省エネ家電5%還元 追加経済策で政府方針
2009年4月8日 中日新聞夕刊
政府、与党は8日、消費電力が少ない省エネルギー型家電の購入促進策として、購入額の5%を「エコポイント」として国費で消費者に還元する方針を決めた。地上デジタル放送対応の薄型テレビには最大5%上乗せする見込み。近く取りまとめる追加経済対策に盛り込む。
環境対応車の購入促進策も盛り込む方針で、地球温暖化対策を強化するとともに、経済危機の影響で業績悪化に苦しむ電機業界と自動車業界を支援し、景気のさらなる悪化を回避する狙い。
「エコポイント」は省エネ製品の購入など環境に配慮した行動を取った場合に与えられ、他の商品の購入などに使える仕組み。還元対象は、冷蔵庫、エアコン、テレビなど一定の省エネ基準を満たした製品となる。地デジ対応テレビの場合は、最大で10%が還元される見込みで、2011年7月に迫る地デジへの完全移行を促す。
環境対応車の購入促進では、新車登録から13年以上たった中古車を廃棄して環境性能が高い車に買い替える際に、1台当たり25万円、軽自動車は12万5000円を補助。買い替えに加え、環境対応車の新規購入にも普通車は10万円、軽自動車は5万円を助成する方向。
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企業向け資金繰り支援、
総額37兆円に 中堅向けも大幅拡充
政府が追加経済対策に盛り込む企業の資金繰り支援策が、総額37兆円規模に上ることが明らかになった。日本政策投資銀行の危機対応の資金枠を1兆円から15兆円に拡大することが柱。支援が手薄だった中堅企業の受け皿も大幅に強化する。
37兆円の内訳は中堅・大企業向けが20兆円、中小企業が17兆円。大企業向け支援の中核である政投銀は現行の低利融資だけでなく社債購入や融資の保証業務にも参入を検討する。これに伴い資金枠を大幅に広げるとともに、政府が追加出資して資本増強する。(日経2009/04/08/07:02)
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【自動車産業ニュース】
一般車買い替えも補助 政府の追加経済対策
2009年4月8日
政府・与党が追加経済対策の一環として検討していた自動車の買い替え助成制度の全容が7日、明らかになった。対象車種を、従来検討していたハイブリッド車や電気自動車などの低公害車だけでなく、一般乗用車やトラック・バスなど商用車にも拡大。2009年度限りの措置として月内にも提出する補正予算案に約3700億円を計上する。
低公害車に対する助成では、自動車重量税と取得税の減免が今月から実施されている。今回の措置で低迷する自動車販売をてこ入れすれば、9万人程度の雇用創出効果を見込めるとしている。
原則として登録から13年を超えた自動車を廃車とし、環境基準を満たした新車に買い替える際に助成する方針でほとんどすべての車種が対象となる。登録13年以下であっても、国の基準を一定程度上回る燃費性能を示す車への買い替えならば適用する。この場合も半数以上がカバーされる見込みという。
助成額は乗用車・軽自動車で5万-25万円、トラック・バスは大きさに応じて20万-180万円。具体的な助成方法は今後詰める。低公害車減税と組み合わせれば、本体価格200万円のハイブリッド車なら、購入者の負担は約40万円軽減することになる。
政府・与党は当初、助成対象は低公害車への買い替えに主眼を置いていた。しかし金融危機後に自動車産業がかつてない苦境に陥り、非正規従業員の雇い止めや操業休止で雇用不安も広がっていることから、下支えには対象車種の範囲拡大が必要と判断したもようだ。
先進国ではドイツが自動車の買い替え促進制度を導入。9年以上の中古車を買い替えると約30万円を支給し、販売回復に寄与している。
◇特定産業優遇に反発も
政府・与党が固めた新車買い替えに対する助成策は、景気後退で業績が急速に悪化した自動車業界に対する事実上の救済措置だ。しかし、特定産業への過度の優遇策は自由貿易の妨げとなる「保護主義」へ直結する懸念がある上、恩恵を受けられない他産業からの反発も予想される。
自動車業界は政府・与党に対し、販売を下支えする政策の発動を強く働き掛けてきた。その結果、低公害車なら自動車取得税・重量税の減免措置が受けられる“大盤振る舞い”が実現。さらに今回の措置が加わることになり、政府幹部は「追加経済対策の目玉になる」と胸を張る。
ドイツは既に買い替え助成を導入している。ビッグスリー(自動車大手3社)救済を進める米国、フランスなど、基幹産業である自動車産業を政府が下支えする動きは先進各国に広がりつつある。
しかし、これらは保護主義に直結する危険性をはらむ。世界貿易機関(WTO)は先月、日本を含む23の国・地域が昨秋以降に85件の貿易制限などの措置を取ったと指摘。先日の金融サミットでも保護主義に反対することをあらためて宣言した。
今回の新車買い替え助成は2009年度限りで緊急避難的な意味合いが強いとはいえ、自由貿易の原則に照らせば異例であることは間違いない。環境や安全性能を向上させるための技術開発など、国際競争力を強化するための政策も同時に求められる。(東京経済部・小松田健一)
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〈来栖のつぶやき〉いよいよ解散が近いのかな。