光母子殺害、判決は来年4月22日 弁護側は死刑回避求め結審

2007-12-04 | 光市母子殺害事件

中国新聞  '07/12/4 
 
 山口県光市の母子殺害事件で、殺人罪などに問われた元少年(26)=事件当時(18)=の差し戻し控訴審公判が四日、広島高裁(楢崎康英ならざき・やすひで裁判長)で開かれ、弁護側が最終弁論で「殺意は認められず、傷害致死にすぎない。性的暴行の計画性はなかった」と主張し結審した。判決は来年四月二十二日に言い渡される。

 弁護側は「どうやって生きていけばいいのか、道しるべを指し示す判決を」とあらためて死刑回避を求めた。

 本村洋もとむら・ひろしさん(31)の妻弥生やよいさん=当時(23)=について「首を圧迫している認識はなく、無我夢中で押さえ付けた」と殺意を否定。長女夕夏ゆうかちゃん=同(11カ月)=の遺体に強く首を絞められたあとなど重い損傷がなかったことを挙げ「死因は特定できない。殺害の動機もない」と述べた。

 さらに検察側証人の法医鑑定を「検察側主張に迎合している」と批判。性的暴行についても、現場が自宅と近いことや、元少年が名前入りの作業服を着ていた点に触れ「計画性はなかった」と指摘した。

 父親から虐待を受けていたことにも触れ「健全な成長が阻害され未成熟な少年に、成人同様の責任を負わせることはできない」と述べた。

 検察側の死刑求刑に対し、一審山口地裁、二審広島高裁はいずれも無期懲役の判決。最高裁は昨年六月「特に酌量すべき事情がない限り死刑を選択するほかない」として二審判決を破棄、審理を差し戻した。

 ことし五月に始まった差し戻し審は、十二回の公判で法医学者や精神科医ら五人に対する証人尋問や、被告人質問などを実施した。

 

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「最後まで弁護する」と強調=結審受け弁護団が広島で会見-光市母子殺害 
(時事通信社 - 12月04日 22:02)

 山口県光市の母子殺害事件で4日、広島高裁で差し戻し控訴審が結審したことを受け、被告の弁護団が記者会見した。主任の安田好弘弁護士は「被告自身が贖罪(しょくざい)の人生を歩んでいくことを、私たちはぜひ実現したいし、見届けていきたい」と死刑回避を改めて訴え、「最後まで弁護していきたい」と力を込めた。

 安田弁護士は今回の差し戻し審を「実質上、彼にとって第一審だった」とし、上告審までの一連の審理を批判。各地から21人が顔をそろえた弁護団について「まともな弁護活動をするために集まった。ごく当たり前の活動をしただけだ」と述べた。 

 

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<来栖のつぶやき>

 事実上の1審だった。安田さんの気持ちに全く同感。1,2審において事実関係が正しく究明されていたなら、この事件が、これほどまでに誤解され、国民感情を煽ることも無かった。1,2審弁護人の罪責は甚だ大きい。また、国民感情を煽りに煽ったメディアの責任も問われなくてはなるまい。

 今夕のテレビ朝日の番組に出演した今枝弁護士は「遺族への慰藉に、もっと早く取り掛かるべきだった」旨の発言をしていた。果たしてそうだろうか・・・。この事件、差し迫った緊急の課題は真相の究明だった、と私は信じている。うやむやのままでは、加害者・被害者両者の救済はありえない。どうして命を奪われたのか、その真相が不明のままで、どうして救われるだろう。

 同番組でコメンテイターの大谷氏の発言に、私は耳を欹てた。「ドラエモンのことも、○○のことも、被告は1審から言ってるんですよね。1,2審で、審理がなされなかったのが残念です」。事件の真実が、社会にかなり浸透してきているのではないか。

 明年4月22日には、真実に則った正しい判断が下されることを祈るばかりだ。
 


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