日本郵政 官営巨大企業の肥大化 地方金融機関の息の根を止めかねない

2009-10-28 | 政治
金融業界の懸念は「先祖返り」の官業肥大化 日本郵政再出発
10月28日22時12分配信 産経新聞
 元大蔵事務次官の斎藤次郎氏をトップに28日再出発した日本郵政。民間金融機関からは、“先祖返り”による官営巨大企業の肥大化に警戒感が高まっている。
 「民間金融機関との競争条件が全く不均衡になる」
 全国銀行協会の永易(ながやす)克典(かつのり)会長(三菱東京UFJ銀行頭取)は今月20日の定例会見で、ゆうちょ銀行への国の関与強化に懸念を示した。
 ゆうちょ銀行は民営化後を視野に、個人ローンの取り次ぎや投資信託の販売などへ業容を拡大してきた。預金量はメガバンクをはるかに上回る。「国営のまま民間と同じようなことをすることになれば、かつてより民業圧迫が強まる」(大手銀行)との危機感は強い。
 全国一律サービスを義務づけられたゆうちょ銀行の競合先は、大手都市銀行ではなく、むしろ地方銀行や信用組合だ。地方におけるゆうちょ銀行の預金収集力は絶大。しかも、その資金が地域金融に流れる事態になれば、ただでさえ景気低迷による経営不振が続く地方金融機関の息の根を止めかねない。
 斎藤次郎社長も28日の会見で、「(地銀との)協調融資などの方向性を見いだしたい」と反発に配慮した。だが、地方の資金需要自体が低迷し、銀行の過剰問題も続くなか、“共存共栄”の実現は難しい。
 生命保険業界も戦々恐々だ。かんぽ生命保険と日本生命保険は、民営化を前提に業務提携し、がん保険の開発などを進めている。だが、民営化見直しにもかかわらず最大手との関係が維持されれば、業界内から不満の声も出かねない。
 かんぽ生命の肥大化には、日本に地盤をもつ外資系生保も猛反発しており、米国生命保険協会などを通じ、日米摩擦の再燃につながる事態も予想される。

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