毛沢東は建国前の党大会の演説で「愚公山を移す」の故事を引いた 2023.1.19

2023-01-19 | 文化 思索

中日春秋
 ​「愚公山を移す」はよく知られる俚諺(りげん)。努力を続ければ、いつかは大事業を成し遂げられることをいい、中国の故事に由来する。▼老いた愚公が、人々に回り道を強いる二つの高い山を平らにしようと、息子たちと鍬で堀り崩すことにした。ばかなことをすると別の老人に笑われると反論した。「私が死んでも息子がいる。息子が死んだら孫がいる。子々孫々と尽きることはない。山はこれ以上高くはならない。どうして掘り崩せないことがあろうか」。その姿に神が感動し、山を移してやったと伝わる。▼貴重な働き手となる子孫が減っていくらしい。中国2022年末の人口が前年末を下回った。人口減少は、建国の父・毛沢東の失政で餓死者が多く出た1961年以来。少子高齢化が止まらぬという。▼豊富な労働力で「世界の工場」となったが、成長は鈍化する見込み。高齢者を支える社会保障の負担も人々にのしかかるに違いない。今日より明日が豊かとは限らぬと思う人は増えよう。共産党一党独裁への疑念につながるかもしれない。▼毛沢東は建国前の党大会の演説で「愚公山を移す」の故事を引いた。中国の地に触手を伸ばす帝国主義などを崩すべき山に例え「全国の人民大衆がわれわれとともに山を掘るなら、堀り崩せない道理があろうか」と説いた。▼新たに現れた、少子化という山。当局が扱いを誤れば、民が心を移す。  2023.1.19​

 ◎上記事は[中日新聞 中日春秋]からの書き写し


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