蜻蛉・莞爾の無責任漢字樂院

漢字に関する色々なことを発信して行きます。中国語も有りますよ!

平成19年5月27日、「ほしいまま」を取り上げます

2007年05月27日 | 今回の題材
【ほしいまま】
〔「ほしきまま」の転〕やりたいままに振る舞うこと。自分の思いどおりに事を行うこと。また、そのさま。思うまま。自分勝手に扱う、思う存分行なう。
例文:「ほしいままの悪業」「政治をほしいままにする」

漢字で書くと
 ★縦(縱)・擅・恣・肆 / 亶・愓

【縦(縱)】
解字:糸+従(從) ~ 元は、従=辵+从 
从は、左向きの人が、前の人に従うこと。辵は、進む方向を示す。
直線的な関係から、織物では縦糸にあたり、縦糸(経・經)になる。

<縦横無尽>
思いのままに動くこと、心のままにすること。
自由自在に思うぞんぶん物事を行うさま。
勝手気ままにふるまうようす。
『蜻蛉的考察』
縦は、ほしいまま。横は、「横柄」「横槍」「横着」「横行」など、よこしま(邪)で、良くない状態・行為を表わしている。
そのことから、『縦横無尽』は、「ほしいまま(縦)」にするのも「怠ける(横)」のも「限りがない(無尽)」こと。
<縦覧>
自由に見ること。思うままに閲覧すること。
「選挙人名簿を―する」
<操縦桿>
飛行機を操縦するレバー。昇降舵の操作を制御する棒。
操:あやつる 縦:ほしいまま 桿:てこぼう
<縦しんば>
たとえそうであったとしても。かりに。
「―来たとしても、私は会わない」 ★よしや

【擅】
解字:扌+亶。
亶は、建物の土台の上に穀物倉(廩倉)のある形。
「啚」参照 壇の元の字。
<蜻蛉的考察>常用字解には載っていませんが、
集落皆の穀物倉(亶)を手(扌)にする形 ⇒ 擅

<独擅場(どくせんじょう)>
その人ひとりだけで、思いのとおりの振る舞いができるような場面・分野。ひとり舞台。
〔「擅」を「壇」と誤り、「ひとり舞台」の意から
「独壇場(どくだんじょう)」の語が生じた〕独壇場。
<専権・擅権(せんけん)>
権力をほしいままにすること。「政府の―横暴」


【恣】 
解字:次+心
<蜻蛉的考察>常用字解には載っていませんが
欠は、人が大きな口を開けているさま。今の形は「次」ですが、本来は「次」。 羨(うらやましい)と似ています。
口から唾(つばき)を飛ばしている形です。
恣は、人前で思うままに唾を飛ばして振舞う心持ちの様子を表しています。 (「肆」と通用する)

<恣意・恣意的(しい・しいてき)>
その時々の思いつきで物事を判断するさま。勝手気ままな考え  「恣意的な解釈」  
<放恣・放肆(ほうし)>
勝手気ままで乱れていること、節操がないこと。
「放恣な生活」
<驕肆・驕恣(きょうし)>
おごりたかぶってわがままなこと・さま。
★驕:おごる

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