日本の失業者77%が保険給付受けず 先進国で最悪水準 ILOの報告書

2009-03-25 | 国際
日本の失業者77%が保険給付受けず 先進国で最悪水準
2009年3月25日 中日新聞夕刊
 【ジュネーブ=共同】日本で失業保険の給付を受けていない失業者の割合は77%に上り、先進国の中で最悪の水準にあることが、国際労働機関(ILO)が24日発表した報告書で分かった。派遣労働の規制緩和などを急速に進める一方、非正規雇用者のセーフティーネット整備がおろそかなため、日本の労働者が国際的にも極めて厳しい状況に置かれている事情が浮き彫りになった。
 報告書は新興市場国を含む主要8カ国を取り上げた。このうち最も「無保険失業者」の比率が高いのはブラジルで93%、次いで中国が84%で日本は両国に続く高さ。4位の米国は57%にとどまり、ドイツやフランスは10%台。主な先進国で日本の突出ぶりは明らかだ。
 ILOは先進国が加盟する経済協力開発機構(OECD)諸国のうち「半数の国で50%以上に上る」とも指摘。ILO幹部は日本の突出ぶりについて「失業保険の受給まで待たされる期間が長く、受給できる期間が短いことが影響している可能性がある」との見方を示した。
 報告書の編集責任者であるILO国際労働問題研究所のレイモン・トレス所長は記者会見で「これまで社会保障は成長の阻害要因とされてきたが、誤りだったのは明らかだ」と述べ、日本などが労働市場の流動化をはじめとする規制緩和を優先し、弱者対策を軽視してきたことを批判した。

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