周南の殺人放火:公判 検察側主張「凶器の木の棒」提示 /山口
毎日新聞 2015年06月27日 地方版
周南市金峰の5人殺害・放火事件(2013年7月)で、殺人と非現住建造物等放火罪に問われた保見光成(ほみこうせい)被告(65)の裁判員裁判の第2回公判が26日、山口地裁(大寄淳(おおよりじゅん)裁判長)であった。検察側は、凶器とする木の棒について、被告が「2本作製した」と供述し、このうちの1本が被告宅から見つかったと主張した。
検察側が凶器とする木の棒は、被告が逃げ込んでいた山の中で見つかった。血液反応があり、被告の指紋が付着していたという。
検察側は、被告が「ナタで削り電気ドリルで穴を開けてひもを通した」と製作方法を供述したとしたうえで、山の中で見つかった木の棒の実物と、被告宅から押収したとする木の棒の写真を裁判員に提示した。
これに対し、弁護側は公判終了後、記者らに「(主張は)被告人質問で明らかにする」と述べた。
一方、検察側は公判で、被告が集落で孤立した様子を改めて明らかにした。
検察側によると、被告は03年、住民の一人と酒を飲んだ際、包丁で左胸を刺されて軽傷を負った。住民は罰金15万円の刑事処分を受けた。11年元日には被告が周南署を訪問し、「少年時代に近所の商店から1000円を盗んだことで住民たちは私のことを『盗人』と悪口を言っていると思う。両親の墓をきれいにしておきたいので集落を出られない」などと相談したという。
弁護側は、被告が住民らとのあつれきの結果、妄想性障害になったと主張している。【杉山雄飛、土田暁彦】〔山口版〕
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