5人殺害放火初公判で被告「無実だと思います」
2015年06月25日 12時27分
山口県周南市で2013年7月、男女5人が殺害された連続殺人・放火事件で、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた無職保見光成(ほみこうせい)被告(65)の裁判員裁判の初公判が25日、山口地裁大寄(おおより)淳裁判長で始まった。
保見被告は罪状認否で「私は火はつけていません。(被害者の)頭もたたいていません。無実だと思います」と起訴事実を否認した。
起訴状などによると、保見被告は13年7月21日夜から22日早朝にかけ、同市金峰(みたけ)で、同じ集落の住民5人の頭を木の棒で殴るなどして殺害し、住宅2棟に放火したとしている。
検察側の冒頭陳述によると、被告はこの集落の出身で、1996年頃に実家に戻った。02年に母親、04年に父親を亡くして一人暮らしになった後、周辺住民から悪いうわさを立てられて挑発を受けたと、自分勝手に思い込むようになった。仕事もなく、事件当時は生活資金が底をついており、「生活が立ち行かなくなって自殺を決意し、どうせ死ぬなら住民に報復しようと思って犯行を決意した」と説明した。
被告には、2回の精神鑑定が実施され、起訴前の鑑定では「刑事責任能力がある」とされたが、起訴後の鑑定では、空想や実際にあった出来事を基に疑念や嫉妬を膨らませる「妄想性障害」との診断結果が出た。検察側は「妄想性障害があっても、善悪を判断して行動をコントロールする能力はあった。責任能力は認められる」と主張。
弁護側は「被害者の家に行き、5人中4人の足を木の棒で殴ったのは間違いないが、頭は殴っていない」と述べ、争う姿勢を示した。弁護側はさらに、被告が孤独を好む性格で集落での生活になじめず、人間関係のあつれきで妄想性障害となったと説明。仮に被告の犯行だったとしても、善悪を判断して行動する能力が失われていた心神喪失か、著しく低下していた心神耗弱の状態だったと述べた。
◎上記事の著作権は[讀賣新聞]に帰属します *強調(太字・着色)は来栖
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◇ 「山口 周南 連続殺人・放火事件」本事件は「村八分」によるものだろう。大勢が保見氏一人にかかっていった 2013-08-01
-------------------------------------------------
◇ 「山口 周南 連続殺人・放火事件」 山田貴之、沖本浩弁護人会見「つけびして」貼り紙の意味は
◆ 「山口 周南 連続殺人・放火事件」 保見光成容疑者 被害者の名を示しながら動機に関する供述
◇ 山口県周南市 連続殺人・放火事件 保見光成容疑者を逮捕「死のうと思ったが、死にきれなかった」
-----------------------------
◇ 「山口 周南 連続殺人・放火事件」 保見光成容疑者の同級生「あの優しかった男がなぜ」
◆ 「山口 周南 連続殺人・放火事件」 飼い犬の『オリーブ』、保見光成容疑者身柄確保の1分後、死ぬ
.............