朝日新聞が憎悪する教育勅語の本質とは 国家守るために闘うことは常識だ 岩田温 2024/3/3

2024-03-03 | 文化 思索

朝日新聞が憎悪する教育勅語の本質とは 国家守るために闘うことは常識だ 
  2024/3/3 10:00 岩田温
  

広島市の新人研修の中で、教育勅語の一部が使われている。この事実を朝日新聞は憎悪している。社説で「研修に教育勅語 広島市長は認識改めよ」(2023年12月20日)と批判する。

教育勅語の一部分の利用は、広島市の松井一実(かずみ)市長の判断によるものだという。松井市長は「教育勅語を再評価すべきとは考えていないが、評価してもよい部分があったという事実を知っておくことは大切。今後も使用を続ける」と述べているとのことだ。

冷静に分析してみて、「父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ」などという箇所を否定するのは異常である。仮にこれを否定するのならば、両親に反逆し、兄弟で憎み合い、夫婦で憎悪し合い、友達を裏切り合う人間関係が正当ということになる。

教育勅語の一部を評価するというのは、端的に言って、常識を重んずると言っていることと変わらない。

だが、朝日新聞が本当に主張したいのは、そこにない。こうした常識を説いている部分は教育勅語の本質ではないと彼らは考えている。だからこそ、松井市長が教育勅語の一部を研修に利用していることを「教育勅語の本質から目をそらす、危うい考えと言うほかない」と説くわけである。

では、教育勅語の本質とは何なのか。

朝日新聞は「一旦緩急あれば義勇公に奉じ、以て天壌無窮の皇運を扶翼すべし」の文言に注目し、「戦争へ動員する思想統制に利用された」と説く。「天壌無窮の皇運」との表現はいかにも明治時代の大時代的な表現である。

だが、「ことが起こったときに国家のために尽くせ」とする思想を誤りとは言えない。他国が侵略してきた際、「抵抗せよ」「侵略者を排撃せよ」との教えは誤っていると断言すべきではない。われわれの国民国家は国民が守ってこそ、成立するのだ。その気概を養うことを誤りとするならば、国民国家は成立しえない。

英哲学者、トマス・ホッブズの名著『リヴァイアサン』に始まる社会契約論の最大の弱点は、なぜ国民が命を懸けて国家を守るべきなのかを説明できなかった点にある。

自らの命を守るために国家を成立させるのが、社会契約論の最重要点だ。国家のために生命をかけて闘う思想は社会契約論からは出てこない。「われわれの愛する者を守るために闘う」という常識を抽象的な理屈では説明できなかった。

祖国がなければ、われわれの子孫は亡国の民となる。国家を守るために闘うという常識は誤っていない。朝日新聞は嫌がるだろうが、あえて言う。一旦緩急あれば、義勇公に奉ずるべきなのだ。(政治学者)

  岩田温「日本の選択」(zakzak) 
   

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です


岩田 温(いわた あつし、1983年(昭和58年)[4] - )は、日本政治学者YouTuber。専門・研究分野は政治哲学政治思想[3]。一般社団法人日本学術機構(旧・一般社団法人日本歴史探究会。自身の立ち上げた団体)において代表理事を務める。

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。指導教員は飯島昇蔵。学部在学中に『日本人の歴史哲学』を展転社から出版した。



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