今日の秋櫻写

こちら新宿都庁前 秋櫻舎

4万6千日さま

2010年07月02日 23時00分35秒 | きもの
4万6千日さま、お暑い盛りでございます。

とくれば、ああ「船徳」がききたい!
って落語です。

ちなみに「4万6千日」というのは
観音様のご縁日である毎月18日とは別に、
功徳日というものがあるのだけど、
とくに浅草寺では7月10日の功徳日に参拝すれば、
4万6千日分のご利益を得られるというところから
この日を「4万6千日」と呼ぶのだそうな。

年になおせば126年分。
1回行けば、今生ぶんは余裕でまかなえちゃう。

しかし、夏越の大祓いといい、4万6千日といい、
こういう風習は裏を返せば、
人は生きていると、たくさんの罪を重ね、
そして重ねているという自覚があるということ。
とはいえ、人は罪を背負ったまま生きるほど
強くはないし、暗くもない。
だからとりあえず、チャラにして、軽くなってさ、
またがんばろう!と切り替えの儀式を
やるんじゃないかな。
だって、生きていれば、明日は来るんだもの。

名物の「ほおずき市」も
9日から10日にかけて行われる。
で、ワタシはワタシでこの時期ゆえに
ほおづきの帯をしめるのであった。

おやつはまた例の
おいしい岐阜のアイス最中。



ワタシはコーヒー味が一番すきだった。
すみません、邪道です。

午後は比佐子さん、顔料を取り出して
なにやら描いていると思ったら、
夏のおきものがほしいというお客さまのために、
デザイン画を描いているのだった。



帯は決まっているので、当然帯と合うもの、
そして他にはご予算とご本人の好み、
こちらからみたお客様の雰囲気、
比佐子さんのセンス・・・と色々な要素を
ミックスさせて何枚かのデザイン画ができあがる。

で、できたそれを今度はお客さまにお見せして
そこでまたイメージがふくらんだり、修正したり、
付け加えたりとやり取りしていき、
こうして1枚のオンリーワンのきものを
つくっていくのだ。

きものは作っていくプロセスも
かなりというか、相当楽しい。
このプロセスの楽しさも当たり前のように
体験してもらう、というのが秋櫻舎かもしれん。

大体プロセスに加われば、それを着るときの
親密感も全然違ってくる。

「あの人はきものが体になじんでるね~」

なんてよく褒め言葉できくけれど、
なじむのは、何もきものを着てきた年数だけではなくて、
愛着度みたいなものも大きいと思う。

だって愛着があれば、距離が近づくもん。
近づけば、親密になる。
ついでに云えば、
これって人でも同じじゃなかろうか。


さいごに1枚。



夕方、比佐子さんがホースで水遣りをして
うれしそーな緑になった植物たち。
コスモスももはや咲いてしまっています。