的「同時性」は存在せず,理論枠組み内の慣習に依存する──時空観の相対化。

理論的柔軟性:非標準 ε‐同期を用いた一般化ローレンツ変換が構成でき,物理法則の形は保たれる(RMS 検証理論)。

GPS 等実用系:回転座標系では ε=1/2 の非推移性(Sagnac 効果)が顕在化するため,実システムでは補正が必須となる。

6. 批判と現代的発展
ε‐自由度は単に表現の違いであり,物理内容に影響しないとの見方が多数派。

最近の研究では,量子情報や粒子衝突実験における時刻付けで ε‐同期の有用性が再検討されつつある。

まとめ:ライヘンバッハの ε は,同時性定義における恣意的パラメータであり,往復光速一定性を保ちつつ片道光速の分配を決める。この「慣習性」は特殊相対性理論の基礎概念を深く問い直す契機となり,現代でも哲学・実用双方で議論が続いている。

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さて当方がその2・チャットGPTはBT時間軸が嫌い?https://archive.md/Vl3fV

およびその3・アインシュタイン同期https://archive.md/a3IYY

で示した内容は

・時計の同期規則はローレンツ変換が制限している

・その結果許される同期規則はアインシュタイン同期だけとなる。

・ただしアインシュタイン同期をつかっても速度Vの運動系での一つの時計を使った片道光速は上り光速<下り光速となる。

 上り光速=1/(1+V)

 下り光速=1/(1-V)

・しかしながら往復光速と2つの時計を使った片道光速の測定ではいずれも常に1Cとなる

さてそうであれば当方は基本的にはマラメントの立場(=宇宙がアインシュタイン同期を支持している)に賛同するものです。

 

そうしてライヘンバッハがいう様に「一方向光速は異方性をもつようになる場合もある」のです。

しかしながらそれは「イプシロンの値を変更したから」ではなくて「運動系では光速はそうなる」というのがローレンツ変換の主張です。

確かにライヘンバッハのイプシロンを変えて時刻合わせをすると「見かけ上は片道光速に異方性が現れます。」

そうしてまた「その状態でも往復光速は相変わらず1Cのまま」です。

しかしながら「それは往復光速と片道光速の値は1Cでなくてはならない」というルールに反するのです。

そうして「そのルールはローレンツ変換から出てきている」のです。

それに加えてマラメントがいう様にイプシロンが0.5であるのは宇宙が持つ物理的な制約のためです。

それはつまりは「アインシュタイン同期の条件式は宇宙が決めた事」なのであります。

 

追記:上記のライヘンバッハの様な立場およびそれに対するマラメントの反論、そうしてそこで行われている議論については前のページで示した様に「ローレンツ変換から言わせるならば『何をそんなに騒いでいるのだ』」となってしまうのであります。

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「相対論・ダークマターの事など 記事一覧」:https://archive.md/LqO4J

「その2:ダークマター・相対論の事など 記事一覧」:https://archive.md/ERAHb

https://archive.md/WyxCv

 


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