非正規労働者3400人住居失う 09年度版厚労白書

2009-08-25 | 政治
 舛添要一厚生労働相は25日の閣議に2009年版厚生労働白書を報告した。昨年秋以降の不況で失職した非正規労働者のうち少なくとも約3400人が住居を失うなど、多くの人が生活基盤を損なわれる苦境にあり、社会保障のセーフティーネット(安全網)機能強化に向け雇用、生活両面の自立支援策を拡充する必要があると強調した。
 ハローワークを通じた調査によると、非正規労働者約22万9千人が昨年10月以降に、雇用契約終了時に契約更新されない「雇い止め」や解雇となったか、今年9月までにそうなる見通し。
 居住状況が判明した約12万5千人のうち、約3400人が社宅などの住まいを失っていた。白書は蓄えもなくただちに生活困難に直面し、再就職活動にも支障を来すケースが生じていると分析。行政が住宅確保や再就職支援に力を入れ、安易な雇用打ち切りを行わないよう雇い主に求める必要があると指摘している。
 フリーターは03年の約217万人から08年に約170万人まで減少。この間、25~34歳の年長フリーターは約98万人から約87万人に減ったものの、雇用状況の改善は遅れている。白書は就職や職業能力開発の支援対象年齢を拡大し、安心して職業訓練を受けられるよう生活支援が重要だとした。
 また母子家庭の母親などの就職率は07年度の39・5%から08年度には34・9%に落ち込んだ。白書は保育園への優先入所や、収入や雇用条件の良い仕事に就けるよう支援が欠かせないとした。(2009年8月25日 09時01分
 共同)

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