中日新聞 2015年7月19日 朝刊
日進強殺、高校生を逮捕 愛知県警、容疑認めバッグ発見
愛知県日進市梅森町上松の歩道で十二日夜、自治会長の川村典道さん(65)=同市梅森町新田=が殺害されてバッグが奪われた事件で、県警は十九日未明、同市内に住む高校生の少年(17)が犯行に関わった疑いが強まったとして、強盗殺人容疑でこの少年を逮捕した。
県警は十八日、少年を任意同行。少年は川村さんを襲ったことを認め、奪ったバッグを捨てた場所を話したという。この話に基づいて付近を捜索した結果、川村さんが倒れていた場所から約三百メートル北の住宅地にある畑で川村さんが持っていたとみられる黒いビニール製のショルダーバッグを発見した。凶器は見つかっていない。
捜査関係者によると川村さんは十二日夕、自宅から約五百メートル離れた梅森公民館で開かれた盆踊り大会の準備会合に出席。終了後に近くのコンビニエンスストアに立ち寄り、一人で買い物をしてから歩いて自宅に向かった。自宅まで約五十メートルの場所で背後から不意打ちのように包丁で刺され、抵抗する間もなく顔や首などを何度も切りつけられたとみられる。このコンビニの防犯カメラにはレジで支払いをする川村さんのほか、店を出た川村さんの後ろを歩く若い男が写っていた。男は濃い色のシャツに白っぽいハーフパンツをはいており、川村さんの姿を確認した後、追い掛けるように後ろを歩き始めたという。県警は男の不審な行動から事件に関与している疑いが強いと判断。服装や体格などの特徴を手掛かりに捜査した結果、市内に住む高校生の少年が浮上した。
県警のこれまでの調べでは、川村さんは十二日午後八時二十分ごろコンビニを出て自宅に向かい、八時三十五分ごろ血まみれで歩道に倒れているのが見つかった。コンビニから現場までは大人が歩いて五分ほどの距離で、県警は川村さんが現場に差しかかったとみられる八時二十五分から一一九番があった三十五分までの約十分間に襲われたとみて調べている。
現金数万円が入った財布や携帯電話は川村さんのズボンのポケットに残っていたが、自宅を出るときに持っていたバッグが現場からなくなっていた。川村さんの遺体には顔や首、背中など十カ所以上に刺し傷や切り傷があり、司法解剖で失血死と判明した。
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