寂しげな千佐子被告「あほな人生でしたわ」 死刑維持の2審判決に身じろぎもせず
2019年05月24日 20時20分 毎日新聞
京都、大阪、兵庫3府県で起きた青酸化合物による連続殺人事件で、高齢男性4人への殺人と強盗殺人未遂罪に問われた筧(かけひ)千佐子被告(72)に対し、大阪高裁は24日、死刑を言い渡した1審・京都地裁判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。「人をあやめたのだから、死をもって償います」。接見時の取材に、そう話していた筧被告は自ら出廷し、死刑を維持する判決を身じろぎもせず受け止めた。
公開の法廷に姿を現したのは、1審判決以来1年半ぶり。背中まで無造作に伸びた髪は、ほぼ真っ白に。灰色のTシャツ姿で入廷し、裁判長に一礼した。
判決を聞くためヘッドホン型の補聴器を着けてもらうと、「耳が悪いから結構こだわるんです」と位置を調整。証言台に立ち、裁判長が「控訴を棄却する」と告げても動揺は見せなかった。判決理由を聞く間も、静かに正面を見つめていた。
筧被告はこれまで9回にわたり、大阪拘置所で取材に応じた。時折同じ話を繰り返すものの受け答えはしっかりして、冗談も交えながら話していた。
被害者4人の顔も名前も覚えていると明言。動機については「お金が必要やった」と話し、大阪府貝塚市で経営していた印刷工場の運転資金や従業員の給料を工面するのに困っていたと説明した。
使用したとされる青酸は、出入りの業者から入手したとも証言。被害者に飲ませた量は「耳かき1杯とか半分くらいの量」と、詳細な状況も明かした。
控訴審判決を控えた今月21日には「親がこんなことになり、本当に申し訳ない」と子どもへの謝罪も。「あほな人生でしたわ」と寂しげな様子だった。【村松洋、高嶋将之】
◎上記事は[毎日新聞]からの転載・引用です
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連続青酸死事件で弁護側の控訴を棄却 大阪高裁
京都、大阪、兵庫3府県で起きた連続青酸死事件で、夫や内縁男性ら4人に青酸化合物を飲ませて殺害したなどとして殺人罪と強盗殺人未遂罪に問われた筧(かけひ)千佐子被告(72)の控訴審判決公判が24日、大阪高裁で開かれ、樋口裕晃裁判長は、求刑通り死刑とした1審京都地裁の裁判員裁判判決を支持し、弁護側の控訴を棄却した。
3月1日の控訴審初公判で、弁護側は1審に続き、全事件で無罪を主張。さらに筧被告の認知症が進み訴訟能力がないとして、公判停止か新たな精神鑑定を求めた。しかし高裁はいずれも認めず、新たな証拠調べや被告人質問など実質的な審理をしないまま即日結審した。検察側は控訴棄却を求めていた。
平成29年11月の1審判決は、被害者4人はいずれも自殺や事故ではなく青酸中毒だとした上で、それぞれの犯行時間帯に一緒にいたとして筧被告を犯人と認定。「事件当時に精神障害はなく、公判時の認知症も軽症」と完全責任能力や訴訟能力があると認定した。
1審判決によると、筧被告は、遺産取得や債務の返済を免れるため19~25年、青酸化合物を飲ませ、京都府向日市の夫の勇夫さん=当時(75)=や、内縁関係にあった大阪府貝塚市の本田正徳さん=同(71)=と兵庫県伊丹市の日(ひ)置(おき)稔さん=同(75)=の3人を殺害し、神戸市の知人男性1人を殺害しようとした。
◎上記事は[産経新聞]からの転載・引用です
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連続青酸殺人事件、筧被告の控訴棄却 一審の死刑支持、大阪高裁
京都府向日市を含む近畿地方の高齢男性4人に青酸化合物を飲ませて殺害したとされる連続殺人事件で、殺人罪と強盗殺人未遂罪に問われた筧千佐子被告(72)の控訴審判決が24日、大阪高裁であった。樋口裕晃裁判長は、死刑とした一審京都地裁の裁判員裁判判決を支持し、被告の控訴を棄却した。弁護側は無罪を主張していた。
争点は、認知症による責任能力や訴訟能力の有無▽死因▽供述の信用性-など。2017年11月の京都地裁判決は、犯行時には認知症にかかっていなかったとして被告の完全責任能力を認定し、求刑通り死刑を言い渡した。弁護側は即日控訴。控訴審で弁護側は、新たな精神鑑定の実施や認知症による公判停止を求めたが、樋口裁判長は却下し、即日結審した。
判決によると、遺産取得や借金返済を免れるため、07~13年、夫の筧勇夫さん=当時(75)、向日市=ら男性3人に青酸化合物を飲ませて殺害し、神戸市の知人男性1人を青酸化合物で殺害しようとした。【 2019年05月24日 11時24分 】
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青酸連続殺人・筧被告「死刑と言われるの嫌なの」 二審判決前に
京都府向日市を含む近畿地方の高齢男性4人に青酸化合物を飲ませて殺害したとされる連続殺人事件で、殺人罪などに問われ、一審京都地裁の裁判員裁判で死刑判決を受けた筧千佐子被告(72)の控訴審判決が24日、大阪高裁(樋口裕晃裁判長)で言い渡される。弁護側は一審に続き無罪を主張し、重度の認知症だとして公判の停止を求めたが、高裁は却下。実質的な審理を経ずに判決を迎える。
「裁判は怖くて。死刑と言われるのが嫌なの」。筧被告は23日、大阪拘置所で京都新聞記者の取材に応じ、控訴審判決を翌日に控えた心境を語った。
控訴審では被告が出廷する義務はない。「裁判は出た方がいいの?私は人と会って話すのが好きだけど、裁判で死刑と言われるのが嫌だから気が重い」
3月の控訴審初公判では、当初、出廷を予定していなかった被告が裁判所に出廷希望を伝え、公判が一時中断する場面もあった。出廷を希望した理由を問うたが、「そうだったの。覚えてない」と話した。
一審で軽度の認知症と認定された被告。この日の質問には、よどみなく答えた。これまでの人生について問うと、「後悔…。簡単に一言では言えない。悪いこともいいこともあった。でも私が突っ走ってしまった」と振り返った。
控訴審判決の後については「すべて弁護士に任せています。どうせ人はいつか死ぬんだし、笑って死にたい。でも私怖がりだから、現実を考えないようにしている。なるべく考えないようにして、その日に臨みたい」と述べた。【 2019年05月23日 20時08分 】
◎上記事は[京都新聞]からの転載・引用です
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◇ 青酸連続殺人事件 筧千佐子被告 控訴審初公判 2019/3/1 即日結審 (判決は5月24日)
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◇ 連続不審死事件 筧千佐子被告「死んでおわび」=二審判決(2019/5/24)を前に面会応じ
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