今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

なごし

2010年07月01日 20時40分10秒 | きもの
きのう、今日と風が涼しくてうれしい。
秋櫻舎は13Fにあるからか、夏はとくに
風が吹き抜けるので、紙は面白いように
飛んでいくけれど、あの気もちよさはちょっとない。


さて。
昨日は夏越の大祓いということで、
夕方5時からの大祓いの儀式に参加するため
近所の熊野さんへ。

これは、1年のちょうど半分の区切りに当たる
6月30日にお祓いをして、それまでの罪穢れをきれいにし、
来たる暑い夏も、もう半年も健やかに過ごそうという神事。

ちなみに「夏越」は「なごし」と読みます。
(日本語は相変わらずステキな言語だ)。

比佐子さんと姐さんと少し早めに着いて、
熊野さんの神さまたちに参拝する。



弁天さまのいる池のほとりでやすむ比佐子さん。
紺地に白い芙蓉の帯がよく映える。




鯉の子どもが群れでやってきて、
じっとみている比佐子さん。



姐さんが奥の弁天さまにお祈り中。
一方で「何をみてるんだ」な比佐子さん。



ワタシのお祈りは長いのだが、
時間があるのでまだ動かぬ比佐子さん。
とうとう何かを読み始めたよな比佐子さん。


この日は比佐子さんもワタシも白いきものだったのだけど、
姐さんは黒紋付。もちろん夏用の(!)。
そこへ鴨のつがいと観世水が友禅描きされた帯をしめて
すごくかっこいい。



比「3人で陰陽になってて、ちょうどいいわね」


5時になると、まずは全員で
茅の輪くぐりの儀。
3人の神官の後にみんなで続いていく。



今日は神官さんたちは揃って
上下とも白の出で立ち。
ただし一番格上の神官さんの白は少し生成り。



それから本殿へ入って、大祓いの儀。
祝詞をあげ、さかきを奉納し、「きりぬさ」という
白い紙片四角を左肩、右肩、もう一度左肩にふりかける。

室内はうす暗く、金が妖しくちらちらと光り、
湿気の高い空気は頭をぼーっとさせて、
ふしぎな空間を作り出す。
暗いとか、光るとか、ふだん鈍っている部分の
感覚がひらいていくのも神社ならでは。

そうそう、「きりぬさ」の「ぬさ」は
「麻」がなまったものだと、後で神官さんに
教えていただいたのだけど、
要するに、白い紙は切った麻に見たてたもの。
神事はやっぱり麻なんだなと思う。
きっと麻の波動やエネルギーみたいなものが
神事における大事な何かに合うんだろうな。

儀式が終わると、出口で神官さんから
お神酒を一杯と、どら焼き一個をいただく。
熊野さんは神事の後に必ずどら焼きを
くださるのだけど、これがうまいのだ。



白い3人。


この日はこれで終業、よって解散。
少しくたびれたので、京王ホテルのロビーで
休んでいると、

「インドの方なのですが、日本できものを着た人を
初めてみたのでぜひ一緒に写真を撮りたいと仰っています。
いいですか?」

と日本人のガイドさん(?)。

みればインド人夫婦。
旦那さんはパワースーツ、奥さんはサリー。
ワタシはもちろん快諾。

しかしインド人ってほんと美形だなあと思う。
彫りの深さは渓谷のようだし、
目が嘘みたいに大きくて真っっ黒だし!
奥さんの第三の目のところには
ちゃんとビンディもある。

目があうたびにどきどきするのに
見つめてしまうこの心理って何なんだろうなあ。

ワタシがビンディをきれいだと云ったら
奥さんがお礼にと、ビンディをバッグから出して
プレゼントしてくださる。
うれしい。



きけば、これは毎日着るものとコーデして
付け替えるのだそうな。



それにしても、この衣装の違い。
面白いね。
みんなしてお洋服着てるのは、やっぱりね、
つまんなーいって思っちゃうね。


さ、明日の夜はナイト・コスモスだ。
お夜食には夏らしいあれを作ります。

お時間のある方、遊びにいらしてくださいまし
(お夜食を準備する都合上、当日の
14時頃までにお電話いただけると助かります)。