産経ニュース 2015.7.29 20:29更新
安倍首相、中国「名指し」にシフト 国民理解へ身近な“脅威”指摘
安倍晋三首相は29日の参院平和安全法制特別委員会で、「中国の力による現状変更の試みに対しては、事態をエスカレートすることなく、冷静かつ毅然として対応していく」と述べ、中国が東シナ海や南シナ海で進める強引な海洋進出を抑止していく必要性を指摘した。同時に「戦略的互恵関係の考え方に立ち、関係を改善していく」とも述べ、対話の重要性も強調した。
首相は外交的配慮もあり、衆院審議では中国の名指しには慎重だった。ただ、前日の答弁でも同様に中国を牽制しており、国民に身近な“脅威”を強調することで、法案への理解を広げる狙いがありそうだ。
一方で首相は「集団的自衛権行使は戦争参加ではないか」との民主党の主張に反論。国連憲章で戦争は違法化されているが、集団的・個別的自衛権の行使などは例外だと指摘したうえで「戦争参加との表現は違法行為を日本が率先して行うと誤解されかねず、極めて不適切だ」と批判した。
維新の党の対案については「提出されれば真摯に対応したい。早期の提出を期待する」と述べた。
海外派遣中に自衛隊員が武器を不正使用した際の罰則については「今回の法制とは別途、不断の検討を行っていく」と述べた。武器の不正使用は国内なら1年以下の懲役となるが、刑法の国外犯処罰規定が事実上、3年以上の懲役となる罪に限定していることとの兼ね合いから、法案への罰則盛り込みは見送られていた。
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