中国、邦人の死刑執行を通告 国交正常化以来初
産経ニュース2010.3.30 13:04
【北京=川越一】中国当局は30日までに、麻薬密輸の罪で死刑判決が確定している日本人男性死刑囚に対し近く死刑を執行すると日本側に通告した。執行されれば、1972年の日中国交正常化以来、初となる。
中国には現在、執行猶予のつかない日本人死刑囚が4人いる。関係筋によると、刑が執行されるのは、2006年9月、遼寧省大連の空港から日本へ覚醒(かくせい)剤約2.5キロを密輸しようとして逮捕された当時60歳代の男とみられる。
08年6月、一審で死刑判決を受けた。昨年、同省の高級人民法院(高裁)で控訴が棄却され、判決が確定していた。中国では死刑を執行する際、最高人民法院(最高裁)の承認が必要で、中国側からの通告は、すでにその承認が得られていることを意味する。4月5日にも執行される可能性がある。
中国の刑法では、覚醒剤50グラム以上の密輸に対し、「懲役15年または無期懲役、死刑」が科せられる。