産経ニュース 2016.8.8 05:01
【主張】尖閣に中国漁船団 上陸阻止へ有人化を急げ
東シナ海で、中国が対日攻勢を一気にエスカレートさせている。安倍晋三政権は、力による圧迫に屈せず、尖閣諸島を守り抜く具体的方策をとらねばならない。
中国は、尖閣諸島周辺の接続水域へ約300隻の漁船と公船13隻を送り込んできた。一部は領海へ侵入した。
中国のガス田開発の海洋プラットホームには水上レーダーが設けられた。性能が強化されれば南シナ海のような軍事基地と化す。
外務省の杉山晋輔事務次官は「領海侵入は主権を侵害する。断固認められない」と、中国の程永華駐日大使に抗議した。外務省は、領海と接続水域からの公船の退去やレーダー撤去も求めた。
しかし、中国は聞く耳を持たず、「(尖閣は)中国固有の領土だ」などと反論している。中国海軍は今月1日、東シナ海で100隻以上の艦艇や数十機の戦闘機による大規模演習を実施した。
現状で尖閣を守り切れるのか。海上保安庁は、巡視船12隻の尖閣専従体制を整えているが、今の事態を受け、他の管区からの巡視船の応援を強化すべきだろう。
自民党は平成24年の衆院選で、尖閣への公務員常駐を公約に掲げたが、政権復帰後は放置している。自衛隊を含め有人化の検討を急ぐ必要がある。
公船と大漁船団は、明らかに意図的に連携している。侵略の一歩手前の事態ととらえるべきだ。その先に起きることを想定し、備えなければなるまい。
中国は漁民の一部に軍事訓練を施し、海上民兵にしている。侵略の先兵となる偽装漁船だ。中国が尖閣占領を考えるとき、最も嫌うのは、自衛隊の果敢な反撃と米軍の迅速な介入だろう。
日米の対応を遅らせようと、軍事行動であることを隠蔽(いんぺい)するため、偽装漁船に乗った海上民兵や特殊部隊が、民間人を装って尖閣に上陸する恐れがある。
軍艦を白ペンキで塗り替えた武装公船と大漁船団に紛れ込んだ偽装漁船の組み合わせで、尖閣占領の訓練をしているかもしれない。そうした視点が必要である。
南シナ海で中国軍は、ベトナムを攻撃してパラセル(西沙)諸島などを奪った。スプラトリー(南沙)諸島の岩礁の占拠に「漁民」を利用してきた。中国が現実にとってきた行動を知り、最悪の事態に備えるべきだ。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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〈来栖の独白2016/8/8Mon.〉
昨日のNHK夕方7時のニュースは、トップにオリンピックを報道。中日新聞の紙面には「尖閣」の一字もなかった。中国が尖閣に大勢の船団を出したのには、習近平指導部の勢力争いがあったということだが、中韓ともに何かあれば日本をいいように利用する。
ただ、いいように利用されているだけでは済まなくなるのではないか。オリンピックは日本ではまるで聖域であり、国民こぞって応援するのが当然のようにもてはやされるが、平和ボケもほどほどにしないと、尖閣を中国に実効支配されたあとでは、遅い。領土領海を自衛するのは国際法上も当然の義務だが、「諸国民の信義と公正に信頼して」我が国はそれを怠ってきた。そのため北朝鮮が易々と入り込み、国民が拉致されるということも起きた。国家国民を守るという最低限のことすら謳われていない憲法と、それによる同国民(拉致被害者とその家族)の悲哀に無頓着な平和ボケ国民。
世界は大きく動いている。
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