トヨタの3月期、2期ぶりに黒字転換-豊田社長「スタートラインに」
2010年05月12日 10:48更新
2010年5月11日(ロイター)
トヨタ自動車は11日に発表した2010年3月期連結決算(米国会計基準)で、本業のもうけを示す営業利益が1,475億円の黒字となり、2期ぶりに黒字に転換した。
前期は4,610億円の赤字だった。赤字決算期の昨年6月に社長へ就任し、就任会見で「どん底からのスタート」だと語っていた豊田章男社長は、同日の記者会見で「やっとスタートラインにつくことができた」と心境を述べた。
各国政府の新車販売支援策による販売の回復や、約1兆円のコスト削減効果が奏功した。
最終利益は2,094億円の黒字で、前期の4,369億円の赤字から転換した。売上高は前期比7.7%減の18兆9,509億円だった。
2011年3月期の業績予想は、売上高が前期比1.3%増の19兆2,000億円、営業利益が89.8%増の2,800億円、最終利益が48.0%増の3,100億円とされた。
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「良質廉価な車が回復近道」リコール影響は想定内 トヨタ社長一問一答
SankeiBiz.2010.5.11 21:05
. トヨタ自動車の平成22年3月期決算会見で、豊田章男社長は「新たなスタート」と強調し、リーマン・ショック以前の利益水準の回復に意欲を示した。本格的な業績回復への道筋については「良品廉価な車づくりを進める」と述べるにとどまり、具体策は明示しなかった。また、同席した伊地知隆彦専務は、リコール(回収・無償修理)問題による業績への影響は「想定内に収まった」と話した。
--決算の率直な感想は
豊田社長「“嵐の中”でスタートを切った新体制での初めての決算。リコール問題やNUMMI(米国のGMとの合弁工場)閉鎖、F1撤退など、いろいろなことがあったが、持続的に成長できる新たなスタートに立てたというのが実感だ。(黒字は)お客さまのご理解と販売店、仕入れ先のがんばりで、感謝したい。現在も嵐の中という状況には変わりないが、遠くに晴れ間も見えてき始めた。従業員全員が心を一つにしたという実感があり、嵐の中でも安心、安全な航海に近づいてきている」
--再び1兆円を超えるような利益を計上できるようになる時期は
豊田社長「たいへん難しい質問だが、昨年度から全社をあげて収益改善活動を展開している。仕入れ先、設備メーカーの協力を得ながら、損益分岐台数の押し下げに取り組んでおり、着実に進んでいると思う。良品廉価な車づくりを進めることが、成長・収益回復への近道だ」
--リコール問題の業績への影響は
伊地知専務「リコールの影響による台数減により、22年3月期の販売台数を718万台とみていたが、5万台多く着地した。想定していたより影響は少なかった。ハイブリッド車のブレーキの不具合など技術関連費用を含め、費用の合計額は、2月に想定していた1700億~1800億円の範囲内だった」
--自己採点は
豊田社長「販売店や仕入れ先、従業員には、100点を与えてほしい。役員については、業績や経営環境などを勘案した結果、取締役以上の賞与を昨年同様ゼロとする予定だ」
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トヨタ決算、2期ぶり黒字転換…販売が回復
読売新聞2010年5月11日(火)15:09
トヨタ自動車が11日発表した2010年3月期連結決算(米国会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が1475億円(前期は4610億円の赤字)となり、2期ぶりの黒字となった。
各国政府の販売支援策に伴う販売回復と、コスト削減が原動力となり、昨年5月に予想した8500億円の赤字から約1兆円も上方修正した。
売上高は前期比7・7%減の18兆9509億円、税引き後利益も2094億円(同4369億円の赤字)で2期ぶりの黒字となった。
豊田章男社長は同日、東京本社で開いた記者会見で「今年度が新しいトヨタの再出発の年。環境車と新興国の分野で攻めていきたい」と語った。
連結ベースの世界販売台数は4・4%減の723万台で、1年前の予想より73万台上積みした。各国の支援策を追い風にハイブリッド車「プリウス」などエコカーの販売が拡大したほか、アジアでの販売が伸びた。
また、グループ全体で取り組んだコスト削減効果が約1兆円に達し、円高による為替差損3200億円を大きく上回った。
大規模リコール(回収・無償修理)問題に伴う費用は、米国の販売が回復した結果、今年2月に見込んだ約1800億円の範囲内で収まった。
11年3月期は、売上高が1・3%増の19兆2000億円、営業利益が89・8%増の2800億円、税引き後利益が48・0%増の3100億円を見込む。
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米運輸長官「安全性対策、実行が重要」 トヨタ社長と会談
日経新聞2010/5/10 17:03
トヨタ自動車の豊田章男社長とラフード米運輸長官は10日、愛知県豊田市のトヨタ本社で共同記者会見を開いた。大量リコール(回収・無償修理)を受け、米運輸省の関係者らが訪日し、トヨタの品質関連の施設を視察した。トヨタ側は安全対策の取り組みを改めて説明。不具合の原因とも指摘される電子制御を巡って、豊田社長は「全面的に協力したい」と強調し、安全改善に向けて広範に連携を深める方針を示した。
ラフード運輸長官をはじめ、規制当局である米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の関係者がトヨタ本社を10日訪問した。一連のリコールを踏まえ、トヨタ側は安全強化を目指し3月に発足した「グローバル品質特別委員会」の動き、地域ごとに素早く不具合情報を収集できる体制づくりなどを説明した。豊田社長は「運輸長官から良いスタートを切ったとの言葉を頂いた」と述べた。
リコール問題については、電子制御の不具合も原因であると指摘されており、未解決案件として残されている。米国では米航空宇宙局(NASA)、独立機関である「米科学アカデミー(NAS)」が自動車業界全体の急加速問題について幅広い観点から調査する方針を示している。米側がトヨタにも協力要請したのに対し、豊田社長は「安全な車づくりに全面的に協力したい」と応じた。
ラフード運輸長官はトヨタの説明を受け、「措置を講じるだけでなく、実行に移せるかが重要」と話した。トヨタと米運輸省は、リコール問題に関連し、トヨタ側が1637万5000ドル(約15億円)の制裁金を支払うことで4月に合意した。追加の制裁金の可能性も示唆されており、ラフード運輸長官は「(トヨタの品質対策についての)大量な資料を分析したうえで判断する」との考えを示した。
2010年05月12日 10:48更新
2010年5月11日(ロイター)
トヨタ自動車は11日に発表した2010年3月期連結決算(米国会計基準)で、本業のもうけを示す営業利益が1,475億円の黒字となり、2期ぶりに黒字に転換した。
前期は4,610億円の赤字だった。赤字決算期の昨年6月に社長へ就任し、就任会見で「どん底からのスタート」だと語っていた豊田章男社長は、同日の記者会見で「やっとスタートラインにつくことができた」と心境を述べた。
各国政府の新車販売支援策による販売の回復や、約1兆円のコスト削減効果が奏功した。
最終利益は2,094億円の黒字で、前期の4,369億円の赤字から転換した。売上高は前期比7.7%減の18兆9,509億円だった。
2011年3月期の業績予想は、売上高が前期比1.3%増の19兆2,000億円、営業利益が89.8%増の2,800億円、最終利益が48.0%増の3,100億円とされた。
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「良質廉価な車が回復近道」リコール影響は想定内 トヨタ社長一問一答
SankeiBiz.2010.5.11 21:05
. トヨタ自動車の平成22年3月期決算会見で、豊田章男社長は「新たなスタート」と強調し、リーマン・ショック以前の利益水準の回復に意欲を示した。本格的な業績回復への道筋については「良品廉価な車づくりを進める」と述べるにとどまり、具体策は明示しなかった。また、同席した伊地知隆彦専務は、リコール(回収・無償修理)問題による業績への影響は「想定内に収まった」と話した。
--決算の率直な感想は
豊田社長「“嵐の中”でスタートを切った新体制での初めての決算。リコール問題やNUMMI(米国のGMとの合弁工場)閉鎖、F1撤退など、いろいろなことがあったが、持続的に成長できる新たなスタートに立てたというのが実感だ。(黒字は)お客さまのご理解と販売店、仕入れ先のがんばりで、感謝したい。現在も嵐の中という状況には変わりないが、遠くに晴れ間も見えてき始めた。従業員全員が心を一つにしたという実感があり、嵐の中でも安心、安全な航海に近づいてきている」
--再び1兆円を超えるような利益を計上できるようになる時期は
豊田社長「たいへん難しい質問だが、昨年度から全社をあげて収益改善活動を展開している。仕入れ先、設備メーカーの協力を得ながら、損益分岐台数の押し下げに取り組んでおり、着実に進んでいると思う。良品廉価な車づくりを進めることが、成長・収益回復への近道だ」
--リコール問題の業績への影響は
伊地知専務「リコールの影響による台数減により、22年3月期の販売台数を718万台とみていたが、5万台多く着地した。想定していたより影響は少なかった。ハイブリッド車のブレーキの不具合など技術関連費用を含め、費用の合計額は、2月に想定していた1700億~1800億円の範囲内だった」
--自己採点は
豊田社長「販売店や仕入れ先、従業員には、100点を与えてほしい。役員については、業績や経営環境などを勘案した結果、取締役以上の賞与を昨年同様ゼロとする予定だ」
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トヨタ決算、2期ぶり黒字転換…販売が回復
読売新聞2010年5月11日(火)15:09
トヨタ自動車が11日発表した2010年3月期連結決算(米国会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が1475億円(前期は4610億円の赤字)となり、2期ぶりの黒字となった。
各国政府の販売支援策に伴う販売回復と、コスト削減が原動力となり、昨年5月に予想した8500億円の赤字から約1兆円も上方修正した。
売上高は前期比7・7%減の18兆9509億円、税引き後利益も2094億円(同4369億円の赤字)で2期ぶりの黒字となった。
豊田章男社長は同日、東京本社で開いた記者会見で「今年度が新しいトヨタの再出発の年。環境車と新興国の分野で攻めていきたい」と語った。
連結ベースの世界販売台数は4・4%減の723万台で、1年前の予想より73万台上積みした。各国の支援策を追い風にハイブリッド車「プリウス」などエコカーの販売が拡大したほか、アジアでの販売が伸びた。
また、グループ全体で取り組んだコスト削減効果が約1兆円に達し、円高による為替差損3200億円を大きく上回った。
大規模リコール(回収・無償修理)問題に伴う費用は、米国の販売が回復した結果、今年2月に見込んだ約1800億円の範囲内で収まった。
11年3月期は、売上高が1・3%増の19兆2000億円、営業利益が89・8%増の2800億円、税引き後利益が48・0%増の3100億円を見込む。
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米運輸長官「安全性対策、実行が重要」 トヨタ社長と会談
日経新聞2010/5/10 17:03
トヨタ自動車の豊田章男社長とラフード米運輸長官は10日、愛知県豊田市のトヨタ本社で共同記者会見を開いた。大量リコール(回収・無償修理)を受け、米運輸省の関係者らが訪日し、トヨタの品質関連の施設を視察した。トヨタ側は安全対策の取り組みを改めて説明。不具合の原因とも指摘される電子制御を巡って、豊田社長は「全面的に協力したい」と強調し、安全改善に向けて広範に連携を深める方針を示した。
ラフード運輸長官をはじめ、規制当局である米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の関係者がトヨタ本社を10日訪問した。一連のリコールを踏まえ、トヨタ側は安全強化を目指し3月に発足した「グローバル品質特別委員会」の動き、地域ごとに素早く不具合情報を収集できる体制づくりなどを説明した。豊田社長は「運輸長官から良いスタートを切ったとの言葉を頂いた」と述べた。
リコール問題については、電子制御の不具合も原因であると指摘されており、未解決案件として残されている。米国では米航空宇宙局(NASA)、独立機関である「米科学アカデミー(NAS)」が自動車業界全体の急加速問題について幅広い観点から調査する方針を示している。米側がトヨタにも協力要請したのに対し、豊田社長は「安全な車づくりに全面的に協力したい」と応じた。
ラフード運輸長官はトヨタの説明を受け、「措置を講じるだけでなく、実行に移せるかが重要」と話した。トヨタと米運輸省は、リコール問題に関連し、トヨタ側が1637万5000ドル(約15億円)の制裁金を支払うことで4月に合意した。追加の制裁金の可能性も示唆されており、ラフード運輸長官は「(トヨタの品質対策についての)大量な資料を分析したうえで判断する」との考えを示した。