特殊相対論、ホーキング放射、ダークマター、ブラックホールなど

・時間について特殊相対論からの考察
・プランクスケールの原始ブラックホールがダークマターの正体であるという主張
 

4-2・静止系が客観的な存在だと何が困るのか?(@時間の遅れ合成則)

2023-08-04 03:30:04 | 日記

このページの記述内容は見直しによって変更になっています。(2023/12)

前の記述内容は: https://archive.md/XoHEk :にあります。

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「その4・静止系が客観的な存在だと何が困るのか?(@時間の遅れ合成則)」では

『「相対速度で時間遅れの合成則が成立している不思議な理由は客観的に存在する静止系があるからです」が正しい表現となります。

そうしてこの状況はまた「ローレンツ変換は客観的に存在する静止系を許可している」と言う事を上回っていて「ローレンツ変換は客観的に存在する静止系を必要としている」=「ローレンツ変換から客観的に存在する静止系が出てくることは必然である」という状況の様に見えるのです。』

と随分と踏み込んだ表現をしました。

しかしながらこの「時間の遅れ合成則」というのはもともとは「ローレンツ因子の合成則」とも呼べるものでした。(注1)

それを「時間の遅れに展開する・応用する事も出来た」ので「時間のおくれ合成則」と呼んできました。

と言うよりも通説が主張している時間遅れ因子sqrt(1-V^2)に速度の合成則を代入する事で出てきた関係式でしたから、そう呼んでいました。

 

しかしながら実は速度の合成則からもこの「時間の遅れ合成則」に相当する「ローレンツ因子の合成則」は直接、導出できる様です。

あるいは「時間の遅れ合成則」が成立している事の「従来とはやり方が異なる別解が可能である」様です。

そうしてこの場合には「時間の遅れ合成則」は「速度の合成則が成立するならば、常に成り立っている恒等式である」という事になります。(注2)

 

さらに言いますれば従来「時間の遅れを表す因子である」として来たsqrt(1-V^2)という式は「実は特定の場合を除いて一般的には時間の遅れを表してはいなかった」という事もここにきて判明した事でした。(注3)

さてそうであればますますこの「ローレンツ因子の合成則=時間遅れの合成則」が持つ意味を十分に検討する事が必要となるのです。

 

追記:(2023/12):ローレンツ変換から速度の合成則が出てきています。

そうしてまた通説によれば「ローレンツ変換から動くと時間が遅れる」も出てきます。

さてそうであれば「ローレンツ因子の合成則=時間遅れの合成則」もローレンツ変換そのものから出てきたものである事には間違いはありません。

しかしながら「ローレンツ因子の合成則=時間遅れの合成則」自体の持つ物理的な意味、内容について考察されたレポートは無い様です。

さてそれで「何が言いたいのか」といいますれば「相対速度で時間遅れの合成則が成立している不思議な理由は客観的に存在する静止系があるからです」と再度主張する事になります。

そうしてこの件につきましてはページを改めて記述する事と致します。

 

注1:速度の加法則が速度の足し算則であるならば、この「時間の遅れ合成則」は「ローレンツ因子の掛け算則」とでも呼べるものです。

ただし皆さんはそうは呼んではいない様ですが、、、。

注2:「3次元速度の合成則」: https://archive.md/ca83a :のページの一番下に

『特殊相対論的な3次元速度の合成則
U≡(V+W)/(1+VW)
が得られた。

・・・
参考までに・・・』

に続いて諸式が展開され最後が

=1/sqrt(1-U^2)

となっています。

この書式展開の分子、分母をひっくり返しますと

sqrt(1-U^2)

=sqrt(1-V^2)*sqrt(1-W^2)/(1+VW)

となりこれがこの場合のローレンツ因子の合成則の直接導出となります。

 

但しこの時に注意が必要な事は速度の合成則の表現方法が2つある、という事です。

そうして

V3=(V1+V2)/(1+V1*V2)

と速度の合成則を表す場合は

sqrt(1-(V3)^2)=sqrt(1-(V1)^2)*sqrt(1-(V2)^2)/(1+V1*V2)

が「ローレンツ因子の合成則」となりこれをこれまで「時間遅れの合成則」と呼んできたのでした。

ちなみにこの場合のもう一つの速度の合成則の表し方は

V2=(V3-V1)/(1-V3*V1)

となります。: https://archive.md/jydqn :

そうしてこの場合の「ローレンツ因子の合成則」は

sqrt(1-(V2)^2)=sqrt(1-(V3)^2)*sqrt(1-(V1)^2)/(1-V3*V1)

と変化する事になります。

実際に確認しておきます。

V=(b-a)/(1-a*b)

の時

sqrt(1-V^2)=sqrt(1-((b-a)/(1-a*b))^2)

となります。

sqrt(1-((b-a)/(1-a*b))^2) をウルフラムに入れてポチります。

https://ja.wolframalpha.com/input?i=sqrt%281-%28%28b-a%29%2F%281-a*b%29%29%5E2%29

「別の形」に答えが出ています。

整理して

sqrt(1-V^2)=sqrt(1-b^2)*sqrt(1-a^2)/(1-b*a)

となります。

注3:「特定の場合」とは「観察者が客観的に存在する静止系に立っていた場合」です。

この場合は相対速度Vは固有速度bとなりsqrt(1-V^2)は観測している慣性系の時間遅れを表すことになります。

 

PS:相対論・ダークマターの事など 記事一覧

 

https://archive.md/XoHEk