金沢発 あれやこれや

-ヒントをくれる存在に感謝しつつ物語をすすめます-

いにしえの鼻濁音

2016-09-11 10:58:14 | 滋賀の日々
私は小中高と石川県金沢市の学校に通いました。
他の地域に住んでみて、共通語で授業してる地域
ばかりではないことを知りました。
思い返すと、保育所も共通語だったと思います。
授業で触れる共通語と方言を比べると共通語の
ほうが断然かっこいいので、昼に外にいる間は
方言を話すのは避けます。
こんなこと言うとおかしく思われるかもしれません
が、金沢の多くの者は、イベントで司会者が方言で
話始めると、身体がかゆくなりますし、もしテレビ
ニュースを方言でやると、恥ずかしいからやめて
とクレームが集まると思います。
金沢市民を昼間につかまえて、方言話してみてと
頼むのはちょっとした拷問です。

そういう地元方言の恩恵をひとつあげてみると、
知らぬ間に鼻濁音を習得できてたことです。

これを書くきっかけが、三重の学校の放送部員が
鼻濁音が話せず、TBSの安住アナに相談を持ちかけた
ラジオ放送があったと知ったことでした。

九州、中国、四国地方、そして京都と大阪、和歌山
は鼻濁音を話さない地域。滋賀と三重は地域で
分かれてるそうです。

無意識に鼻濁音を話してた自分が言うのはおこがま
しいですが、濁音だけで話とおそうとすると、イン
トネーションだけでなくアクセントの位置も
変わっていくのが自然だろうと思います。

関西でとまどうのは、接続詞「が」「で」をことさ
ら大きく強調して話すこと。重要でない部分を一番
強調して話されると、話の重点がどこにあるのか、
聞く方が探さないといけなく、とても困惑します。
いじわるしてる訳ではないことは承知してます。

鼻濁音は、共通語をかつぜつ良く話すのに必須で
歌手や役者、アナウンサーはできないとダメなのだ
そうです。アナウンサーが美しい鼻濁音の共通語で
ニュースを伝えるのは、その放送局の意地です。

共通語ではないですが、ある意味、その方面の頂の
ひとつが、皇室が話される言葉かと思います。
皇室では昔から鼻濁音が重要とされてて、皇后さま
は皇室にはいられた際、鼻濁音の特訓を受けられた
とあります。
今の天皇陛下は、とてもお優しく心にしみる鼻濁音
でスピーチされます。昭和天皇も鼻濁音で話されて
ました。
皇室は東に移るまで長いあいだ関西にありましたが
昔の大和地方では鼻濁音がふんだんに話されてた
とある記録を読みました。それが本当なら、陛下の
お言葉から昔の大和言葉の響きが伺えるのかな、と
いにしえの様子に思いをはせてみました。

となりの富山は石川より日本語の乱れを問題視して
るらしく、富山市長は濁音しか話さない教師による
生徒の発音への悪影響を心配しおり、国語に加えて
日本語を学ぶ時間の設定を考え始めてるよう。
教師の発音矯正も計画のうちです。
濁音しか話してこなかった人が鼻濁音を理解する
のはけっこう難しいのかもと想像します。
関西人の話す共通語は関西弁が抜けておらず、
鼻濁音で発音すべきところを濁音にするので
違和感たっぷり。関西以外に就職するときは
多少の覚悟は要ると思います。


コメント
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