今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

祝!こすもす賞

2012年03月20日 09時34分04秒 | きもの

おやすみだー。
お天気でうれしい。

さて。「KOSMOS」3月号も
皆さまのお手元に届いたことだし、こちらを。

2012年3月2日(金)
東京手描友禅 第50回記念染芸展コンクールへ。
会場はいつもと同じ、東京都立産業貿易センター浜松町本館。

今回は50回目ということで、
色々とスペシャルだった。
50回ということは50年目ということだ。




理事長の高橋センセ(司会中)は馬乗り袴、
小倉センセは野袴というスタイルも50回記念だからだろうか。
いずれにせよ、やっぱり場が締まるなと思う。

でもはっきり云ってしまえば、
毎年和装にしてくださればいいのに!
もっといえば、他の男の人たちも全員和装になればいいのに!
女性の職人はみーーんなきもの姿だ。




今年はテープカットもあった。
じつに珍しい光景。
ワタシも、他の職人さんたちも、
前にずらーっと陣取って、写真撮影に励んだ。




左から若手有望株の塩野さとみちゃんと
秋櫻舎ではお馴染みのろうけつ染の本田早苗さん。

大の猫好きでも有名な本田さんだけど、
この日はね、ヤラれた。




もうヤバい。かわいい。
猫の帯留が、というか留め方が!

「ありそーでない、ありそーでない!本田さん、真似していい?」

「いいよー。けど、形のちょうどいい猫探すのってけっこう難しいよ」

「がんばります。猫じゃなくてもいい。これがしたい!」

ちなみにこれはストラップの先に付いていた猫の小物。
それをちょこっと工夫したら、こんなことになったのだという。
さすが猫好き。愛だわ、愛。



さ、落ち着いて。

「染芸展」の審査会は、今年はなんと比佐子さんが
仕事の都合で参加できなかったため、
秋櫻舎スタッフで代理を務めることに。

「こすもす賞」の審査基準は単純明快。
「着る側の目で着たいと思うもの」。
 
そういうわけで
今年度の「こすもす賞」受賞作品は以下のとおり。
ひとつ云えることは、どちらも迷いませんでした。



◆高橋 孝之氏「横 段」 【絵羽部門】  



      


~墨流しをベースに、高橋さんお得意の手描き縞で
裾やお袖に幾何学的な柄を配した訪問着。

手描き縞の水玉が、丸いクッキーを型抜きしたように
ポンポンと墨流しエリアに飛んでいるのもかわいい。

でも何より今回一番目を惹いたのはその色味。
墨流しは甘い甘いピンクのトーンで統一されており、
手描き縞の部分は明るい朱色・・・
これって高橋先生の作品?とにわかには信じられないほど。

「同業者にも云われました。あと、恋をすると
僕たち染色家って作風が変わるんだよねとか。
でも恋ではありませんので」

それは至極残念ですが(笑)、
絶えず進化しなくてはと今までの自分にはない
カラーというのを意識したそうです。
甘い色味なのに手が込んでいるところが
実にミソで洒落帯などで気軽に着たい作品です。



◆江上 昌幸氏「街」 【帯部門】 








~スカイツリーに東京タワーと題材がとても
タイムリーなまさに東京の帯!
これを締めていたら必ず話題になるでしょう。

そしてこの帯の裏テーマは「クリスマス」。
だから夕闇の淡いピンクがぼかされ、銀色の雪が舞い散っていて、
どこかロマンティックなのです。手法はろうけつ染。
モノトーンにして極力色を抑えたのは東京の作家としての自負から。

構図は創作かと思いきや、実際にこんな景色が
広がる場所があるそうです。

「愛宕山の高台(港区愛宕)からだと、
こんな風にタワーとツリーがいっしょに見えるんですよ」

デッサンしたものはやはり強い。

江上さんによると大島や結城と合わせても面白いし、
江戸小紋でモダンに着てももちろん素敵だということ。
地色が黒じゃなくて消墨色なのが心憎いです。



他にも色々な作品が所狭しと展示されていて
飽きることがなかった。
そして来週は授賞式。

うー。ワタシ、この帯ほしいなー。
例えば、真っ赤な帯〆にサンタを挟んで締めるの(笑)
帯〆は金でもいい。