事件後、市橋達也受刑者の両親とも医師を辞め、姉も嫁ぎ先から離縁 『週刊女性』2015/5/12・19号

2016-05-15 | 死刑/重刑/生命犯

 英国人講師リンゼイさん殺害事件  市橋達也受刑者、獄中から恩師にあてた手紙の内容とは
2015年05月06日(水) 11時00分 〈週刊女性5月12・19日号〉
 「ちょうど春休みのころ。パトカーや救急車、マスコミがどっと押し寄せてきましてね。ベランダに置いた浴槽に遺体を入れ、土をかぶせていたというおぞましい事件でした」
 と同じマンションの住人が思い出す。

    

 ’07年3月、千葉県市川市の自宅マンションで市橋達也受刑者(当時28)が、英会話学校『NOVA』の英国人講師だったリンゼイ・アン・ホーカーさん(当時22)を絞殺する事件が発生した。行方不明の彼女を捜していた複数の警察官が市橋宅を訪れたところ、振り切って裸足のまま逃走。以後、2年7か月にわたって全国各地で逃亡生活を続けた。整形手術もしていた。

   市橋受刑者の恩師 本山直樹・千葉大学名誉教授 

 心証が悪かったことで、マスコミはさんざん彼をバッシングした。市橋の千葉大学時代の空手同好会顧問だった同大学の本山直樹・名誉教授(72)は、このままではたとえ逮捕されたとしても、正当な裁判を受けさせることができないのではないかと案じて、「市橋達也君の適正な裁判を支援する会」を発足させた。資金を募って、国選弁護人ではない私選弁護人をつけるために奮闘したのだ。
「彼はおとなしくて目立たない学生でしたが、まじめでした。練習も道場の掃除も、ほとんどさぼったことがないですよ。それが殺人なんて、まさかの思いでした」
 市橋の両親は岐阜でともに医師というエリート家系だった。本人も医師を志したが、最終的には断念し、4浪で千葉大学園芸学部へ入学した。
「卒業時に身の振り方を尋ねると、"僕はもっと上を目指して頑張ります"と。米国の大学で専門だった緑地環境や環境デザインを極めたいと考えたようです」(本山教授)
 独学で約2年、英語を勉強。3DKの自宅マンションは親が所有するもので家賃はタダだった。月々の仕送りが15万円でアルバイトはしていない。ぜいたくな生活ぶりだ。
 しかし、試験には合格せず、事件直前、父親に仕送りのストップを通告されていた。
「それが相当なショックで事件の引き金になった、精神的に不安定になっていたのではと私は考えています」(同)
 逮捕後、本山教授が拘置所へ面会に行ったとき。
「"先生、私がやったことを許してくださいますか"といって、涙をポロポロこぼしたんですよ。決して、ひどい人間ではないのです。またある日、私が"なんでこんなことをやったのか"と聞くと、無言でうつむいたまま、ただただ涙だけでした。彼自身、まだ本当のところはわからないのかもしれないですね」
 裁判では、殺意の有無が争点になった。’11年7月、千葉地裁は殺意があったとして無期懲役を言い渡した。’12年4月、東京高裁は控訴を棄却。
「最高裁へ上告したほうがいいと助言したのですが、"本当のことを言っても誰も信用してくれない"と諦めきった口調でした。結局、上告しなかったので、刑が確定してしまったわけです。しかも、これまでは手紙を交わしてきたのに"今後は静かに罪を償っていきたい"と、どこの刑務所に服役しているのかも知らせてくれないのです」
 と、本山教授はやるせない表情を浮かべる。事件のあと、市橋の両親とも医師を辞める羽目になった。結婚していた姉も離縁された。

 ◎上記事は[週刊女性PRIME]からの転載・引用です *強調(太字・着色)は来栖
―――――――――――――――――――――――――
市橋達也著『逮捕されるまで 空白の2年7カ月の記録』幻冬舎文庫

    

――――――――――――――――――――――――
リンゼイさん殺害 市橋達也被告への支援金100万円突破 適正な裁判受けさせるため恩師が募集2010/3/17   
リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件 市橋達也被告 公判 URL   
――――――――――――――――――――――――
市橋容疑者の母が“悲痛激白”「死を選ぶと思った」
 zakzak 2009.11.10
 2007年、千葉県市川市で英国人女性、リンゼイ・アン・ホーカーさん=当時(22)=が遺体となって発見された事件で、死体遺棄容疑で指名手配中の市橋達也容疑者(30)の母親が夕刊フジの取材に応じ、悲痛な胸の内を明かした。市橋容疑者は整形手術で顔を変え、偽名で大阪府茨木市の建設会社の寮に住み込み作業員として働いていたが、元歯科医の母親は「事件後、何の連絡もない」と逃走資金などの援助を全面否定。死んだと思っていた息子に複雑な親心をのぞかせつつも、出頭を呼びかけた。
 岐阜県羽島市。閑静な住宅街に立つ一軒家に、市橋容疑者の両親は現在も暮らしている。事件から2年半。両親はメディアに沈黙を守り続けていたが、先月、市橋容疑者が福岡市や名古屋市で整形手術を受けていたことが発覚。9日には茨木市で働いていたことも明らかになり、ついに母親が重い口を開いた。
--逃走資金を提供したことはないのか
 「資金提供なんてあるわけない。(整形の費用などを)どこから手に入れたのか、こちらが聞きたいくらい。私は嘘はつけません。事件後、あの子からは何の連絡もありません。本当に死んでいると思っていました」
--なぜ死んでいると
 「ホームレスになっている、とも言われたけれど、あの子がそんな生活ができるとは思えなかった。お風呂も入れず、食べ物も拾って食べるような状況になるくらいなら、死を選ぶと思っていた。そんな生活力がある子じゃなかった」
--自殺した、と
 「はい。もうあきらめていましたから。今回の報道も、始めは信じられませんでした」
--連絡があればどうする
 「もちろん、私が警察に引き渡します。連れて行けなかったら、あの子に隠れてでも警察に電話するつもりです」
--整形した顔を見てどう思った
 「ただただ、ショック。そんなことをしてまで逃げるのかと思うと…。ただ、写真を見てすぐ達也だと思いました。目元でわかりました」
--整形しても分かった?
 「むしろ整形前の手配写真のほうがイメージと違っている。こんなつり上がった目をするのは怒った時だけ。普段はもっと明るい表情をしていました。素顔は整形後の写真のほうが近いんです。でも、これは本当に本人なんでしょうか?」
--というと?
 「だって、こんなにすっきりした顔をしているじゃないですか。逃亡犯の顔じゃない。2年半も逃げ回って、こんな穏やかな表情ができるでしょうか?」
--なぜ2年半、出頭を呼びかけなかったのか
 「逆効果になると思いました。逆に反発して、こちらに連絡を寄こさないのではないかと思ったんです。遺族の方から何度も要請がありましたが、こちらの考えをお伝えして納得していただきました」
--愛知県内の病院で外科部長をしていた父親はどうしているのか。事件後に退職し、一時は重病説や自殺説まで出たが
 「ずっと自宅にいます。私は主人がいるから生きていけている。私は生意気な人間ですけど、主人はマジメな人なんです。あの子の教育をしたのは私。あの子がもし悪いことをしたなら、それは私のせいです」
--どんな子供だったのか
 「口には出しませんでしたが、医者をやってくれれば、とは思っていました。でも、それを強制したことはありません。あの子は神経が細く、絵を見たり描いたりすることが好きでした。医者の仕事に耐えられるとは思っていませんでした」
--世間では過保護だとの批判もある
 「言われているように、ぜいたくな暮らしはさせていません。身分不相応な仕送りだってしていません」
--父親との関係は
 「私には逆らうことがあったけれど、主人に逆らうことはなかった。父親のことは尊敬していたと思います。主人が陸上をやっていたので、高校では陸上部に入っていましたし」
--西洋人女性には興味を持っていたのか
 「テレビで女優さんを見て『キレイだね』と言うことはありました。外国映画は好きでよく見ていたとは思います。でも、特別執着している様子はありませんでした」
--毎年帰省していたそうだが、最後に会ったのは?
 「事件前の2007年2月に電話で話したのが最後の会話です。その年の正月には実家に帰ってきませんでした。マンションには、事件後に片づけに行ったのが初めてでした」
--女装趣味があったとか、同性愛者だったとの報道もある
 「まるっきりウソだと思っています。いたって普通の子でした」
--性格は
 「私にとっては、いい子でした。ただ、筋を通したがる性格でした。何かおかしいとか、裏切られたりするようなことがあると、感情を抑えられなくなることはありました」
--いま、市橋容疑者に言いたいことは
 「本当にやったのなら、出てきて罪を償ってほしい。きちんと真実を明らかにしてほしい」
--いま、どんな気持ちですか
 「達也は本当に卑怯だと思います。死刑になってもおかしくない。腹立たしい。でも…、いけないことだとは思うんです、遺族に申し訳ないとは思うんですけど…。母親として、死んでいなかったんだという思いもある。気持ちが揺れ動いて、なんと表現していいのかわからないんです」

 ◎上記事は[zakzak]からの転載・引用です
――――――――――――――――――――
〔リンゼイさん事件〕市橋達也被告手記『逮捕されるまで 空白の2年7ヶ月の記録』/吉村昭著『長英逃亡』 
―――――――――――――――
 ■ “加害者”家族の現実 失われる日常、自殺、退職、執拗な脅迫…広く親戚にまで影響
.................


2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
感想 (中森鬼乱)
2016-12-11 08:13:49
市橋達也青年の、罪は重いです。ーーー一生かかって、懺悔し、償っていただきたいです。
しかし、それにしても、ご両親は、何故、お医者さんを辞めなくちゃならないのですか。
それとこれとは、関係ないでしょう。医者を辞める必要は全くなかったと、思いますね。
それと、事件後、達也の姉さんは離縁されたそうですが、相手の男性やその家族は、どうかしてますね。なぜ、離縁しなければ、ならないんですか。
こういう話を聞きますと、本当に、いいようのない理不尽さを感じます。
返信する
Unknown (ゆうこ)
2016-12-11 11:57:51
中森さん
 弊ブログへのアクセス状況をみますと、当エントリのような犯罪者の「家族」に関係するものが常態的に多いです。
>それとこれとは、関係ないでしょう。
>いいようのない理不尽さを感じます。
 この世における人と人との関りは簡単でもなく、人間存在の根源的な哀しみを痛感させられます。
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/3101c69221150b5374f9d786bbcb8be5
http://blog.goo.ne.jp/kanayame_47/e/059c2264d84ffe066ee889f06974dd82
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。