おやすみだー。
お天気でうれしい。
さて。「KOSMOS」3月号も
皆さまのお手元に届いたことだし、こちらを。
2012年3月2日(金)
東京手描友禅 第50回記念染芸展コンクールへ。
会場はいつもと同じ、東京都立産業貿易センター浜松町本館。
今回は50回目ということで、
色々とスペシャルだった。
50回ということは50年目ということだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/3a/b57c431f74c2e309c84e6d38bec624a5.jpg)
理事長の高橋センセ(司会中)は馬乗り袴、
小倉センセは野袴というスタイルも50回記念だからだろうか。
いずれにせよ、やっぱり場が締まるなと思う。
でもはっきり云ってしまえば、
毎年和装にしてくださればいいのに!
もっといえば、他の男の人たちも全員和装になればいいのに!
女性の職人はみーーんなきもの姿だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/be/3139628aa83759e0f86163b12a44269b.jpg)
今年はテープカットもあった。
じつに珍しい光景。
ワタシも、他の職人さんたちも、
前にずらーっと陣取って、写真撮影に励んだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/4f/46f2ebe47e4f69270ed00f8eff07a67a.jpg)
左から若手有望株の塩野さとみちゃんと
秋櫻舎ではお馴染みのろうけつ染の本田早苗さん。
大の猫好きでも有名な本田さんだけど、
この日はね、ヤラれた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/dc/8d5faca7a16a01f3c0776eb1a1d07f28.jpg)
もうヤバい。かわいい。
猫の帯留が、というか留め方が!
「ありそーでない、ありそーでない!本田さん、真似していい?」
「いいよー。けど、形のちょうどいい猫探すのってけっこう難しいよ」
「がんばります。猫じゃなくてもいい。これがしたい!」
ちなみにこれはストラップの先に付いていた猫の小物。
それをちょこっと工夫したら、こんなことになったのだという。
さすが猫好き。愛だわ、愛。
さ、落ち着いて。
「染芸展」の審査会は、今年はなんと比佐子さんが
仕事の都合で参加できなかったため、
秋櫻舎スタッフで代理を務めることに。
「こすもす賞」の審査基準は単純明快。
「着る側の目で着たいと思うもの」。
そういうわけで
今年度の「こすもす賞」受賞作品は以下のとおり。
ひとつ云えることは、どちらも迷いませんでした。
◆高橋 孝之氏「横 段」 【絵羽部門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/b0/062774a6b44553015c7bfa2a04bf7e7e.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/55/e08a95d5bb466d5711d80438bccf5a94.jpg)
~墨流しをベースに、高橋さんお得意の手描き縞で
裾やお袖に幾何学的な柄を配した訪問着。
手描き縞の水玉が、丸いクッキーを型抜きしたように
ポンポンと墨流しエリアに飛んでいるのもかわいい。
でも何より今回一番目を惹いたのはその色味。
墨流しは甘い甘いピンクのトーンで統一されており、
手描き縞の部分は明るい朱色・・・
これって高橋先生の作品?とにわかには信じられないほど。
「同業者にも云われました。あと、恋をすると
僕たち染色家って作風が変わるんだよねとか。
でも恋ではありませんので」
それは至極残念ですが(笑)、
絶えず進化しなくてはと今までの自分にはない
カラーというのを意識したそうです。
甘い色味なのに手が込んでいるところが
実にミソで洒落帯などで気軽に着たい作品です。
◆江上 昌幸氏「街」 【帯部門】
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1d/d8/9d233f22f49712936060916d8855f0bd.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/76/d5/548ebe371151830d294c9ee6afa328f1.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/e8/59e45fd9144f9e4072796cf51625d7cd.jpg)
~スカイツリーに東京タワーと題材がとても
タイムリーなまさに東京の帯!
これを締めていたら必ず話題になるでしょう。
そしてこの帯の裏テーマは「クリスマス」。
だから夕闇の淡いピンクがぼかされ、銀色の雪が舞い散っていて、
どこかロマンティックなのです。手法はろうけつ染。
モノトーンにして極力色を抑えたのは東京の作家としての自負から。
構図は創作かと思いきや、実際にこんな景色が
広がる場所があるそうです。
「愛宕山の高台(港区愛宕)からだと、
こんな風にタワーとツリーがいっしょに見えるんですよ」
デッサンしたものはやはり強い。
江上さんによると大島や結城と合わせても面白いし、
江戸小紋でモダンに着てももちろん素敵だということ。
地色が黒じゃなくて消墨色なのが心憎いです。
他にも色々な作品が所狭しと展示されていて
飽きることがなかった。
そして来週は授賞式。
うー。ワタシ、この帯ほしいなー。
例えば、真っ赤な帯〆にサンタを挟んで締めるの(笑)
帯〆は金でもいい。