残念な事にひとつ前の訂正記事も間違っていました。
ーー>: https://archive.md/ph1CA :
光のドップラーシフトの一般式の導出は難しく、とてもこの最初のページで記述できる分量ではありません。
従ってドップラーシフトの一般式関連の記述部分は削除とし、この後に続くページでのテーマといたします。(2023/8/18)
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3、2つの慣性系①と②の間の時間遅れを測定する方法について
2つの慣性系がすれ違うコースを取り、お互いが特定の周波数の電波を出し、そうしてお互いに相手が出した電波を受信する。
すれ違う前からすれ違う時までそのようにしてドップラー効果をお互いに観測しあう。
2つの慣性系が横に並んだ時には横ドップラー効果のみが検出されることになり、これは2つの慣性系の時間の進み方のみに影響される効果となる。
これを観測しあう事で「時間の遅れはお互い様」なのか「時間の遅れは一方的」なのかが分かる。
つまり両方の慣性系の測定結果が「相手の慣性系が出した電波の周波数は所定の周波数以下になっていた」というのであれば「時間の遅れはお互い様」となる。(注1)
あるいは「一方の慣性系が相手の慣性系の時間の遅れを検出」し、同時に「その相手の慣性系が時間の進みを検出した」のであれば「時間の遅れは一方的」となる。(注2)
アインシュタインが正しければ「時間の遅れはお互い様」となり、基準慣性系が存在すれば「時間の遅れは一方的」となるのです。
こうしてこの実験によって「時間のおくれはお互い様論争」に白黒が付く事になります。
同時にこれは「基準慣性系が存在するのかどうか」という確認テストにもなっています。
ちなみに横ドップラー効果の検証実験はそれなりに繰り返し行われていますが、ここで提案している「ダブル横ドップラー効果の検証実験」は今まで一度も行われた事がありません。
注1:ういき:ドップラー効果: https://archive.md/MNLxG :の「光のドップラー効果」章によれば、
ν’=ν*sqrt(1-V^2)/(1-V*Cos(Θ))
ここで、ν’:観測者が観測する振動数、ν : 光源の出す光の振動数、V: 観測者から見た光源の速さ、但しここでは 光速を1とする単位系を採用、Θ : 観測者から見た光源の動く方向(Θ =0 :観測者に向かってくる場合)
重要なのは、光の場合には光源が観測者の視線方向に対して垂直に運動しており、視線方向の速度を持っていない場合(Θ =90°)でも光の振動数が変化して見えることである。これを横ドップラー効果という。
ここでΘ =90°とすると諸式はCos(Θ)=0より
ν’=ν*sqrt(1-V^2)/(1-V*Cos(Θ))
=ν*sqrt(1-V^2)/(1-V*0)
=ν*sqrt(1-V^2)
となる。
つまり通説によれば「2つの慣性系間の相対速度Vで発生する時間遅れ因子sqrt(1-V^2)を発生源の周波数に掛けた値をそれぞれの観測者は観測する」となります。
こうして「時間のおくれはお互い様」を確認できるのです。
注2:基準慣性系が存在した場合はそれぞれの慣性系が固有速度を持つことになります。
それでそれぞれの慣性系は固有速度に対応した時間遅れを持つことになります。
慣性系①はsqrt(1-a^2)の割合で時間が遅れる。
慣性系②はsqrt(1-b^2)の割合で時間が遅れる。
上記注1で見たように、2つの慣性系が横に並んですれ違う際の横ドップラー効果では縦ドップラー因子は無視する事ができてその結果、それぞれの慣性系の相対論による時間の遅れ因子のみが検出可能になる。
但し通説の場合と異なるのは通説では「観測者の慣性系では時間の遅れが発生しておらず、観測対象となる相手の慣性系のみで時間の遅れが発生している」とみている。
それに対して基準慣性系が存在した場合は「信号の発信側も受信側も両方ともに固有速度に対応した時間の遅れが発生している」となるのです。
それゆえに「一方の慣性系が相手の慣性系の時間の遅れを検出」したのであれば必然的に「その相手の慣性系は時間の進みを検出する」のです。
ここでもう一度ドップラーシフトの式を参照します。
ν’=ν*sqrt(1-V^2)/(1-V*Cos(Θ))
ここで、ν’:観測者が観測する振動数、ν : 光源の出す光の振動数、V: 観測者から見た光源の速さ、 : 光速が1の単位系、Θ : 観測者から見た光源の動く方向(Θ =0 :観測者に向かってくる場合)
この式の分子が相対論的な効果、「相対速度Vによって移動している発信側の時間の遅れ」を示しています。
そうして分母のΘ =0度(=Cos(Θ)=1)でその光源が静止している観測者に向かってくる場合となります。
従ってその場合分母は1/(1-V)となります。
そうであれば
ν’=(非相対論的なドップラーシフト部分)*(相対論的な効果によるドップラーシフト部分)
=(ν/(1-V))*(「相対速度Vによって移動している発信側の時間の遅れ」)
となります。
そうしてここで固有速度aとbを導入します。
固有速度aは発信者側で固有速度bは受信者側です。
ここで注意すべきは「受信者側は静止系ではない=基準慣性系に対して固有速度bで動いている」ということですね。
さてその場合、受信者はどのような周波数を受け取る事になるのか、というのがテーマです。
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訂正注:この最後の問いに答えるものが「光のドップラーシフトの一般式の導出」となります。
そうしてこれについてはこの後に続くページで扱う事と致します。(2023/8/18)
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追記:非相対論的なドップラーシフトの部分の導出はたとえば以下の様な記事があります。
「 波の発生源が観測者から速度 v で遠ざかっている場合」: https://archive.md/Jwrvp :
ご参考までに。
追記の2:MMの干渉計でMMは「光を使って地球のエーテルに対する運動を検出しよう」とした。
そうしてここに至りてまた「光を使って地球の客観的に存在する静止系に対する運動を検出できる」という提案がなされた。
この両者、どちらの実験に於いても「光を使って地球が目には見えない何ものかに対しての運動を検出するのが目的」であり、そのような観点から見れば「似たような実験である」という事ができる。
あるいは「本論で提案された実験はMMの干渉計実験を引き継ぐものである」ともみなせる。
さてそれで注目すべき興味深い点は「どちらの実験でも光を使う」という所にあると個人的にはそう思っているのです。