加計学園獣医学部 逆風耐え10年越しの悲願達成 門前払い、業界団体抵抗、過熱政争…
iZa イザ 2017.11.10 21:48
文部科学省の大学設置・学校法人審議会(設置審)の認可答申により、来春開学の見通しが立った学校法人「加計(かけ)学園」(岡山市)の獣医学部設置は、愛媛県と同県今治市の10年越しの悲願だった。15回にわたる門前払い、業界団体の抵抗、政争の過熱…。学園と地元自治体の二人三脚で岩盤規制を突破した格好だ。
■厚い壁
県と市が獣医学部設置に向け本格的に動いたのは平成19年11月。獣医学部の設置を認めない文科省告示を回避するため、地域限定で国の規制を緩和する構造改革特区に提案した。市の担当者は「別の大学の進出が14年に頓挫し『獣医なら』と唯一意欲を示した学園の構想が基になった」と説明する。
鳥インフルエンザなど防疫態勢の強化を急務としていた県と市は26年11月までに計15回提案。当時の民主党政権下の22年3月に「速やかに検討」に格上げされたものの、国の壁は厚く、第2次安倍晋三政権発足(24年12月)以降も含め、門前払いされ続けた。
■ドリルの刃
転換点は2014(平成26)年1月、スイスで開かれた世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)での安倍首相の演説だった。「岩盤を打ち破るドリルの刃になる。向こう2年間、国家戦略特区ではいかなる既得権益も無傷ではいられない」と、岩盤規制を突破する強い意志を示した。
27年6月に閣議決定された「日本再興戦略改訂2015」には、国家戦略特区での年度内の獣医学部の新設検討が盛り込まれた。
文科省は「既存の大学・学部では対応が困難」などの設置4条件を盾に難色を示したが、安倍首相が議長を務める特区諮問会議は28年11月、広域的に存在しない地域に限り新設を認める-と決定した。
その後、反対していた日本獣医師会への配慮などから、設置数を1校に限定。日本獣医師会側は会長短信で、閣僚などへの働きかけで「何とか『1校に限り』と修正された」と報告、複数校の設置回避に成功したことを強調した。
■追及空振り
今年1月に実施された今治市での獣医学部の運営事業者公募で選ばれた加計学園は3月、文科省に設置を申請。文科相が最終関門である設置審に諮問したが、5月以降に政争に巻き込まれる状況となった。
国家戦略特区を所管する内閣府側が文科省側に伝えたとされる早期開学への「総理のご意向」と書かれた同省の記録文書が表面化すると、文科省前事務次官の前川喜平氏が選定過程について「行政がゆがめられた」などと告発。野党も、首相が友人の学園理事長に便宜を図ったのではないかと追及、政争が過熱した。
7月に行われた国会での閉会中審査では、前川氏を含め首相から獣医学部の早期開学に関する指示を受けたとの証言は一切出てこず、野党の追及も空振りに終わったが、地元関係者はこうため息を漏らした。
「政争の具に使われ、エネルギーを浪費した」
◎上記事は[iZa イザ]からの転載・引用です
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◇ 自分たちの論調と食い違う加戸守行前愛媛県知事の証言を1行も取り上げなかった朝日。正確な情報を提供し、知る権利に資したといえるのか
◇ 加計学園問題 加戸守行前愛媛県知事は「濡れ衣」と断じた 森喜朗氏は「真相を一番知っているのは加戸氏だ」 それでも「報じない自由」はあるのか 北朝鮮ICBM発射 2017/7/29
◇ 「僕のときもそうだったけど、マスコミの印象操作は相変わらず酷いな。加計学園、あの真相を一番知っているのは加戸守行前知事だが、マスコミは殆ど報じないね」森喜朗元首相2017/7/27
◇ CNNと朝日新聞の共通点 「加計問題=フェイクニュース」と誰でも理解できる ケント・ギルバート 2017.7.27
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◇ 『徹底検証「森友・加計事件」朝日新聞による戦後最大級の報道犯罪』小川榮太郎著 飛鳥新社
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