産経新聞前ソウル支局長に無罪判決「言論の自由の範囲内 被害者ら誹謗する目的認められない」2015/12/17

2015-12-17 | 国際/中国/アジア

2015.12.17 17:24更新
【本紙前ソウル支局長無罪】裁判長「言論の自由の範囲内」「被害者ら誹謗する目的認められない」
ソウル中央地裁に入る加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(納冨康撮影)
【産経新聞号外】前ソウル支局長無罪[PDF]
 【ソウル=藤本欣也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
 李裁判長は「憲法で言論の自由を保障している。本件も言論の自由の保護内に含まれる」とした上で、「被害者らを誹謗する目的があったとは認められない」と述べた。
 加藤前支局長のコラムは「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の見出しで昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載された。
 304人の死者・行方不明者を出したセウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そのような真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-というのが内容。
 右翼団体リーダーらが朴大統領への名誉毀損で加藤前支局長を告発したのを受け、ソウル中央地検は昨年10月、「朴大統領を誹謗する目的で虚偽事実を広めた」として、情報通信網法における名誉毀損(7年以下の懲役または5千万ウォン=約530万円=以下の罰金)で在宅起訴した。
 昨年11月にソウル中央地裁で始まった公判では、鄭氏らが出廷し噂を否定。李裁判長は今年3月、「噂は虚偽である」と認定した。
 その後、誹謗目的の有無が焦点となる中、米国人記者のドナルド・カーク氏、西日本新聞の植田祐一ソウル支局長、上智大の田島泰彦教授が弁護側証人として出廷し、「刑事訴追されなければならないような記事ではない」などと証言。加藤前支局長も最終意見陳述で「大惨事当日の朴大統領の動静は関心事で、特派員として伝えるべき事柄であると考えた」などとコラムの公益性を強調していた。

 ◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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産経新聞前ソウル支局長に無罪判決
 NHK NEWS WEB 12月17日 17時03分
 韓国のパク・クネ(朴槿恵)大統領の名誉を傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の前ソウル支局長に対し、韓国の裁判所は17日、「大統領をひぼうする目的はなかった」などとして無罪判決を言い渡しました。
 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長は自社のウェブサイトに掲載したコラムで、去年4月に起きた韓国の旅客船沈没事故の当日、パク・クネ大統領の所在が一時、分からなくなっていたと伝えた韓国の有力紙「朝鮮日報」の記事を引用したうえで、パク大統領が元秘書の男性と一緒にいた可能性を示唆し、インターネットを使って大統領の名誉を毀損した罪に問われました。
 これに対して、加藤前支局長は「記事には公益性があり、ひぼうする目的もなく、名誉毀損には当たらない」などとして無罪を主張していました。
 17日の判決で、ソウル中央地方裁判所は被告はうわさが虚偽であると知っていたとした一方で、「記事は私人としてのパク・クネ氏から見れば社会的な評価を深刻に阻害しているが、公人として大統領の業務遂行については公的な関心事であり、名誉を傷つけたと見るのは難しい」と指摘しました。
 さらに、「被告が記事を書いたのは韓国の政治や社会の事情を日本に伝えることが目的で、ひぼうが目的だったと見ることは難しい。言論の自由は韓国の憲法で保障されており、公職者に対する批判は可能なかぎり、許容されるべきであり、公職者の権限が高ければ高いほど許容される範囲はより広くあるべきだ」とする判断を示し、無罪を言い渡しました。
 17日の公判で裁判所は判決文の読み上げに先立ち、韓国外務省が提出した文書を読み上げるという異例の対応を取り、この中で韓国外務省は今回の裁判が両国の関係改善の障害となっているため大局的に善処すべきだと日本側から強く要望があったとしたうえで、「最近、両国関係の改善の兆しがあり、善処すべきだとする日本側の主張をしん酌することを望む」として配慮を求めていました。
 加藤前支局長はこのあと、記者会見を開いて無罪になった所感を明らかにすることになっています。
■首相「日韓関係に前向きな影響期待」
 安倍総理大臣は17日夕方、総理大臣官邸に入る際、「無罪判決がでたことを評価します。日韓関係に前向きな影響が出てくることを期待する」と述べました。
■外相「よい影響もたらすこと期待」
 岸田外務大臣は外務省で記者団に対し、「今般、無罪との判決が下されたことを日韓関係の観点から前向きに受け止める。日韓関係を推進していくうえで、よい影響もたらすことを期待したい」と述べました。また岸田大臣は「慰安婦問題については、協議を加速するように両国首脳から指示が出されている。こうした指示をふまえ引き続き議論していきたい」と述べました。

 ◎上記事は[NHK NEWS WEB]からの転載・引用です
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【追跡~ソウル発】朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた? (ソウル 加藤達也) 2014-08-03 
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