再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ?

2012-12-22 | メディア/ジャーナリズム/インターネット

再び始まるマスコミの“安倍晋三バッシング”、なぜ?
[窪田順生の時事日想 Business Media 誠]2012年12月18日08時28分 UPDATE
 衆議院の総選挙は、自民党の圧勝で終わった。この結果を受け、筆者の窪田氏は「また始まるのかあ」とウンザリした気持ちになったという。「また始まる」のは自民党政権ではなく、マスコミ各社による“安倍晋三バッシング”だ。
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 衆議院の総選挙が終わった。フタを開ければ戦後史上最低の投票率だった。
  誰に首班指命を入れます、どこと組みますというオッサン同士のしょうもない「三国志」みたいなパワーゲームを連日報じることが、すでに若者たちの激しい拒否反応を招いているということを、各局の政治部記者たちはそろそろ真剣に受け止めなくてはいけない。
  こりゃ次の参議院選挙も厳しい投票率だろうなあと思うとともに、そんな報道を見比べていると「あー、また始まるのかあ」とややウンザリした気持ちになる。
  自民党政権の話ではない。マスコミ各社の“安倍晋三バッシング”だ。
  なんてことを言うと「愛国主義者め」とそれこそこちらがバッシングされそうなので、ハッキリ断っておくが、特に安倍さんのことは好きでも嫌いでもない。
  というよりも総理時代は、よく悪い話を書かせていただいた。お母さまともどもお世話になっている某新興宗教とのホニャララな話だとか、福岡県中洲のママとのアレな噂とか。ただ、それはあくまでたまたまそういうネタが舞い込んできたからであって、特別な感情はない。
  ここで言う“安倍晋三バッシング”とはもう、安倍さんを親の仇がごとく憎んでいて、テレビに出て何かしゃべっているだけでも虫酸が走るというマスコミ人が、繰り広げるかなり感情的な攻撃のことだ。
  そんなヤツいねえだろ、と思うかもしれないが、みなさんが想像している以上に多い。例えばちょっと前、某キー局の元アナウンサーが教えてくれたのだが、報道局の人間が安倍さんのことをとにかく嫌いでたまらなく、総理時代にわざと記者の質問をはぐらかしているシーンばかりを十数カットつないで放映した。ワイドショーなどではわりとよくある“印象操作”だが、驚いたのはそれを番組と番組の間に流す5分ほどのスポットニュースの中でやったということだった。
■ニュースは偏っている
  その苦心の作品をつくりあげた局員は、周囲にこんなことを言ったという。
  「オレが安倍を辞任させてやる」――。
  元アナウンサーから一緒に話を聞いていた人たちは、報道機関の人間がそんな非常識なことをするわけがないだろうと半信半疑だったが、私からするとごく普通の「マスコミ業界あるある」だ。マスコミの友人たちと飲むと、必ずこういう人がいる。なにか特別な思想をもっているわけではないが、「安倍晋三」という響きを耳にした途端、「あんなのが総理になったら日本は終わりだ」と鼻息が荒くなる。で、だいたいその理由を聞くと「右翼だ」とか「政権を投げ出した」とか確たる論拠がなかったりすることが多い。この感覚は、『ドラえもん』に出てくるジャイアンが「むしゃくしゃしたから殴らせろ」とのび太のところにやってくるのとよく似ている。だから、ジャイアンが根っからのいじめっ子ではないのと同じで、アンチ安倍の方たちも悪い人ではない。
  学生時代、ほんのちょびっとだけテレビの報道フロアで働いたことがある。キャスターにカンペで秒だしをするのと、バミリ(ガムテープなとで立ち位置などの目印を床につけること)ぐらいしかできず、先輩フロアディレクターにケツを蹴り上げられていた思い出しかないが、ひとつだけ有意義な経験させてもらった。
  それは、インカム(ヘッドフォンとマイクがひとつになっている機器)から聞こえてくるサブ(副調整室)の報道マンたちのおしゃべりだ。モニターに現れる政治家やらに厳しいダメ出しやら、あの顔は下品だな、なんてこぼしており、その辛口批評家ぶりはすさまじく、まるでこの世にはロクな政治家がひとりもいないのではないかと錯覚してしまうほどだった。
  部活とバイトしかしていなかったバカ大学生にとって、これはいい社会勉強になった。それまで報道なんておカタい響きの仕事をしている人たちは「中立公平」という言葉を部屋に貼っているお坊さんみたいな人たちだと信じていたので、すごく親近感がわいた。と、同時に相田みつをの『にんげんだもの』ではないが、人間がつくっているものである以上、ニュースも必ず偏っているものなんだなあ、ということをぼんやりと学ばせていただいた。
■マスコミに協力してほしいこと
  そんな思い出にふけりながら、各局の選挙報道を見ていたら、自民の296議席を前にした論説委員たちが口をそろえてこんなことを言っていた。
  「この結果は、決して自民が支持されたわけではありません」
  確かに「風」はなかった。だが、民主が同じぐらいの議席をとった時、「ついに二大政党制がやってきました」なんてみなさんが無邪気にうかれていたのを覚えているだけに、冷静な分析というよりも「政治の素人どもの民意なんかあてになるか。オレは認めねえぞ」と拗(す)ねるガンコオヤジに見えてしまう。
  マスコミも人間だから嫌いものはしょうがない。いくら言ったところで、しばらくしたら安倍晋三の失言を取り上げたり、靖国に行くなんて非常識だとか騒ぐのだろう。ま、それはしょうがないとして、坊ちゃんだとか腹をくだしたとか、呂律がまわらないだとか、あまりにしょうもないことは目をつぶっていただけないだろうか。
  これは自民党のためではない。先ほども言ったように、若者たちはオッサンたちが「三国志」みたいな話を嬉々と語り合っている姿になんの魅力も感じていない。そこへダメ押しで、感情丸出しで罵り合うオッサンたちの姿を見せたらどうなるだろう。
  もうこれ以上、戦後最低の投票率を更新させないためにも、そこだけはぜひご協力をお願いしたい。
*窪田順生氏のプロフィール:
 1974年生まれ、学習院大学文学部卒業。在学中から、テレビ情報番組の制作に携わり、『フライデー』の取材記者として3年間活動。その後、朝日新聞、漫画誌編集長、実話紙編集長などを経て、現在はノンフィクションライターとして週刊誌や月刊誌でルポを発表するかたわらで、報道対策アドバイザーとしても活動している。『14階段――検証 新潟少女9年2カ月監禁事件』(小学館)で第12回小学館ノンフィクション大賞優秀賞を受賞。近著に『死体の経済学』(小学館101新書)、『スピンドクター “モミ消しのプロ”が駆使する「情報操作」の技術』(講談社α文庫)がある。
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2012年01月18日 08時02分 UPDATE[窪田順生,Business Media 誠] 

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