放射性物質の灰、セメント・コンクリートで埋立/福島に中間貯蔵施設、知事は反発/線量低下、帰宅に20年以上

2011-08-28 | 政治

焼却灰処理 環境省が新方針
NHK 8月28日4時2分
 原発事故で放射性物質が付着したがれきや一般ごみを燃やした灰について、環境省は、含まれる放射性セシウムが1キログラム当たり8000ベクレルを超えるものも、地下水への流出を防ぐ対策をしたうえで、埋め立てができるとする方針をまとめました。
 これは、27日開かれた環境省の専門家による会合で示されたものです。放射性物質が付着したがれきの処理について、環境省はこれまで、燃やした灰に含まれる放射性セシウムが1キログラム当たり8000ベクレル以下であれば埋め立てを認める方針を示していましたが、より濃度が高い灰については一時保管するよう求め、処理方法の検討を続けてきました。新たな方針では、放射性セシウムが8000ベクレルを超え10万ベクレル以下の場合は、放射性セシウムが地下水に流れ出ないよう、灰をセメントで固めたりコンクリートの容器に入れたりしたうえで埋め立てられるとしています。また、10万ベクレルを超える灰はさらなる対策として屋根やコンクリートの囲いがある処分場に埋め立てるとしています。一方、これまでに関東や東北地方で一般ごみを燃やした灰からも、1キログラム当たり8000ベクレルを超える放射性セシウムが検出されるケースが相次いでいましたが、環境省は一般ごみの焼却灰についてもがれきの処理方針に沿って埋め立てを認めることを決めました。 これによって、各自治体は一時保管していた焼却灰の埋め立てを進めることになりますが、処分場周辺の住民の理解を得ることが課題となることも予想されます。
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東日本大震災:汚染焼却灰、7都県で暫定基準超
 ◇埋め立て「10万ベクレル許容」拡大へ
 環境省は27日、東北、関東地方など16都県を対象に廃棄物焼却施設で出た焼却灰を調べた結果、7都県42施設で、埋め立て可能な暫定基準(1キロ当たり8000ベクレル)を超える放射性セシウムが検出されたと発表した。東京電力福島第1原発事故による汚染が広範囲に広がっていることが改めて示された。
 同省は福島県に限り、同10万ベクレルまでは埋め立てを許容する方針を既に提示しており、福島県以外にもこの方針を拡大する考えだ。
 調査は、東京都内の焼却施設で6月、暫定基準を超える放射性セシウムが検出されたことから、青森県を除く東北5県、関東・甲信越地方と静岡県の計16都県に対して同省が要請していた。
 その結果、焼却灰のうち、焼却炉内に残った「主灰」からは、福島県内の7施設で放射性セシウムが暫定基準を超えた。フィルターなど集じん設備から回収した「飛灰」からは、岩手2▽福島16▽茨城10▽栃木3▽群馬2▽千葉8▽東京1--の各施設で暫定基準を超えた。最も高い数値は、福島市内の焼却場で検出された9万5300ベクレルだった。
 27日開かれた、がれき処理に関する安全性検討会では「廃棄物処理を進め、身近な環境から放射性物質を取り除くことが重要」として、8000ベクレル以下の焼却灰は従来通り埋め立て処分を急ぐ一方、8000ベクレル超~10万ベクレルの焼却灰についても福島県同様、適切に処分することが必要との意見で一致した。【江口一】
 ◆廃棄物焼却施設の焼却灰測定結果(概要)◆
都道府県         測定結果
岩手県   19 (2) 不検出~30000
宮城県   18 (0) 不検出~ 2581
秋田県   16 (0) 不検出~  196
山形県   14 (0) 不検出~ 7800
福島県   22(16) 不検出~95300
茨城県   30(10)  42~31000
栃木県   18 (3) 217~48600
群馬県   24 (2)  20~ 8940
埼玉県   48 (0)  93~ 5740
千葉県   58 (8) 不検出~70800
東京都   54 (1) 不検出~12920
神奈川県  39 (0) 不検出~ 3123
新潟県   35 (0) 不検出~ 3000
山梨県   13 (0) 不検出~  813
長野県   27 (0) 不検出~ 1970
静岡県   34 (0) 不検出~ 2300
計    469(42)
 ※数字は報告施設数、カッコ内は1キロ当たり8000ベクレルを超した施設数。測定結果の単位は1キロ当たりのベクレル数。
毎日新聞 2011年8月28日 東京朝刊
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福島に中間貯蔵施設、知事は反発 帰宅まで20年超の地域も
中日新聞2011年8月27日 21時59分
 菅首相は27日、福島県の佐藤知事と県庁で会談し、東京電力福島第1原発事故により放射性物質に汚染された汚泥やがれきについて、中間貯蔵施設を同県内に設置したいとの考えを表明した。設置時期や場所、貯蔵期間は示されず、佐藤知事は「非常に困惑している」と不快感を示した。
 また細野原発事故担当相は福島復興再生協議会で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地域は帰宅までに20年以上かかる可能性があるとの試算結果を明らかにした。
 これまで政府は除染によるごみを同県内に「仮置き」するとしていたが、除染で出たごみ以外も中間貯蔵施設で保管される可能性も出てきた。(共同)
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線量低下、帰宅に20年以上 除染なしで政府試算
中日新聞2011年8月27日 17時21分
 政府は27日、東京電力福島第1原発事故で放射性物質に汚染された地域のうち、年間の被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される場所では、線量が下がり、避難している住民が帰宅できるまでに20年以上かかる可能性があるとの試算結果を、福島市で開かれた「福島復興再生協議会」で示した。
 放射性物質を取り除く除染などをしない場合に、セシウム137や134が時間経過とともに減少することや雨や風で地表面からなくなることにより、帰宅の目安となる年20ミリシーベルト以下になるまでの期間を求めた。現在の推定線量が100ミリシーベルトの場所は10年程度となる。(共同)  *強調(太字・着色)は来栖
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〈来栖の独白〉
焼却灰処理
 原発を生み出した人類。いかにも拙劣、その場しのぎの「処理」だ。
 チェルノブイリの例をみても、帰宅には少なくとも四半世紀以上かかる、と当初から予想せざるをえなかった。「死地」になった、と私は感じた。
 高レベル放射性廃棄物のリスクが消えるのには10万年以上を要する、といわれる。
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1 コメント

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サルフィックス (山本 春雄)
2011-09-02 09:24:16
放射線の出る焼却灰を埋め立てるとか、コンクリートの中に混ぜ込むなど考えるのですか。

サルフィックスで、弁当か缶の形状の中に焼却灰を入れますと、確実に放射線は十分の一になり、さらにサルフィックスの強度は、コンクリートの様に表面がボロホロすくことなく半永久的に保管することが出来ます。

どうして、この技術を利用して安全を向上させないのですか。コンクリートに混ぜるなど国民の目先を変えるだけで、根本の解決になっていません。この技術を持っている会社は、茨城県の株式会社ルーテックに連絡してみてください。
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