以下、横ドップラーについての英文のういきを参照します。
「相対論的ドップラー効果」
https://en-m-wikipedia-org.translate.goog/wiki/Relativistic_Doppler_effect?_x_tr_sl=en&_x_tr_tl=ja&_x_tr_hl=ja&_x_tr_pto=sc
「横ドップラー効果」の章
・ソースとレシーバーは最も近いアプローチのポイントにあります
の
図2のbは基準慣性系に対して観測者が速度Vで移動しながら光源を見ている状況を示しています。
それで、この状況では観測者の時計が遅れる為に光源からの光はブルーシフト(周波数が高い方にシフト)すると見えます。
そうして
・受信者は、ソースが最も近いポイントにあると見なします
の
図3では基準慣性系に対して光源が速度Vで移動しています。
このために光源の時間は遅れて、観測者はレッドシフトを観測する事になります。
それで今、基準慣性系がどこにあるのかわからない状況でアリスとボブが接近しつつあり、距離 R だけ離れてすれ違う、とします。
距離 R が無視できるほどに遠く離れた状況でのアリスとボブの相対速度を V とし、それでアリスとボブがすれ違う時にお互いが相手に光をだし、それをまたお互いが観測する、とします。
その場合は確かに「横ドップラー効果をお互いが観測する」という事になります。
それで、基準慣性系が存在するならばアリスがレッドシフトを観測した場合は、ボブはブルーシフトを観測する事になります。
そうしてアリスがブルーシフトを観測すればボブはレッドシフトを観測します。
それでこの場合、従来の特殊相対論の解釈に立てばこうなります。
「お互いが相手の時計の遅れを観測する」と。
つまりアリスもボブもレッドシフトを観測する事になる、と。
つまり従来解釈では「横ドップラーシフトにはレッドシフトのみが起こるのであってブルーシフトは起らない」という事になります。
しかしながら実験事実はそうはなってはいません。
「光源が地球慣性系に対して運動している場合」はレッドシフトが観測され「観測者が地球慣性系に対して運動している場合」はブルーシフトが観測されるのです。
その状況については
・1つのオブジェクトが他のオブジェクトの周りを円を描くように動いている
の
図5の(a)と(b)で確認する事が出来るのです。
そうであれば英文ういきの「相対論的ドップラー効果」の説明においては暗に「基準慣性系の存在=地球が基準慣性系である」と認めている事になります。
追伸
アリスとボブが基準慣性系に対して同じ速度で運動している時は両者の時計の遅れは同等となりレッドシフトもブルーシフトも観測される事はありません。
それは上記ういきの中では
・共通の中心の周りを円を描くように動くソースとレシーバー
の
図6で説明されている状況になります。
この場合は光源の時間の遅れと観測者の時間の遅れが同等になるためにドップラーシフトは観測される事はありません。
ちなみにこの場合「光源と観察者の相対運動がないからドップラーシフトが観察されないのだ」という解釈は誤りです。
地球慣性系に対して円運動する光源、あるいは観察者の時間が遅れる事は図5の(a)と(b)で説明されているからです。
追伸の2
特殊相対論の従来の解釈、「運動と言うのは相対的」であって従って「速度 V で接近しつつある光源と観測者はどちらが静止していてどちらが移動しているのかは自由に設定し計算する事が出来る」と主張します。
そうであれば「動いているのは光源である」とした人は「観測者は横ドップラー効果によるレッドシフトを見る」と主張します。
他方で「動いているのは観測者である」とする人は「観測者は横ドップラー効果によるブルーシフトを見る」と主張します。
しかしながら実際にこの宇宙で起きる事は上記の二つの場合が同時に起きる事はなく、どちらか一方の場合のみが起こるのです。
そうであれば特殊相対論の従来解釈「時間の遅れはお互い様」という理解は変更されるべきでありましょう。
・・・というよりも「横ドップラー効果が存在する」とした時点で「時間の遅れはお互い様」という理解は成立していない事になります。
PS:相対論の事など 記事一覧
https://archive.fo/Q4aAC