トヨタ 米ミシシッピ州新工場、来年6月稼働

2010-03-08 | 社会
【自動車産業ニュース】
トヨタ米新工場、来年6月稼働
2010年3月7日
 【テュペロ(米南部ミシシッピ州)=青柳知敏】トヨタ自動車が業績悪化で生産開始を延期した米ミシシッピ州の新工場を、2011年6月にも稼働させることが分かった。米国内では大規模リコール(無料の回収・修理)をめぐる同社への批判が尾を引いているが、失業問題を抱える州政府などは早期稼働を強く求めており、トヨタは雇用を通じた米経済への貢献を信頼回復につなげる方針だ。
 新工場は同州北東部テュペロ郊外にあり、投資額は約13億ドル(約1200億円)。当初は10年後半の稼働を予定していたが、08年秋の金融危機で業績が急降下し、同年12月に無期限の延期を発表した。敷地は約700万平方メートルで、建物は既に完成している。
 生産車種は北米では初の生産となるハイブリッド車「プリウス」を計画。ただ、米大手ゼネラル・モーターズ(GM)との合弁工場「NUMMI」(カリフォルニア州)が4月1日で閉鎖されるため、同工場で年間約14万台生産している小型車「カローラ」を先行して移管する見通しだ。
 リコールをめぐる米国内でのトヨタ批判は収束に至っておらず、トヨタは厳しい経営環境を強いられている。一方で、米議会の公聴会前にはケンタッキーやミシシッピなど南部4州の知事が「公平な議論」を求める書簡を政府と議会に送付するなど、生産拠点を抱える州にはトヨタ擁護の動きもあった。
 特にミシシッピ州は失業率が全米平均を上回り、新工場で約2000人、部品メーカーなどを含めると計約4000人が見込まれる雇用への期待が高い。バーバー州知事は本紙に「トヨタにとってリコール問題は異例のこと。新工場の稼働が正式に決まれば、より良い方向に向かうと確信している」とコメントした。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。